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ひらめきの月曜日
 
そうだ、肉を脂で煮ればいいんだ

ホロホロです

肉を取り出すために、再び加熱しラードを溶かす。中からは、なにやらしっとりした豚肉が出てきましたよ!


再加熱。ああ、ドキドキしますね。
脂に濡れた肉が出現。なんだろう、この艶めかしさは。
スーッと包丁が入りました。
フライパンで軽く焼いたら出来上がり。

スゴイ。とにかくスゴイとしか言いようがない。ビールだビールだビール! なんだ、この肉は!

ラードで煮てるのに、脂っぽさなんて微塵も感じない。いや、むしろもっと脂っ気があっていいくらいだ。塩加減もちょうど良く、ハーブの香りも微かに感じられて、ものすごく贅沢なハムっていうか、なんていうか…。


繊維がホロホロと崩れる。
箸で切れる肉。

すっかり脂煮に魅了されてしまった。これはいい。すごくいい。しかも保存できるっていうんだから、言うことナシだ。

 

鶏でも作ってみよう

豚肉でこれだけおいしいんだから、本場で一般的だという鴨で作れば、さらにおいしいんじゃないだろうか。しかし作る気はあっても、豚肉におけるラードのように「鴨の脂」という便利な商品は売ってない。

…待てよ。鴨といえば、思い当たる食材がある。


5月に買って、冷凍庫に入れっぱなしだった鴨の皮。
見事なまでに、ぎっしり皮のみ。

「死ぬほど皮を食べてやる」と思って買ったものの、使わないまま今に至った合鴨の皮があるのだ。

売ってないなら作ればいいだけの話だろう。これだけあれば、きっと大量の鴨の脂が摂れるに違いない。


焼けども焼けども、尽きることなく出る脂。
それをビンに収集。
皮がカリッカリ! あっという間に腹に収まった。
いやいや、今回の主役は脂だったな。

ニラんだ通り、ものすごい量の脂が採取できた。いつもならギョッとするところだが、今回に関していえば「よっしゃ!」とガッツポーズが出る。

ああ、今まで食べずに取っておいて本当に良かった。皮だけ食べて、脂は捨ててしまうところだったよ。

で、鴨の肉はどうするかというと、ちょっと予算の関係で入手できませんでしたので、普通の鶏肉で代用してみようと思います。


骨付きもも肉を購入。
 関節で切って、今度は塩だけで味付け。一晩置きました。
脂も冷蔵庫で一晩休ませます。
ご覧の通りに白濁。

固まった脂を常温で柔らかくし、鶏肉の上にトロリとかける。ああ…なんだかもう…。

食べる前、いや出来上がる前からウットリしてしまう料理って、いったい何なんだ。


絶対おいしいね、これは。

豚の時と同様100℃に設定したオーブンに突っ込み、タイマーは1時間半にセットした。

低温の脂は、グツグツ音をさせるわけでも沸騰するわけでもなく、静かにゆっくりと鶏を柔らかくし、ただひたすらにいい匂いだけを発し続ける。


うまくないわけがない。身悶え中。

 

 
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