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フェティッシュの火曜日
 
パソコンのホコリを集めてマリモを作る

我々はホコリを求めて北へ飛んだ

次のホコリは東京に

次に我々が向かったのは東京都は東村山市。ここにお住まいの鈴木さんから「あまり量はないですが」と協力の申し出が。

今回ばかりは顔を出さないで、とのお願いからもホコリを見せることへの恥ずかしさがうかがえる。協力いただいたのは旦那さんのパソコンで鈴木さんは管理していないそう。

ということは男性のものなのだが、結果としてはまたも大北マリモの怪物っぷり、松坂世代っぷりが際立った。一体、今なぜ各地を回って自分のひどさを確認しつづけているのかわからなくなった。

わからなくなりながらも鈴木マリモは完成。


ご主人のパソコンはまたもスリムな形
半年くらいは放置してるかも、と。これだけあればマリモもいけそうですよ

「ほら、こんなにとれましたよ。」「あらー。」というやりとりで急に自分が「そういう業者」な気がしてきた
結婚指輪とマリモとホコリ!末永くお幸せに!

ドキュメント「鈴木さんとマリモ」

鈴木さんがマリモと出会ったのは二十歳のころ。ボーイフレンドと山中湖や河口湖をめぐっていたときのこと、ぶらりと立ち寄った土産物屋で初めて目にした。

「かわいいな。」と思った鈴木さんは彼と相談し、共通の友人のお土産に、とマリモを購入した。後にそのマリモはお土産として渡したものの、「すぐ枯れてしまった」そうだ。

だが、今鈴木さんの手にあるマリモは枯れない。いつまでも残る。十年、二十年、そう、そのボーイフレンドが今のご主人であるように、鈴木家と鈴木マリモは何十年も続いていくのだ。人の家庭をホコリに例えていいものか、ちょっとドキドキしている今である。

鈴木さん、ほら松居先生にも胸を張って

どうですか!?と手の上のマリモについて意見をもとめると、「恥ずかしい!」と顔を手でおさえて前に倒れこんでしまった。

「こんなにたまっていたとは…」「ああ…ホコリだな、と思いました」と語る鈴木さんが恥ずかしがるのは多分それは主婦だからで松居先生(おそうじ棒の人)のお顔が頭をよぎるからだ。

鈴木さんが恥ずかしがれば恥ずかしがるだけ、どす黒い自分マリモのことが頭をよぎる。これが恥ずかしいのなら、あの茶色いモンスターを生み出した自分は何なのだろうか。あまり感じのよくない眩暈がした。


マリモ増えてってます

神奈川、東京ときて埼玉。疲労からくる睡魔に突然襲われる。

神奈川、東京ときて埼玉に

次は埼玉。この後は新宿に戻ってエアギターをやっている宮城さんという方の会社のパソコンを大量収集して終わり、という予定だったが、疲れたので急遽ここで終了に。

木村さんは独身男性独り住まいで、これは期待がもてる。ぜひとも大北マリモが普通だということを証明させてください。


最後の木村さんは一人暮らしの男性。期待大です
それもでっかいパソコン!

外でなく内部のファンにホコリは集中
右ブロックで一番大きいのが木村マリモ。しかし相変わらず大北マリモの巨大さが…

期待をあおるでっかいパソコン

でっかいパソコンは「ゲームをするのにいいやつを買ったんです」という。「信長の野望とかですか?」と聞くと、木村さんは笑っていたのでもっと進んだものをやってるのだろうか。「小野妹子の野望」とか「犬上御田鍬の野望」とか遣隋使にスポットをあてたゲームが世の中にはあるのかもしれない。世の中は思った以上に進んでいる。

検尿のそれだ!

「中のファンにたまってるんですよ」と恥ずかしそうにする木村さんだが、中を見て愕然とした。世の中は思った以上に進んでいるが、思った以上にホコリをためこんでいない。またしても大北マリモの圧勝である。

何だか大北マリモがさっきよりも大きくなっている気がする。自分の中で成長しつづけるモンスター。凶悪犯罪者の内面のようだが、成長して肥大するのは羞恥心である。

自分の家のホコリがでかい。いや、何も恥ずかしくはないかもしれない。たまたま掃除をしなかっただけなのだ。と思って、目を落としてもやはりでかい。この恥ずかしさ、何かに似ているなと思ったら検尿だ。検尿で持っていったものが余りにも黄色かったときのそれだ!


旅の成果を今、まとめる

さあ今日集めたマリモを一つにまとめる時がきた。それもただのマリモではない。各々が自分ちのホコリをさらけだすという羞恥心をかいくぐったうえでのマリモである。フィジカル、メンタルともに申し分のない最強のマリモである。


4つのマリモを1つにすると、一体何かはわからないがとにかくただならぬことが起こりそうな予感が!

色を塗ってマリモ度を高めていく

なぜか急にホコリ度が高まった気がしたのでもう少し丸めて色を塗る。大きさと色をととのえればホコリだって、いや何だってマリモになり得るかもしれない。


カラースプレーで色を塗ろう
これくらい離れればほら、ほーら、マリモだ

水に入れてマリモとしての旅立ちです…さあ、さあどうだ!
浮いた!浮いたか!沈まないのか!沈まないのか!

ぎゅっと圧縮して小さくするとやっと沈んだ
結果的に大きさはちゃんとしたマリモと変わりなくなった。読者の方に応募してもらって大きいの作っといてよかった!

これがパソコンのホコリでできたマリモである (一日経てしみ出たヤニが水を染め、事態はさらに悪化していく)
 

素敵なティータイムを演出して

こうして数々のご協力を得て、我が家にもファンシーコーナーができた。うっかり気を抜くといまだにホコリであるが、近寄らないように注意したりすれば立派にマリモとして活躍してくれている。4人の羞恥心と怠惰の結晶が凛とそこに存在しているのである。

マリモ(パソコンのホコリ)やきれいな写真(大分の地獄温泉)などを見つめながら食べるシベリアは、普段の歯にしみるほどの甘さよりさらにほんの少しだけ甘くなった気がして、とりあえず歯医者に行こうと強く思った。


 
 
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