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はっけんの水曜日
 
朝から呑んでみよう2
スタートは鴬谷。


先日、「朝から呑んでみよう」という記事を書かせてもらった。
新宿に朝6時に行って、24時間営業の居酒屋をまわって帰る、というフテくされた内容で(申し訳ない、あの日、精神的にも肉体的にも参っていたんだ…)、それを読んだ読者様から「もっと血反吐を吐くまでまわれ!」「甘い、甘いんじゃこのスカポンタン!」というご意見を頂いていたんですが…。
その中で、「朝からやってる良い居酒屋情報、教えますよ」というメールが数件あったのだ。
有り難い。
教えて頂いたからには、行かなければならない。
ですよね? ですよね!?

(text by 大塚 幸代

朝ビール!

朝カツオのたたき!!

「そんなわけで、おはようございます」
「おあようございます…」
「えー、いま、素敵な日曜日の朝です。仮面ライダーっぽいものとか、テレビでやってる時間でしょうねえ」
「でしょうねえ」
「あ、今日、同行してくれるのは友人のAさんです。一人で行くのがイヤでついて来てもったんですが……怒ってます?」
「いやー、日曜呑もうって言われたら、当然夕刻からだと思うじゃないですか」
「まあねえ」
「でもまあいいですよ…朝ご飯食べてなくて、お腹すいてるから、早くビール呑みましょうよ」
「私もです、早くビールを。…いま我々、全体的に間違った会話をしてるかもしれないですね。
というわけで、鴬谷北口真ん前、『信濃路』店内におります。地図を用意してきたんですけど、全く無意味なほど、分かりやすい場所にありました」
「中は広いし、お客さん、結構いますね」
「カウンター席と椅子席。いわゆる居酒屋ファンが好きな居酒屋なんでしょうけど、清潔感があって、女同士でも全然入れる感じですね」
「カツオのたたき、食べたいなあ。この時間でもあるんですかね」
「一応頼んでみましょう」

「…ありましたねえ」
「ありましたわなあ。とりあえず乾杯!!」
「別に普通に、違和感なく呑めますね」
「罪悪感とか感じませんね。日曜日に来ちゃったからかなあ」
「鴬谷って、ブティックホテル街もあるし、大人のムードの場所ですけど、ほんと、アッサリした感じのお店ですね、ここは」
「全てが解毒された後に、寄る店なのかも…」


名物(?)のナポリタンも頼んでみました。なぜか味噌汁がついてきました。味噌汁の中に蛍光灯の光が写り込みまくり。味は……お母さん作っぽい味、かな…。

「次、来ました。九品仏の『福風』。ここも評判の高い24時間営業の店らしいですよ」
「九品仏で降りたの、初めてですよ」
「私も。ベストセラー『窓ぎわのトットちゃん』に出て来た地名だな〜、ってことは知ってましたけどね。静かでいいところですね」
「静かだけど、世田谷区だし自由が丘近いし、地価は高いんだろうなあ…」
「でも賃貸はそんな高くないかもしれませんよ」
「…そんな、生活レベルをなんとなく考えさせられてしまうような、素敵な街ですね」
「七夕の飾りもキレイですね」
「ここらへんのお子さんは、いい子が多いのかなあ。『野球選手になりたい』とか『世界平和』とか書いてありますよ」
「オオツカさんは、何て書きます?」
「……血液サラサラになりますように」
「はあ? 要するに、願いは健康ですか」
「健康です。もしくは金儲け」
「金は儲けたいですけどね」
「だってプロ野球選手ってことは、要するに超金儲けってことですよ!?」
「…短冊に言いがかりつけないように。もう既に酔ってますね」
「だって2件目なのに、まだお昼前だよ!?」


「あっ、店内に入ったら、いきなりクレイジーケンバンドかかってる! この店、私の友達!」
「そんな認定方法ですか。でも選曲、カルチャー寄りですね。ご主人が好きなのかな。店内インテリアも洒落てるし。…いま、ランチメニューみたいですけど…」
「24時間営業の店のランチメニューって、どんなの?」
「6時-16時がサービスタイムみたいですね」
「ハッピーアワーが10時間だ」
「定食メニューも充実してますね」
「ここ、担々麺で有名なお店らしいですよ」
「イロイロ食べたいですけど、おなかは、あんま減ってないですよねえ」
「ねえ。シチューセットとか、食べてみたいですけどね」
「こういう店、近所にあったらいいだろうなあ」
「通いますね、きっと」


旨辛、担々麺。


ここんちのゴハンは、みんな美味しかった! サラダ系も、肉系も。
これは「夜メニューは準備しきれてないけど、仕込みが出来てるのなら」と出してもらった一品。豚足。激ウマ。

「というわけで、恵比寿に移動してまいりました」
「恵比寿ですか」
「恵比寿です。交通アクセスいい場所です。そんな恵比寿にスゲー店が2つある、という話をきいて、とりあえず、押さえておかないとな、って。
まずは『たつや』っていう有名な焼き鳥屋さん。日曜はやってるか分からない、という情報だったんですけど…」
「やってますよ」
「あ、ほんとだ。張り紙ありますね、日曜は午後10時閉店なのね」
「翌日は午前8時開店みたいですよ」
「すごいなー。すごい営業時間だ」
「カタコトの、留学生の若い子たちが、クルクル働いてるなあ…。ガツ刺しに酢と醤油をピューってかけてくれてますね」
「焼き鳥、うまいです。安いし、うまい。うまいし、安い。うむ、ビールがすすむ」
「朝から何杯くらい、呑みましたかね?」
「え? あー、そういうのも記録しなきゃいけなかったんですかね?」
「そうじゃないですか?」


「そんなわけで最後の店、『中国茶房8』ですよ!」
「やたら坂をのぼったところにありましたね」
「恵比寿から目黒に向かう方向の坂って、キツいんですよね。しかし分かりにくい場所にある店なのに、混んでるね」
「2時間制だって言われましたよねー」
「地元の人は知ってる店なんだろうなあー」
「だって北京ダック、さばいてますよ、そこで!」
「あ、あれはコース料理じゃないと食べられないんじゃないのかな。でも、ツマミも皆、激安ですよ。だって105円からだもん」
「アヒル料理も、辛旨いですね」
「ていうかもう、夕刻で、普通に店が開く時間になってしまいましたねえ」
「そうですねえ」
「そういうワケで、紹興酒をボトルで頼んでしまいましょう」
「意義無しです」

(中略)
「……だから、そう思うわけですよ!」
「同感です」
「で、今回、どこがいちばん良かった?」
「信濃路かなー。終電で山手線で困ったとき、あそこで降りればいいかなーと」
「そだね、使える。恵比寿も使える。
しかし何か、明るいうちに呑むビールってまわるねえ、まわるじゃんかあ…」
「まわりましたねえ、全部、いい店ばっかりだし…」
「うん、ぜんぶいいみせー。
あ、今回のって、あくまで私たちが勝手に居酒屋周遊しただけの記録なので、行きたい店舗データとかは、個々、検索してくださいねー」
「適当だなオイ!」
「いやもう、全部いい店だから、大丈夫!」


……翌日。
私は信じられないような二日酔いとなり、身体が全く動かない一日を過ごした。友人Aも熱が出たらしい(申し訳ない)。
しかし、それはまた別の話だ。


 
 
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