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ロマンの木曜日
 
「役に立たない機械を作る」という宿題

どんどん分からなくなっていく

つぎは、作井允さんによるこちらの作品。


こういう製品ありそう


なんだろう。健康関連グッズとかでこういうのありそうだ。何かの役に立ちそうには見えるのだが・・。

小芝居が始まります。

というわけで、タイトルは「つり革」でした。

作者コメント:「なるべく役に立つような、大量生産できるようなものを目指しました

役に立っちゃだめって先生いってたじゃん。でもこれちょっと欲しいです。

 

作品その6

意味不明な作品の連続にちょっと頭が疲れてきましたが、つづいてはこちら。


黒田瑞仁さんによる作品。


なんでこんなのばっかりなんだ。そっか、そういう宿題だからですね。

本人によるまじめな解説

マスクに手袋を組み合わせたこの作品、他にもラインアップを用意したとのこと。


こちらはゴム手袋
これは軍手。あまり膨らまない。

軍手はあまり膨らまなくて寂しいですね、というぼくのいい加減な感想に対して、「そういう素材なので・・」と丁寧に返してくれる黒田さん。

作者コメント:「いかに役に立たないものを作るか、ということだけを考えた」とのこと。

まじめだ。この人はすごくまじめなんだと思う。

 

もっとも役に立たなかった機械はこれだ

いよいよ最後。もっとも高評価だったという小林俊之さんによる作品です。

実はこの作品、先生が優秀課題作品として公開するには誤解される恐れありということで、授業では公にできなかったというもの。でもその結果、本邦初公開になります。


ふつうに文房具っぽい作品


このすばらしい作品の使用方法については、連続写真で伝えたいと思います。


「使い方を説明します」


「たとえばこういう雑誌があったとして」

「これを・・」

「こうすると裸に見えます」

・・読者の方に誤解のないよう伝えておくと、彼らは学問の徒として、まさに真剣そのものです。たとえば上の写真を撮っているとき、その脇ではこんなことになってました。


まっすぐな眼差し

隣で雑誌をささえているのはさっきのマスク手袋の黒田くん。どうだろう、この曇りのない眼差し。ちらと不純なことを考えたぼくの心こそが汚れているのだと気づかされる。


奥の美術書はオマージュです

机の上に並べるように置かれた週刊誌と美術書。そう、ここ早稲田大学はあくまで学問の府なのです。

役に立たなくても意味はあるかも

作品を見ていて思ったことがある。なんだか当サイトの製作物みたいだ、ということだ。

ぼくも遠くから鳴らす鉄琴ダーツ発射機など、ろくでもない機械をつくってきた。作りながら後ろめたい気持ちもあったのだが、役に立たなくても意味はあるかも、と思うとちょっと救われる気持ちになりました。

取材協力: 早稲田大学中谷研究室
https://www.nakatani-seminar.org/


 
 
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