●積極的にアピールしてくる荒地登場
先ほどは地形的に気になった荒地に行ってみたが、今度は別の意味で気になる荒地を発見した。茨城県の取手駅近くにある荒地だ(こちら)。
駅のすぐそばにあるという点は特徴的なのだが、気になったのはそうした点ではない。地形図だけではわからないのだが、航空写真を見ると気になる点がよくわかる。
荒地であるのはよいとして、「トリデ」と描いてあるのが見えるのだ。シンプルゆえにはっきり読み取れる気になりぶり。荒地の荒ぶりにかわいらしさを添えているようにも感じられる。
これは気になる。実際に行ってみるしかないだろう。
たどり着いた荒地。これまでとは違う、とても広大に感じられる荒地だ。
夏という季節ゆえ、これまで草が育ち放題に育っている荒地を見てきたが、ここでは広い面積に渡って草が刈られていた。薄茶色に広がる荒地は、また違った味わいを見せる。
地面は草の状態によって違う色を見せる。荒れっぷりにも表情がさまざまで趣き深い。
荒れ感そのものもよい味をかもしだしているのだが、気になっていたのは謎の「トリデ」。確かに向こうに緑色が盛り上がっているのが見える。近づいてみよう。
航空写真ではあれほどはっきり見えた「トリデ」だが、実際に行ってみるとどうもよくわからない。これしかそれらしきものはないのだが……と思ってよく観察してみた。
上の3つの写真、左から「ト」「リ」「デ」である。
それぞれできる限りその字の形がわかりやすいように撮ったつもりなのだが、それでも相当わかりにくい。うーん、これはどういう目的で設置されたのだろう。
よく見ると、字の本体部分はツツジのような植物で作られた垣根でできている。その形自体はきれいにできているようなのだが、季節柄か雑草がたくさん生えていて、どうにも読み取りづらいことになっているようだ。
上の写真、濁点でさえもかなりわかりにくい。
帰り際、車の窓からトリデを観察。橋の欄干で読み取りづらいが、写真では「リ」の字が横になっているのがなんとか隙間に読み取れるだろう。
全ての謎は解けないが、実際に来たことでとりあえずは満足。チャーミングな荒地であったと思う。
言葉の雰囲気が気になって訪れた荒地たち。どの荒地も期待を裏切らない様子を見せてくれた。
地図記号には他にも、「隠顕岩」や「万年雪」など、気になるものもある。「湖底のがけ」など、もはや想像するしかないようなものもあったりする。
そういった意味では、気軽に行ける荒地。もし見かけたら「荒れてるなー」と思っていただけるとうれしく思います。