スターになりきれなかったスター選手

上野に用がない人にとっては初耳かもしれないが、上野にはパンダ橋口という新しい改札がある。２０００年にできたらしい。改札そばには、ジャイアントパンダが居るのだ。

『じゃあ、上野のパンダ橋口のジャイアントパンダ前で』

声に出して言ってみた。覚えやすい。キャッチーだ。ハチ公に匹敵するスター性を持っている気がする。待ち合わせスポットとして大ブレイクするかもしれない。

しかし、残念ながらここで待ち合わせしている人は皆無だった。かわりに橋（これをパンダ橋と呼ぶらしい）の欄干に疲れたおじさんが座っていた。写真に写っているのは２名ほどだが、ずーっと、橋の向こうまでおじさんが占拠していた。

デートの待ち合わせだとすると少し寂しい気がする。ここで待ち合わせるとすれば、家族ぐるみの付き合いをしている友人家族か親戚だろうか。

子どもが居ればジャイアントパンダに喜んでくれそうな気がした。

上野のもう一つの待ち合わせスポット

上野にはもう一つ、マイナーな待ち合わせスポットが」あると聞いた。上野国立博物館の中にある巨木、ユリノキの前だ。巨木と聞いてこれは行かなくてはならない、と思った。

初耳のかたもいらっしゃるかもしれませんが、僕は巨木が大好きなのだ。当サイトでも記事にしている。

しかも、僕の大好きな巨木が博物館の中にある。博物館。デートの始まりには持ってこいの場所かもしれない。

惜しむらくは、チケットを買って中に入らないと、待ち合わせができないということ。ドタキャンを食らってしまったらかなりの精神的な痛手を覚える。

でも、巨木のおかげで外なのに日陰だし、風通しもよい。清潔なベンチもあって読書に最適だ。

待ち合わせ相手に対してユリノキの樹齢のことや由来を話したい衝動に駆られた上野。

地方の人のほうが知ってる？　東京の名所

東京駅と言えば僕の中では八重洲ブックセンターである。八重洲ブックセンターで待ち合わせができれば待ち合わせ相手がどれだけ遅れてきても待つことができる。

本屋というのは安心だ。しかも、この八重洲ブックセンターはなぜか優しい時間が流れている気がする。東海道新幹線の乗り場から近いので、関西方面に住んでいた子どもの頃によく利用した。

八重洲ブックセンターには、中２階にカフェがある。お客さんの多くは３０代〜５０代、うるさい子どもも、化粧っ気の強い女性もいないので落ち着いた雰囲気で休める。

東京駅からの立地もいい。特に地方の友達と待ち合わせをするにはありがたい。

アイスコーヒーは一杯３８０円だった。高過ぎず、安過ぎず、ちょうどいい金額だ。ただ、東京駅周辺のことをあまりよく知らない人と待ち合わせたら、丸の内方面の改札を出てしまったら大変だ。急いで、かなりの時間をかけて迎えにいかなくてはならない。まあ、それも面白いか。

名前がすばらしい

東京駅をぐるっと回って丸の内側にやってきた。ここ丸ビルは数年前に新しく建て直されたものだが、なかなかにおしゃれなビルである。取材日は休日だったが、東京駅近辺では珍しくカップルが多かった。

ところで、そんなカップルの待ち合わせ場所として、空中庭園はいかがだろうか。空中庭園という名前がいいではないか。何かロマンを感じる。

「じゃ、明日は丸ビルの空中庭園で待ち合わせね」

素敵な一日が始まる予感である。

と、見る前にかなり期待しすぎたためか、場所を見たら、あ、なんだ、こんなものなのね。と思ってしまった。何やら広い場所を想像していたいのですが、意外にせまいです、空中庭園。

とは言え、東京駅は一望できるし、空中庭園は５階にあるのだが、５階に向かうエレベーターはかっこいいし、なかなかいい場所なのではないでしょうか。