■梅田作品に一日の長ありか
両国のトリックが窓一辺倒だったのに対し、ここ梅田地下街ではドアあり階段ありと、その持ち技の多さに感服する。あの手この手のトリック攻め。トリックアートの曼荼羅世界だ。
それだけではなくいわゆる「ウィット」というものがちりばめられているのもポイントだ。上の写真だと、ラファエロの名画「アテネの学堂」へのオマージュと思 われる階段の上の賢人の唐突な出現がそれである。以下、いささか浮かれすぎの感もある、おもだった「ウィット」をご覧いただきたい。
■なぜだかなんとなく救われた気持ちになった
そしてここ梅田でもこのトリックアートを誰も気にしていないようだった。そのことはぼくに「やはり」と思わせると同時に、すこし救われた気分になった。
この安堵はうまく説明できない。強いて言えば、梅田のこの作品でさえ耳目を集めることができないのなら、両国物件が同様の対応を受けているのもやむを得まい、といったところか。ありがとう、梅田地下街。
と、思っていたら、両国で予想外の事態に出会った。
一瞬、「記念撮影をする人をモティーフにしたトリックアートか」と思った。
■ちなみに両国物件はさらにエスカレートします