ホロホロです
肉を取り出すために、再び加熱しラードを溶かす。中からは、なにやらしっとりした豚肉が出てきましたよ!
スゴイ。とにかくスゴイとしか言いようがない。ビールだビールだビール! なんだ、この肉は!
ラードで煮てるのに、脂っぽさなんて微塵も感じない。いや、むしろもっと脂っ気があっていいくらいだ。塩加減もちょうど良く、ハーブの香りも微かに感じられて、ものすごく贅沢なハムっていうか、なんていうか…。
すっかり脂煮に魅了されてしまった。これはいい。すごくいい。しかも保存できるっていうんだから、言うことナシだ。
鶏でも作ってみよう
豚肉でこれだけおいしいんだから、本場で一般的だという鴨で作れば、さらにおいしいんじゃないだろうか。しかし作る気はあっても、豚肉におけるラードのように「鴨の脂」という便利な商品は売ってない。
…待てよ。鴨といえば、思い当たる食材がある。
「死ぬほど皮を食べてやる」と思って買ったものの、使わないまま今に至った合鴨の皮があるのだ。
売ってないなら作ればいいだけの話だろう。これだけあれば、きっと大量の鴨の脂が摂れるに違いない。
ニラんだ通り、ものすごい量の脂が採取できた。いつもならギョッとするところだが、今回に関していえば「よっしゃ!」とガッツポーズが出る。
ああ、今まで食べずに取っておいて本当に良かった。皮だけ食べて、脂は捨ててしまうところだったよ。
で、鴨の肉はどうするかというと、ちょっと予算の関係で入手できませんでしたので、普通の鶏肉で代用してみようと思います。
固まった脂を常温で柔らかくし、鶏肉の上にトロリとかける。ああ…なんだかもう…。
食べる前、いや出来上がる前からウットリしてしまう料理って、いったい何なんだ。
豚の時と同様100℃に設定したオーブンに突っ込み、タイマーは1時間半にセットした。
低温の脂は、グツグツ音をさせるわけでも沸騰するわけでもなく、静かにゆっくりと鶏を柔らかくし、ただひたすらにいい匂いだけを発し続ける。