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ちしきの金曜日
 
関西「超」庶民派スーパー事情

今回の店内写真は全て関係ない店で撮ったイメージですよ。

スーパーマーケット、略してスーパーというと細かい差異はあれど、基本的には似たようなイメージがあるのではないだろうか。広くて清潔感があり品揃えがよくて‥細かい差については古賀さんの『食パンとスイカがだんだん高くなる道』が参考になりますね。こういう差あるある、てな感じで。

しかし、関西には東京や他地域では思いもよらない、激安かつ独自の世界観を持つスーパーが存在する。それこそスーパーを語るだけで一時間は話がもつような。いわゆる「ネタになる」てやつだ。内容が内容だけに店名はあえて伏せますが、庶民派を越えた超・庶民派な関西スーパー事情について、識者ふたりに語っていただいた。

*おことわり:関西では無邪気な子に「吉本へ行け!」と言うのが定番なように、「愛される対象であるからこそネタにする」という文化がございます。多少の厳しめフレーズは「ご愛敬」「愛情ゆえ」としてご覧ください。いやホントに。

大坪ケムタ



ある意味、買い物+ゲーム性を楽しめるスーパー

関西には凄いスーパーがある!という話を最初に聞いたのは、友人のイベントで「某スーパーの弁当を食わせるという罰ゲーム」があるという話を聞いたからだ。当時、なんでそれが罰ゲームとして成立するのか、と聞いて返された答えは「そこの弁当がとにかく安く、とにかく腹一杯になり、とにかく油っぽい。そして胃もたれする」とかだった気がする。それから何度か来阪してはその手のスーパーで食事をし「なるほど‥」と思わされたもの。

今回話をうかがったのも、その時のイベント主宰であるぶっちょカシワギさん。それと現在ライブシアター「ディグダグ」を経営する山田ジャックさんのおふたり。共に大阪のインディーズ芸人であり、大阪のアンダーグラウンドな場に通じたおふたりだ。いや、今回のスーパーがアングラとかそういうつもりじゃないんですが。


左・カシワギさんで右がジャックさん。

今回のタイトルは「超庶民派スーパー」。古賀さんの記事の最安値クラスのスーパーはまさに「庶民派」といっていい雰囲気があったと思うが、こちらはどのくらい「超」なのか?まずその辺から話を転がしてみた。

ちなみにその「超」具合を考慮して、今回はスーパー名をAスーパー・Bスーパー・C‥と匿名とさせていただきます。


−−大阪のスーパーも高級〜庶民派みたいなランクってあるんですか?

ぶっちょカシワギ(以下、ぶ)「上の方やと‥いかり*1とか?」

山田ジャック(以下、山)「ポロロッカ*2とかちゃう?でもAとかBとかが安すぎるんですよ!」

ぶ「だいたい普通に食材買っても、他のスーパーの3割安くらいで買えますよね」

−−分かりやすく説明するなら‥「西のドンキホーテ」くらいでいいですかね?

ぶ「安かったら何売ってもいいと思ってる店(笑)。日替わり弁当とかむっちゃ安いんですよ。230円とか。だいたいごはんとおかずついて200円台前半」

山「弁当や総菜は怪しいな!最初は総菜一品ものだったんやろうけど、最後の方はむりやり詰め込んでて、『やきそば弁当』って書いてあるけど焼きそばはちょっとでハンバーグや野菜いためがもりもり入ってる(笑)。それでも280円とか」

ぶ「安いは安いですよ。焼き鳥が29円、天ぷらが50円。豆腐が前は10円台だったのが最近上がって20円台になりましたけど」

山「あと×円セールってやってたりな。1000円以上買ったら激安で特売品が買えるっていう。最近はいろんな所でやってるけども」

*1いかり:兵庫県に本部を持ついかりスーパーマーケットのこと。wikipediaによると「東の紀ノ国屋、西のいかり」と呼ばれるほど高級スーパーとして定着してるそう。

*2ポロロッカ:マルエツグループのスーパーマーケット。以前は関西に本部があったが現在は東京に移転。


実際はこんな値段なんて生ぬるい!

