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ウシ型連投
ここからは矢継ぎ早にウシ型の角たちがでてくるから気をつけて見ていて欲しい。まずはアノア。ウシの中で最も小さい水牛だ。そして逆にウシ最大の種、ガウル。バッファローマンみたいな弧を描いて伸びる角は先端部が黒くなっている。美角ナンバーワンだ。
こうして見るとニホンカモシカの角は実に控えめだ。日本人の奥ゆかしさすら感じられる。単品で見ると少々もの足りないが、他に派手な角ばかりみていると、こういう地味な角が妙に落ち着く。恋人にではなく家族に生やしたい角だ。 |
アノア。 |
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ガウル。武器みたいな角です。 |
こちらはひかえめニホンカモシカ。 |
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で、ばーん。
次は左右に広がるように伸びた角が特徴のバーラル。なかでも中国のスーチョワン地方に生息するスーチョワンバーラルだ。 |
呼んだ? |
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違うアングルから見るとこのバーラルの角の不自然さがわかるだろう。一頭ずつ形が違うのだが、このバーラルはねじくれて後ろに流れている。しかしこれも枝分かれしていないし、生え替わることがないのでウシ型の角に分類される。 |
バーラルの自由な角。 |
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バーラルの後ろに流れるように伸びた角は実用的だ。角を使って上手に背中をかいていた。あの角でかかれたらそうとう気持ちがいいに違いない。僕もかりかりしてもらいたい。 |
あれでかいてもらいたい。 |
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今回は取材のため一人で動物園に来ているのだが、ぜんぜん飽きない。動物の写真を撮るのは根気を要する。きれいに角が見えるアングルに動物が来るまでじっとファインダーをのぞいて待っていないといけないからだ。このような理由から、角だけを見に来るのならば一人で来た方がいいかもしれない。 |
こういう写真を一人でずっと撮っていた。 |
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こちらは立派なシカ型の角を持つカンスーアカシカ。シカ型なのでこの角は毎年生え替わるはずだ。欲しい!落ちた角、欲しい! |
カンスーアカシカの角。落ちたら下さい! |
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珍獣にも角
こちらはケニアボンゴのガンコちゃん。渦を巻くようにして上に伸びた角がかっこいいのだが、結局一度もこっちを向いてくれなかった。だからガンコちゃんっていうのかもしれない。
このケニアボンゴ、実は世界4大珍獣の一つに数えられている。あとの3つがジャイアントパンダ、コビトカバ、オカピというところからして、その貴重指数を測り知ることが出来る。 |
結局こっち向かなかった。 |
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ケニアボンゴは4大珍獣の一つなのです。 |
頭をなでてもらうのが好き。角があるのに。 |
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続いてウシ型のまっすぐな角を持つアラビアオリックス。角がなければ小型の馬かロバなのだが、この角のおかげでここに連れてこられている。 |
神話の動物みたいです。 |
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まっすぐに伸びた角は真横から見ると重なって一本に見える。このことから、アラビアオリックスは古くからユニコーンのモデルとなったとも言われている。 |
確かに一本に見えるかも。 |
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キリン型
角のタイプ、4つめはなんとキリン型だ。これを聞いて「キリンに角ってあったか?」と思ったのだが、よくみると確かに頭の上がぼこぼこしている。あれが角なのか。 |
角あるのか? |
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キリン型の角の特徴は皮膚に覆われていること。そのために骨が飛び出しているようにみえる。ウシ型、シカ型に比べるとずいぶんと地味だが、最高で5本あるのだとか。 |
あった! |
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なかなかすばしっこいサイ |
サイ型
角のタイプ、最後はサイ型の角だ。もちろんこれに当てはまるのはサイ。
サイ型の角は皮膚が硬くなってできた繊維が固まったもので、定期的に抜け落ちることはないが折れるとまた生えてくる。キリン型とサイ型の角は、他のタイプの角と比べてもその存在意図がよくわからない。ただかっこいい。ファッション要素が進化の過程で淘汰されずに引き継がれているとしか思えないのだ。
サイは意外なほど動きが速く、なかなかうまく写真に収められなかった。そこでサイ舎まで撮影に行った。その甲斐あってかなかなか角の質感をよく表した写真が撮れたと思う。
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角サービスショット。 |
その質感をわかってもらいたくて。 |