デイリーポータルZロゴ
このサイトについて


はっけんの水曜日
 
にわんち研究報告

■ジャングルにわんち


白いガードレールを食らい尽くさん勢いの木々。鎮守の森一歩手前。

 このにわんちも相当気合いが入っている。家自体はわずかにしか見えない。凄いを通り越して、凄く凄い。ここまで凄いにわんちだと防音効果もありそうだ。防音、断熱、目隠し、にわんちの機能性には驚かされる(想像だけど)。

■飛び地にわんち


道を隔てた公園の中に植木鉢をズラリ。にわんちとしては珍しい飛び地タイプ。

 通常にわんちは自分の家の前の歩道に作られるのだが(家→歩道→にわんち)、これは道を飛び越して公園の中にスペースが作られている。「家→道→公園→にわんち」という構造だ。

 もし公園の外をにわんちとした場合、そこは車道なので邪魔になる。公園の中なら車からも歩行者からも邪魔にされない。きっとそんな考えの結果、飛び地にわんちが生まれたのだ。


丁度民家の幅と同じくらいのスペース。自分の家の前はじぶんちという縄張り意識が発見されて興味深い。

 

■南国にわんち


背の高い、南国っぽい木が数本。ここは伊豆か、はたまた房総か。

 ここはなにかの商店なのか。その店を演出するための南国風な木だとしたら、それは結構な企業努力だと思う。だって、東京だ。南国じゃない。

 興味深いのは、左の黒い家の前にもにわんちが浸食している点。「自分の家の前はじぶんちの法則」によれば、これは立派な領土侵害なのだが。んー、同じ家なのかぁ。

■生命力あふれる、モリゾー庭


巨大なアジサイに覆われたにわんち。家自体が盛り上がって道に出っ張るという珍しいタイプだ。

 本郷に家を建てた友人のところを強襲したら、近所に凄い家があるというので案内してもらった。そこのアジサイが凄くて、狭い歩道にかなり張りだしていたのだという。行ってみたら確かに巨大なアジサイが家から生えていて、だけども、それが半分ほど切り落とされていた。

 1ヶ月ほど前、全盛期には上の赤い部分を覆い、体を傾けないと通れないほどだったのだという。あー、なんて惜しいことを。その頃はきっともっと素晴らしいにわんちだったのに違いないのに。

 通常のにわんちは、前述の通り「家→歩道→にわんち」として作られる。この様な「家→にわんち」なパターンを「家にわんち型」と呼ぶが、それは家の前が広い歩道になっている場合に多く、このように狭い歩道に「家にわんち型」が現れるケースは少ない。

では、最後にそんな「家にわんち型」のプルプル立体写真をいくつか見ていただこう。まぁ、よくよく見れば、家の前に植木を並べてるだけなんだけど。


家自体の緑も凄いけど。隣の家の人、よく怒らないな。タダで屋上緑化って事なんだろうか?

ドロリとあふれ出たかのような家にわんち。

■家にわんち型立体写真

 これは見てのとおり、本来の庭を作り込み、緑で埋めきった結果、それが家の前の道に溢れてしまったパターンだ。庭自体はスモモや梅などの木々、ツル科の植物など大物が目立つ。

 にわんち部分については小物の鉢植えが主体で、主に花で埋まっている。小さい順に作られたそれは、記念撮影のひな壇を彷彿とさせる。この奥行きと立体感が良い。

緑オンリーの家にわんち。

 こちらはとにかく背の高い緑で構成された家にわんち玄関を隠すのが目的の様で、特に玄関前に密集している。笹がモリモリと育っていたので、きっと近い将来玄関は完全に見えなくなる。

 写真右に、小さな朝顔があった。多分、ここんちの子供の夏休みの宿題だ。咲いた朝顔はすっかりしぼんでいた。朝顔ってこんなに早かったっけ。

こんもり感が可愛い家にわんち。こんもり感とこぢんまり感が可愛かったので写真を10枚以上撮っていた。
どちゃっとまとめられた植木鉢たち。これもにわんちの一種である。植木鉢に見られる統一感とバラバラ感のバランスが良い。勢いと打算の成果だ。

にわんちは都会のオアシスだ

 にわんちの横を通るとなんだか落ち着く。日射、車の音、雑多な風景、都会のノイズがことごとく和らいだ。エコな癒しの空間だ。んんー、素敵。

 むかごがなっていたにわんちの前での話。写真を撮っていると、にわんちの主人たるおばあちゃんに声を掛けられた。「このバラは主人が可愛がっていたものなのよ」。過去形だった。おばあちゃんは、おじいちゃんを慈しむかのように、バラの花を撫で、

「つぼみのうちに半分虫に食われちゃって」

と、虫食い部分を見せてくれた。笑っていた。

 にわんちは、コミュニケーションツールの機能も持っている。きっとにわんちの横で井戸端会議が開かれたりもするのだろう。快適空間で、きっとうわさ話に花が咲きまくるに違いない。そんな話をいつも聞いてるにわんちの植物こそ、街で一番の事情通だったりするのだ。

なんてね。
今回最小のにわんち前から、また次回!!


 
 
関連記事
庭がガス田
浮かれ電飾を鑑賞する
ベトナムの街路樹コレクション

 

 
Ad by DailyPortalZ
 

▲トップに戻る バックナンバーいちらんへ
個人情報保護ポリシー
© DailyPortalZ Inc. All Rights Reserved.