いきなりですが、おすすめの商品なんですか?
全部だよ(笑)。まあしいて言えば「あけがらし」(米こうじを主原料としていて、醤油や唐辛子で味付けしたもの)
かな。刺身につけて食べるんだよ。好みの味なので。
あと、さわらの卵巣を酒漬けにした「あかひら」は、私のオリジナル。試行錯誤した自信作だよ。
平翠軒の生いたちについて教えて下さい。
創業は平成二年。本業の酒造とは別に、食べ物が好きで始めました。
商品は最初は150点ほどで、面白がってやっていた。でも赤字だったね。とりあえず400点をめざし、今は1000点くらいになったよ。
無添加、安全についてこだわりがあるようですが、具体的に私たちが注意すべき事はなんでしょう。
添加物とひとえに言っても安全なものもある。ペクチンなんかはミカンの筋の部分で安全。ソルビン酸カリウムはダメ。コンビニのおにぎり等でみるPH調整剤は、ナニモノかわからない。メーカーに電話しても教えてくれない。いろんな物質の群れを指している。米粒一個一個に油の被膜をつくり空気を触れないようにすることで固くならずいつまでもパラパラでうまいのだけど、手で握ったおにぎりのほうが数倍うまいのは、やっぱり無添加だからだね。
けして狭くはない店内にあふれんばかりに並んでいて圧巻ですが、商品はどのように集めるのですか。
自分の足で、五感で見つけてるよ。良い意味でワケアリのものを探す。ちょっと前、三年間旅に出ていたよ。ハムなんかだと、自分の目で確認して、部位を切断する所にも立ち会い見極めないと気がすまない。安全を第一に。食べ物に関しては特に、作る人間・売る人間・買う人間は同列にいなくちゃいけない。どのポジションの人間が優位かなんてあっちゃいけないんだよ。
なるほど、たしかに食流通ではそういう甘えた部分って出やすいような気がします…。
お客さんの反応はどうですか。
県外からのお客さんも多いけど、6割がリピーターだね。4割はネット販売。一度来て、以後ネット購入のお客さんも多いよ。
通販は便利ですね。でも商品を手にとって選びたいゆえにリピーターになるお客さんが多いのはうなづけます。
森田さんにとって、食べ物とはなんですか。
大人の遊び場、暮らしの中の冒険。教育の原点でもある。一言で言うと「食い物は冒険だ!」かな。でも注意しないといずれ食べ物が手に入りづらい日が来る。輸入にたよってしまうのは危ないんだ。
テレビでお店の特集をみました。ナレーションで「薄暗いとお客さんがポップを念入りに見るので、お店の照明を100ルクス以下にしている」と言っていましたが、他にも工夫している事はありますか。
そんなの嘘だよ。薄暗くしてるのはただの電気代節約だよ 。
そ、そうなんですか! |