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土曜ワイド工場
 
飴に虫を入れたら琥珀にしかみえないはずだ


べっこう飴はきれいだ。少しなめて口からだしたべっこう飴がとくにきれいだ。そしてべっこう飴は宝石っぽい。とくに琥珀にそっくりだ。あれだけ似てるんだから、べっこう飴の中に虫とかが入っていたら、それはもう琥珀にしかみえないのではないだろうか。
べっこう飴を琥珀にかえて偽りの富を得たいと思います。

櫻田 智也



なにをいっているのか

いきなり「べっこう飴に虫を」とかいいだしたものだから面食らった方も多いかと思うのだが、琥珀というのは大昔の樹木からしみだした樹脂が化石となったもので、当時に生きた昆虫などを封じ込めた状態で化石となった「虫入り琥珀」と呼ばれるものがあるのだ。
映画『ジュラシックパーク』が公開された頃にそういった類の琥珀がけっこう話題になった。太古の虫が生きたそのままの形で保存され、みることができる虫入り琥珀。当時高校生だったぼくは琥珀に大いなるロマンを感じ、修学旅行先のひとつだった東京でおもわず、


虫入り琥珀を買った


小さいものである。中に入っている虫もものすごく小さい。たしかこれで1万円くらいしたとおもう。当時の自分がかわいそうになるので「こんなものが」とはいわない。新宿の紀伊国屋の1階に琥珀を扱っている店を偶然みつけ、自由時間の大半をつかって悩んだ挙句に(ほんとは3万円くらいのがほしかった)買ったものだ。なんというか、「修学旅行楽しめてないな、おれ」というエピソードである。
今回の記事のために実家の親にさがしてもらった。なにかほかにみつからなかったか、ちょっと心配だ。


はじめて直に触ったかも
虫、小さいの(写真の中央あたりに)

で、こんなふうにして死んだ虫を中に入れたら、べっこう飴は完全に琥珀にみえてしまうのではないかというのが今回のイントロダクションです。

 

琥珀博物館にいくぞ

実践するまえに、琥珀についてより知識を深めようと、岩手の久慈市というところにある『久慈琥珀博物館』に足を運んでみた。



中は撮影禁止だった。いろんな琥珀の写真を撮影して記事のスペースを埋めようとおも、いや、記事に深みを与えようと思ったのだが、あてがはずれてしまった。
ただ、虫入り琥珀がやはり貴重なものであることはわかった。ショップで販売されていたその値段から、琥珀の相場が十数年前よりかなり上がっているのではないかとも感じた。どうやら高校時代のぼくは、ものすごく良い買い物をしていたのではなかろうか。
これは自分への慰めなので、琥珀の実際の相場はあえて調べないでおく。


こんな琥珀ほしいですよね

 

いよいよやるか

ではそろそろ実践に入りたい。日本銀行が紙幣を発行するように、ぼくは虫入り琥珀を産みだすのだ。

「おまえにできるのか?」頑固オヤジが声なき声で問いかけてくる。「できるさ。だっておれ、父さんの息子なんだから」そう、なんと頑固オヤジは実の父親だったのだ。

なんの話だ。
とにかく飴をとりだしてみる。


琥珀だ!


もういきなり琥珀感たっぷりである。ばっちいので写真は載せないが、口に含んで少しなめてみたら光沢がでて更にぐっと琥珀だった。
べつに虫とか入れないでも「べっこう飴は琥珀に似てる」で、いいんじゃないだろうかという思いがよぎるも、そんなことを記事にしてどうするという話なので、はりきってがんばります。


実は片方は琥珀ではありません

 

虫はどうする

そうだった。中に入れるために死んでる虫をみつけなくてはならなかった。飴を手にコンロににじり寄っていたぼくだったが、入れる虫がいないのでは、にじり寄ってもしかたがない。

さて虫といえば、岩手の県北ではこの夏に蛾が大発生した。昨年に引き続いて2年連続であり、それこそ住民はげっそりした。

※苦手な方は写真を2枚とばしてお読みください。


街灯近くの家の壁にびっしり

道路には車に轢かれた無数の死骸が


毛虫→成虫→交尾→大産卵まつりと、フルコースを味わいつくしたわれわれ住民ではあったが、涼しくなりやっとシーズンオフを迎えた。そんなわけで蛾の死骸ならいくらでも集められるのだが、憧れの虫入り琥珀にこの蛾を採用するというのはいまいち気がのらない。

めぼしい成果もなく自宅アパートまでもどり、ふと自分の部屋をみあげると、


そういえば


これまた2年連続なのだが、アシナガバチの仲間がぼくの部屋のベランダに巣をつくった。しかも2個。
昨年はとくに危害もなく、ハチが自然にいなくなるまで放っておいたのだが、今年は数も増え、昼間はかなり盛んに活動していて危ないため、つい先日、殺虫剤を巣にかけた。
で、少し時間をおいてから巣ごと取り除こうと思ったまま放置していたのだ。
もしかしたら、あの中に死んだハチが入っているのではなかろうか。


 

 
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