お店の値札写真を出せないのが残念だが、たしかに500円どころか300円出せば昼飯は楽勝で済ませることが出来るのがこの手の超庶民派スーパー。まさにワンコイン。『やきそば弁当』のくだりのようなザックリ感もまた庶民的というか。ただ、ザックリだけで済まないのがこの手のスーパーのハードコアなところだ。


山「この辺のAスーパーなら夜中は立ち飲み屋になってますよ。ビール買ってそのまま外で集まって。僕、仕事がらホームレス追ってるんですけど、ホームレスのおっちゃんらもよう溜まってます」

ぶ「他にそんなスーパー知らんわ(笑)」

山「でも、僕ライブハウスでよくホームレスと上がってるんです。終わって『お弁当おごるわー』って言うと『Aスーパーだけはやめて』ってがっかりされますからね(笑)。あの人ら食い慣れてるから」

−−味が問題ありなんですか?

ぶ「なんかね、総菜を食べると舌がピリピリ来るという現象が起きるんですよね」

山「そうね、親子丼とかカツ丼とか一品物が多い気がする」

ぶ「弁当系がけっこうやばくて寿司でもピリピリ来るんですよね。あの正体はわかってないんすけど、防腐剤かなんかかな?って気がしてるんやけどなぁ」

山「作ってる人の味の好みかもしれんけどな、気配りでピリピリ(笑)」

ぶ「でも不思議とごはんはマズイと感じたことないんですよね‥。あと、鰻とか焼いたら赤い汁が出てくる時ありますね、ショウガ汁みたいな。野菜は全般マズイけどまだイケるんです。A・Bスーパーのキャベツだったらちゃんと炒めてからにしとこ、って。むく時も一回多くむくんです(笑)」

−−対策は皆やってるんですね(笑)。

ぶ「24時間(営業)のところで夜中に半額になるところもあるんですけど、絶対ヤバいです。8割方ハラ壊します、今までの経験上。『見切り品』とかも半分茶色いエリンギとか原型保ってない椎茸とかで、客も見切りますからね(笑)」

山「見切り品かどうか知らんけど、赤犬(大阪の人気バンド)のヒデオさんはAスーパーのオムライス食って入院したもんな。それで『卵はまだ食べれるけど、Aスーパーはもういいです』って」


「焼きそばはピリピリ来ないんですけどね」

さぁ、この辺が超庶民派の「超」たるあたり。多少「え?」という話は出ているが、実際の客層は年金もらってそうなお婆ちゃんから、深夜営業やってるだけにおミズ系の綺麗な人まで(なぜか女性方面しか話題に上がらなかった、そういえば)と幅広く地元に根付いてる様子。

やはり学生も多いらしいが、親が自分の子供がBスーパーで買い物してると聞いて「そんなん食うくらいなら仕送りしたるから」と言ったとか言わないとか‥。

さらに商品自体について聞いてみる。例えば扱ってるメーカー・ブランドなんかは?


山「商品は‥見た事ないブランドの多いですよね。特にBスーパーは。リポビタンDぽいんですけど見た事がない、みたいなのとか。ラーメンも普通の日清とかサッポロ一番とか売ってない売ってない(笑)。ジュースとかも35円とかであるけど、駄菓子の粉ジュースの味がする(笑)」

ぶ「あと見たこともないと言えば、見た事無い種類のエビとかあるんですよね。ゆでても赤じゃなくて白になる。別にアジアンシーフードとかそんなノリじゃなくて(笑)。Aスーパーもジュースはちゃんとしたのもあるんですけどそれは他より高いんですよね、30円くらい。確実に安全なものは高いっていう」

