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ちしきの金曜日
 
灼熱の滑り台、温度調べ

こんな看板もあるくらい。

 暑い。
この星は本当に人間が生存可能な星なのだろうか?
と疑問に思うくらい、暑い。先月地球に来たばかりの宇宙人だったら、今ものすごく不安になってると思う。

暑い日にすごいと言えば、車のボンネットやハンドルだ。 「コレ、絶対ボンネットで目玉焼き焼けるって!」 というセリフは毎年夏が来るたびに言ってるし、ハンドルを握って 「あちあちあちっ!!」 となったことは数え切れないほどある。

あと、滑り台だ。ステンレス製のピカピカの滑り台は、真夏はそれこそ肉がおいしく焼けそうなくらい熱くなっている。あれは小さい子供がうっかり滑ってしまったらかなり危険なのではないか。私自身、小さな子供持つ親としてそれはけっこう心配なことなので、その温度、滑った時の熱々度などを調査してみることにした。 

T・斎藤



いい具合に台が熱せられている。

●オーソドックス・タイプ

最初に測ったのは、最もオーソドックスなタイプの滑り台。
時間はまだ午前10時だが、早くも強烈な直射日光にギラギラ照らされ、熱くなっている。

表面温度用のデジタル温度計
先端が平面になっている。

測定には、表面温度測定用の、先が平べったくなった温度計を使った。


フィーバー。  
熱い!  

測定結果は55.5度。数値で見るとなんだかあまり熱くないようだが、触った感じはかなり熱い。手をずっとつけてると火傷しそうだ。


赤外線放射温度計
温度計に付属の黒体テープを貼る。

今回の測定には、赤外線放射温度計も使った。
赤外線放射温度計は、対象物に触れることなく瞬時に表面温度を測れるという便利なアイテム。が、アルミやステンレスのようにピカピカ光る金属(まさに滑り台に使われてるようなやつ)は放射率なるものが低く、そのままでは正しく測ることができない。36.6度といったべらぼうに低い値が表示されたりする。

そこで、黒体テープなるものを貼り、その上から測ると正しい値が得られる。(温度計を買うにあたり、少し勉強しました)

55.4度
(先ほどの接触型の温度計で測ったのと近い数値だ)
 

滑ったらどうなる?

さて、ではこの炎天下で約55度まで熱せられた滑り台を実際に滑るとどうなるのか?

どうなってしまうのか?

どんな悲惨なことが起こってしまうのか?

結果は、動画でご覧ください。


子供が滑ることを想定し、半ズボンにサンダルというスタイルで挑戦。

ぴょんぴょん尻を浮かせながら滑ったり、肉が焼ける臭いを嗅いだりすることになるのかと思いきや、ご覧のように実にそっけなく滑りきる。

あれれ?
手で触ったらかなり熱かったのになぁ…。

● オーソドックス・タイプ その2

続いて、もうひとつ同じようなタイプの滑り台を、
別の場所で測定してみた。

光り具合がいかにも熱そう。

測定した時間は11時半。
太陽はさっきよりも高い位置に来てるが、温度の方はかえって低いという結果に。


50.1度。さっきのより低いぞ。
測ってるだけでこの汗。

熱しやすく冷めやすい金属は、少し日が陰ったり涼しい風が吹いたりすると温度が下がるため、正午に近いからといって必ずしも温度が高いわけではないようだ。


51.6度
53.6度

接触型の温度計は、正確に測れる反面、結果が出るまでに時間がかかる。温度計を持って待ってるだけで汗がだらだら出てくるので、一瞬で測れる赤外線放射温度計は、シールを貼る手間を差し引いても大変重宝した。

太陽の照り具合によって、上がったり下がったりしていたが、この時の滑り台の最高温度は53.6度。

ここでまた、炎天下の滑り台を滑る様子を動画でご覧頂こう。



結果は、前回とほぼ同じ。
実に余裕の滑り。というか、あんまり滑ってない。

うーむ。
どうやら手で触って熱いと思っても、ズボンにガードされた尻にはさほど伝わらないようだ。

というわけで、オーソドックスなタイプの滑り台は見かけや手で触った時の暑さとは裏腹に、危険度は低かった。



車のルーフは?

次にその他のタイプの滑り台の温度もチェックしたいと思うが、その前に、気になる車のルーフ部分の温度を測ってみた。

車のルーフを測定 (汗だくになりながら)
50.9度。こんなもんなのか。

結果は50.9度。
「焼き殺される!」
とか思いながら乗ることもある炎天下の車だが、測ってみたら意外とこんなもんだった。
目玉焼きが作れるというよりは温泉卵ができそうな温度だ。


赤外線温度計でも測定可。若干高めに出た。

次に車内も測ってみた。


ハンドルの向こう側(赤矢印部分)を測ってみた

73.8度!!

なんと、73.8度をマーク。
やっぱりそうだよ、熱いんだよ真夏の車内は。
納得がいく値が出てちょっと嬉しい。
ここなら目玉焼きが作れるんじゃないか。
(そういう企画ではないけど今回)

では次に別のタイプの滑り台も調べてみよう。


 

 
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