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ちしきの金曜日
 
螺旋階段を鑑賞する

■奥行きも大事

2ページ目にようこそ。ここまで来たってことはきみは螺旋階段好きだね。

さて、螺旋階段鑑賞上問題になるもうひとつのポイントが「奥行き」である。単純にいって螺旋階段の奥行き、つまり高さは長ければ長いほどよい。 


奥行きポイントゼロの作品。嫌いじゃないけど、初心者には物足りないことだろう。

上は奥行きが無い作品。これを螺旋階段と呼べるかどうかも怪しい。ただ、個人的には「豪華な螺旋階段ってこんな感じだよね!」というイメージを安っぽさ含め て余すことなく表現している点にぐっとくる。金色の手すり、中途半端な階段面の濃臙脂。ヘソ内側におざなりになっているビロード風ヒダカーテンも完備。完 璧である。そしてすべてを台無しにするスマイルマーク。

こ れは実は北京の作品。多少豪華っぽいレストランに行くとこういう螺旋階段が良くある。螺旋階段作品としての良し悪しは別として、日本では場末のボウリング 場でしかお目にかかれなくなったこういうすっとこどっこいな作品は大事にしていきたい。ちょうど本日北京五輪の開会式だが、そんなことよりも北京の螺旋階 段鑑賞した方が良いと思うよ。たぶん。

というか、北京行ってまで螺旋階段の写真撮っている自分はどうなのかと。


やはりこれぐらいの奥行き感はほしいところ。

正方形に近い四角形というのはよくありそうで、実は少ない。そういう意味でも素敵な作品。やはり奥行きはこれぐらいはほしいところ。

■色と上から/下から


色はもちろん、形もすばらしい逸品。

上の作品はすばらしい。階段面のキュートなオレンジが胸をときめかせる。階段エンド部のジントギ(人造石研ぎ出し)の白と手すりのブラウンとのコンビネーションは完璧である。そして五角形。国防総省もびっくりのペンタゴンっぷりである。日本の国防を一任したい。

螺旋階段鑑賞上もっとも議論になる「下から見上げるか上から見下ろすか問題」とこの色の問題とは実は密接に関わっている。たとえば、上のペンタゴンを下から見るとどんな風に見えるゴン?


すばらしいゴン。

どうだ。つまり、室内螺旋階段においては階段面と天井面が全く同じ仕上げということはほぼあり得ないので、上からと下からではまず色が大きく異なるのである。みなさんも今後はこの点に注目して鑑賞していただきたい。

そして、色に関してもう一つ。照明の点き方によって表情が変わる点にも注目だ。


自分がいる階の照明を点けた場合。

こちらは消した場合。

螺旋階段鑑賞界でもあまり注目されていないが、室内物件、特に奥行きがあるものにおいては、照明の点け方は重大問題である。これにこだわれるようになったら一人前といえるだろう。

■良い螺旋階段みつけたら教えてください

「螺旋階段鑑賞界」とか勢いで言ったが、ぼく以外にどれほど好きな人がいるのか知らない。でもいると思うんだよね。ジャンクションとかよりいると思う。いや、どうかな。

もしそういう人がいて、素敵な作品を知っていたら教えてください。

工事中でまだ手すりが付いていないのでヘソがかろうじて存在する作品。めずらしい。そして、怖い。

 
 
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