●ついに弱点を発見か
ここまでは主に酸っぱさでむせを誘う戦術をとってきたが、ここで少し別の方向から攻めてみよう。続いてのエントリーはこれだ。
わらび餅だ。そう、きな粉の粉っぽさで攻めるのである。
「きな粉がいっぱいかかってるとおいしいですよね」などと言いながら大量にふりかける。もちろんそのおいしさの裏には、むせやすさというリスクも伴っているのだ。
さあ、粉で古賀さんを攻めるのだ。行けー、わらび餅。
おいしそうにわらび餅を食べる古賀さん。全くむせる気配はない。
食べたあとに「いやー、どうしようかな、これ」と言っているのは、「記事的にむせておかないと小野さんに悪いな」という心遣いなのだと思う。ぎぎぎぎぎ…。
それに対して、あっさりむせる私。最初のひとくちで軽くむせたのをなかったことにするためか、続けてふたくち目も投入するが、それがさらにむせを悪化させる。
まただ。また私の負けだ。そう失望しかけたとき、皿に残ったきな粉を食べようと古賀さんが動いた。
きな粉を吸い込んだ古賀さんがむせた!
思い切りよくむせている。きな粉を大事に思う気持ちの裏に潜む危険がはっきり見えた格好だ。むせたあと、なぜだか立ち上がっていることからも、古賀さんの精神的ダメージは大きいはずだ。
よし、粉だ! 中ボス(古賀さん)の弱点は粉だぞ!
龍角散である。咳や痰を止めるためのこの薬は、かなり細かい粉末という体を成している。きな粉よりもずっときめ細かいその粉は、きっと古賀さんをむせさせてくれるだろう。
ここは先攻で私がチャレンジだ。普段から時々この薬は利用しているため、飲み慣れているのだ。
よし、ここはむせなしでクリアだ!
思わず繰り出したガッツポーズ。これまでの経験で、むせにくい飲み方をマスターしていたのだと思う。こんなところでそうした積み重ねが活きてくるとは。
さあ、続いては古賀さん。初めての龍角散であるらしく、飲む前からやや戸惑っている。
……むせたか?これはむせたのか?
ゴホッゴホッとむせたのとは違うが、口から煙のように吐き出る龍角散が確認できる。たまたま黒い服を着ていたことが、こんな形で効果を発揮した。私が全くむせなかったことからすると、今回ばかりは私の勝ちと言っていいだろう。
勝者と敗者が醸し出すコントラストは、いつも残酷で美しい
●むせることが醸し出す光と影
人が食べ物でむせる姿は、おかしく、そして愛しい。
今回の記事で私が言いたいのはそういうことだ。そして、どんな写真や動画も載せていいと言ってくれた古賀さんに感謝を申し上げたい。ほんとは勝ち負けなんてどうでもいいのだ。
なかなか見られなかった分、むせジェニックぶりも感慨深かった。そういうわけで、古賀さんがきな粉でむせる様子を高速度カメラで撮影した映像をご覧いただいて、この記事を締めくくりたいと思う。