−−ある意味わかりやすい(笑)。

ぶ「たまに手前のコーナーで焼き鳥が1本29円とか置いてあるのに、奥に10本250円のパック詰めがあったりするんですよ。『これで安いの買って腹壊したら‥』と思うと、何十円のリスクは背負いたくないですよね(笑)。メロンも一玉600円と200円が並んでたり、何が違うんやろ?って思うんですけどね」

山「アンコウとかふぐとか高級魚も意外とあったりな。でもアンコウとか1400円とかで売ってるのに、アンコウ鍋セットになるとキモまでついて380円ってめっちゃ安くなるんすよ。ちょっと怖い(笑)」

ぶ「ここに限った話やないけど、生肉よりつくねの方が安い、みたいな感じあるやないですか。手間かかってるはずやのに肉そのものより安い、って商品多いんですよね、ココ。ただでさえ安いのに、素材+人件費の方が安いって‥素材は幾らなんやろな?」


「あと肉も2000円のとかあるよな、ナゼか」

いわゆるエイジアンな謎のブランドが多いということだが‥東京にもそういう店は無くもないが、ここまでネタにはならない。そんな店がチェーンとして成立してるのが凄いのか、そのカオス受け入れ体制が完了してるのがある意味大阪らしいのか。


−−まーいろいろ言ってますけど、皆さん行ってるんですよね?その辺のスーパー。

ぶ「なんやかんや言うて行ってますよねー。腹壊したとか入院したとか噂は聞いても。男5人くらいで『これヤッベー』とか言いながら買うのが楽しいんですよ。うまく使えば安いんで。でも目利きは必要ですね」

山「総菜は肉じゃがも160円とかなんで、酒飲む人がビール2本くらい買って計1000円くらい出したらものすごい食えるんですよ」

ぶ「個人的にはAスーパーの冷凍うどんが3玉100円で安定して食えるのが嬉しいな。普通の麺類やと15円とか20円とか。一人前百円以内でぜんぜん作れますから」

山「Bスーパーは普通のお菓子が安いね。レンジでチンの見た事無いやつとか」

ぷ「あと、刺身は意外といけるんですよ。肉も安いし。加熱したり調理したやつはちょっと信用ならんのですけど(笑)。店員のサービス精神も高いしな、レジで『これつけたら×円セールの商品買えますけど?』とかわざわざ言ってくれたり」

−−ま、こういうネタにされる程度には愛されてるというのはよく分かりますね。

ぶ「でもAやBスーパーにこれから家で飲み会しよう!って雰囲気の男女5人組とかいるやないですか。それ見ると『ざまぁみろ!』って思いますね。『失敗しろ!』って(笑)」


正直、今回2人に聞いたインタビューの4割程度しか使ってませんが、大阪超庶民派スーパーの一端は分かっていただけたでしょうか?話に出たように女性客も多いけれど、なんとなく「男が語りたくなるスーパー」というのは分かる気がする。安い、量もある。しかし味はどうだ?という、この「挑まれる感じ」。男として受けて立ちたくなる。これらの超庶民派のスーパーは男たちが健啖さで勝負する激安コロッセオなのだろう。

今回のテーマである超庶民派スーパー、あえて店名は書きませんが大阪近辺にうかがう際はぜひ探してみてください。そこにはあなたの知らないスーパーがあるはず!

インタビュー後はセーラー服おじさんが出てました。

これ以上の話はお店でどーぞ

それにしても関西弁の「けなしてるんだけど愛情ある感じ」というのは文章にすると難しいね。それとなく言い訳してますが。

ちなみに今回インタビュー場所としてお借りしたライブシアター「ディグダグ」は山田ジャックさんが経営する今回の記事以上に濃いイベント満載なスペース!ぜひ遊びに行ってみてくださいませ。

ライブシアターディグダグ

大阪市中央区千日前2-3-9

味園ビル2F

電話・FAX 06-6643-5159 


 
 
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