デイリーポータルZロゴ
検索天気地図路線このサイトについてランダム表示ランダム表示
アット・ニフティロゴ


フェティッシュの火曜日
 
美容師は自分で自分の髪を切っているのか

ジェニファーと母さんとの対面。

下積み時代はカットモデルはもちろん、人形で練習をします。首だけの人形です。あの人形を是非間近で見てみたかったのです。

髪の毛の生え方や質によって値段も大幅に違うらしく、高いものと安いものの両方を持ってきていただきました。

ちょっと値段の高い姉さん 目もキラキラしていてメイクもばっちり
母さん…!(安めの人形) 初々しかった頃もあったらしいが今はただのおばさん

素人の私から見ても、髪の毛の生え方や作りで間違いなくロングヘアーの方が高いんだということがわかりました。母さんは全体的に作りが雑です。 ただ、元々この髪形だったわけではなく、パーマの練習台になったためこうなってしまったそうです。みんなのために一肌脱いだ母さん。哀愁が漂います。

Q.この人形ってどこに行けば買えるんですか?
「美容や理容専門のカタログがあって、そこで注文してます。」

個人的に買おうと思ったら買えるんですかと聞くと、多分小売しているところもあるんじゃないかとの事でした。
なんとなく買ってみたい気がしないでもない。

――ある程度髪の毛を切ってしまったら使えませんよね。使い終わったらどうなるんですか?
「基本的には捨ててます。」

ビール瓶みたいに、どこかに持っていけばいくらかお金が返ってきたりするのかなと思っていたのですが、使い道はないそうです。
ただ、コンテスト用にキレイにセットしたものや、思い出深いものに関しては記念に持ち帰る場合もあるそうです。

――ちなみにこの首に名前付けたりするんですか?
「付けますねー、愛着が沸くとみんなやっぱりつけますよ。」

みんなそれぞれ好きな名前をつけるのですが、なぜか「アダム」や「ジェニファー」など、外人の名前が多いそうです。
ちなみに母さんに名前は無いそうで、この辺りにも格差を感じました。

母さん以上に無残なシャンプー練習用の人もいた 肉の部位説明の絵を思い出す
この体勢で練習。これでシャンプー台にいるお客さんの頭の位置が作れるそうだ。絞め殺そうとしているわけではない

ところで時代劇などで若い町娘がお金が無いからといって自分の髪の毛を売る光景を目にしたことがあるのですが、現代でもそういうことはあるのでしょうか。

今でも髪の毛って売れるんだろうか

Q.今でも髪の毛を買い取ってくれるところはあるんですか?
A.「僕の知る限りでは聞いたこと無いですね。最近の日本人の髪の毛はカラーやパーマをして傷んでいることが多いので売ったとしても売り物にはならないと思いますよ。」

エクステンションに使用している髪の毛は人毛だそうなのですが、ほぼ中国やインドから輸入されているそうです。

いろんな色のエクステンション用髪の毛 100%人間の髪。野菜のように生産者の顔は見えない

いつも「切り終えた髪の毛を何かに再利用できるんじゃないか」と卑しい考えを持っていたのですが、髪質のことを知ると尚更いい使い道が思い浮かびません。
長年勤めている美容師さんたちもやはり同じ事を考えたそうですが、結局いいアイディアは出ないまま捨てるそうです。

最後に、その大量の髪の毛を見せていただきました。

ちなみにこちらが平日の営業終了後の髪の毛。近くで見ると生々しいので遠巻きに撮影

――これって燃えるゴミとして普通に捨てるんですか?
「いえ、事業系のゴミなので、専門の業者さんに引き取りにきてもらうか、もしくは事業者シールを貼って出しています。」

ちなみに引き取られた後の髪の毛を、実は国がうまいこと再利用しているんじゃないかと気になったので、台東区役所に電話で聞いてみたところ、再利用はしておらず可燃処理しているそうです。
電話中、どうやらこれから美容室を始めようとしている人と勘違いされてしまったらしく「ゴミシールの買い方わかりますか?」「袋が破れると大変だからできるだけ詰め込まないでね」と、 具体的な話にまで発展してしまったため、バツが悪くなってお茶を濁して話を切り上げてしまいました。おじさんごめんなさい。

■難しさを知っているから切らない。

その道のプロといえど、さすがに自分で自分の髪は切っていませんでした。

しかし、一人前の美容師になるまでの苦労や、道具に対するこだわりなどを知ると、 髪を切ることがどれほど難しく且つ慎重な作業であるかということがかわかっているからこそ、 自分で自分の髪を切るという危ない橋は渡らないんだなと納得できました。

でももし、どこかに自分の髪も華麗にカットするような人がいるのなら、是非お会いしてその様子を撮影したいものです。

理容師さんの髭剃り練習用ウィック。どう見ても落ち武者

WILL piccy(音がでるHPですのでご注意を)
東京都台東区柳橋1-13-4 4F
平日10:00〜20:00 土日祝10:00〜19:00 (年中無休)
TEL:03-3866-9396


 
 
関連記事
その髪型、超立体
今こそ貧乏パーマ
日本にパーマを持って来た人

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
アット・ニフティトップページへアット・ニフティ会員に登録 個人情報保護ポリシー
©2012 NIFTY Corporation