こういう、パッと見なんて書いてあるかサッパリわからない表記もある。さすがに今は人に教えてもらったりしてわかるようになったが、初めて見た時はまったく意味不明だった。そういうところがまた面白い。
茨城弁表記事情
ところが、私の実家がある茨城では、けっこう強力な茨城弁が使われているにも関わらず、茨城弁の看板、茨城弁の標識といったものがほとんどない。と言うか、見たことがない。
私のこれまでの記憶を探ってみてもほとんど思い当たらないし、うちの親に聞いてみてもやっぱり、そういうのは見た覚えがないと言う。
その理由はいくつか考えられる。
ひとつには、茨城弁はイントネーションが独特で特徴的であるものの、文字にすると案外標準語に近い普通のことを喋ってるから、ではないだろうか。
例えば、濁点をつけて発音する。例としては、
畑に行く ⇒ はだげにいぐ。
それと、語尾が上がる。
語尾が上げづらい時は、「よー」とか適当な言葉をを付けて調子(リズム)を整えたりして語尾を上げる。
斎藤君 ⇒ 斎藤君よー
それで ⇒ そんでもってよー
聞くと明らかに茨城弁になるのだが、文字として見るとイマイチよくわからないと思う。もちろん、もっとわかりやすい文字表記向けの茨城弁もある。例えば、
ごじゃっぺ
⇒ たわけ者、みたいな意味。用例としては、「この、ごじゃっぺが!」 (先生が生徒を叱る時などに)
いじやける
⇒ イライラする、むかつくみたいな意味。用例としては、「あ゛〜クソ。いじやけんなー。」
というように、ガラの悪い言葉が多いあたりも、文字として表記されにくい理由かもしれない。
私の記憶にある唯一の茨城弁表記
ひとつだけ、私の記憶に残っている茨城弁表記があった。それは学校のゴミ箱に、掃除のおばちゃんが書いたと思しき油性マジックの文字で、
「燃いないゴミ」
と書いてあったことだ。
(茨城弁では、「い」が「え」になり、「え」が「い」になることがしばしばある。例:エンターネット、イギスポ)
逆に言えば、それくらいしか見た覚えがない。
でも探してみたら、案外あるかもしれない。
そう思って、先日帰省したついでに、少し探しに行ってみた。
茨城弁と私
ちなみに、私自身は実はそれほど茨城弁が堪能ではない。茨城弁度が比較的低い「つくば」というところに住んでいたのと、親が他県からの移住者で、家庭内での茨城弁度がほとんどゼロだったから。が、それでもさすがに30年近く住んでれば、ヒアリングには特に不自由しないし、多少の茨城弁なら話せるようになるものだ。 |