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フェティッシュの火曜日
 
パソコンのホコリを集めてマリモを作る


今日はかわいいマリモを作ります

なぜか突然、小さなかわいらしいマリモを窓際に置くような生活を送りたいと思った。

お土産マリモが人の手で丸めて作られている、という話がある。(北大新聞会の方の記事がくわしい→こちら)こちらとしては作り方は何でもいい。素材さえも、丸っとしてコケっとしたものであればホコリでもなんでもいいのだ。

つまり僕が求めているのは小ささとかわいさであって、そして手元にあったのがパソコンのホコリだった、というのが今回の話である。

大北 栄人



大物を残していたのでこのホコリを集めて

掃除をしてできたマリモ

個人的な話で申し訳ないが、引越しをしてパソコンの吸気孔にホコリがたまっているのに気づいた。これかもな、と手にとって丸めたら、おお、マリモっぽい。

これはぜひとも協力者を募って大量のホコリを集めてほんとのマリモを作らねば、と当サイトで協力者を募集をかけ、当日こちらのホコリもまとめてみた。

今、記事を書いていて恥ずかしさが募るばかりだが、このときはみんなこれくらいのホコリをためこんでいるものと思っていた。


ブラウンのわた菓子だと思ってみると少しはいい気分で見れます
手でちょっと丸めてみると

あ、マリモ?マリモっぽいんじゃない?

が、しかし、マリモを超えた巨大さ
しまった。もうここで完結してしまったんじゃないか。

巨マリモをさらに巨大にするべく旅に出る

もうマリモらしきものができてしまったが、パソコンのホコリ集めの協力申し込みが来ていたので後には引けず。

一体、これ以上マリモを大きくしてどうしようというのか。自分でもわからないがとりあえず行くことにした。(そして結果的には集めておいてよかった)


パソコンのホコリを求めて西へ飛んだ

見せてくださるというのに遅刻

一人目の協力者の方は神奈川県にお住まいの白川さん。自分の家のホコリという陰の部分を惜しげもなく出してくださるありがたい方だ。

体をありがたい気持ちでいっぱいにして目的の駅に着いたのだが、撮影係の当サイト火曜担当ライター石川さんが遅刻。待っている間に突然の雨。白川さん家の洗濯物は出しっ放し。

そしてこれからの目的が「おまえん家のホコリを見に行く」なのである。心の中で「恐縮です」と3回唱えたが、事態は何一つ変わらなかった。いや、考えてみればそもそもそんなおまじないはこの世に存在しなかったのだ。


ちょっと迎えに、と洗濯物を出したままの白川さん宅をただいま豪雨が襲撃中
遅れてきた石川さんは洗濯物のことを知らない

洗濯物がずぶ濡れの中

しかしそんな気まずい空気に輪をかけるような事態が。なんと目の前の中学生が、柵を傘でカンカンやるところを、手でやっていたのである。


手で!手でやるからディン、ディン、と鈍い音が響き、私達をいっそう言葉少なにさせる

到着した白川さん家の前にはセミが落ちている
今年は特に多くてほぼ毎日落ちているらしい

ちょっとブレイク

突然ですが、ここで「セミでできた放射能マーク」をごらんください。
(写真をクリック)

3匹のセミが身をもって表現する「放射能に注意」の警告


残念、スリム型。ホコリは多く見込めずか

人のホコリを見て我を知る

セミの死骸のお出迎えの後、ついに目当てのパソコンが現れた。そしてホコリの量を見た瞬間、自分のした事の甚大さ(ためたホコリの量のひどさ)を知った。

少ないならもう一台の方も、というお言葉に甘え、ホコリをかき集めてやっと白川マリモが完成。なんともまあ白くてかわいらしいマリモである。

所詮ゴミじゃないか、という方もあのでかくていびつな大北マリモと比べればそのかわいらしさも理解してもらえるだろう。(理解できないという方、その気持ちも十分わかっております。)


吸気孔にたまったわずかなホコリを集めて
できたマリモは白!(写真右)後にわかったが、タバコを吸う人のマリモは茶色のようだ

OLが今、ホコリを愛でた!
外に出ると放射能マークが崩壊!猫(ロビンちゃん)の仕業だったが、この後なぜか猫にこっぴどく噛みつかれる

ドキュメント「白川さんとマリモ」

白川さんがマリモと初めて出会ったのは小学校2年生のころ。北海道旅行に行ったクラスメイトが休み時間中自慢げに見せてくれたのだそうだ。小瓶に入ったマリモのキーホルダーを白川さんは当時うらやましく思った。

そして、十年以上の時を経た今、あのマリモが自分の手の中にある。「それも自分の家でとれるとは…」と感激もひとしおである。

「パソコンを買ってよかった…」と語る白川さん。うん、よかったな、白川さん。「猫のかざりのキーホルダーみたい」とうれしそうに言ってくれる白川さんの手のひらには、丸まったパソコンのホコリが輝いていた。

白川さん、それホコリですよ!

もちろん白川さんもこのサイトの募集を見てご協力いただいてるので、限りなく優しい人だということはわかっている。けども、どうだ。こう、一歩身を引いておいてどうだドーン!だ。

この夏はロックインジャパンフェスに行ったというあかぬけた若者がホコリを愛しそうに手のひらで転がす姿はどうだドーン!と自慢したくなる。む、いい企画になってきたかもしれない。


 

 
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