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フェティッシュの火曜日
 
ライフル射撃がいかにストイックかを知れ

撃つ音は「シュパーン!」の調べ

と、ここまで見てきたように、ライフルの世界は厳しくも興味深い。技の修練に厳しさのある分、ぜひ1度やってみたいという気持ちも強くなる。

だがライフル射撃スタートまでには長い道のりがある。まずはエアライフルから始めねばならないし、警察(公安)への各種届出、日本ライフル射撃協会への申請・・・「エアピストル」という種目にいたっては、500名の枠が決まっており、欠員が出ないと所持できない!
(詳しくは銀座銃砲店の記事「競技銃を所持するには」参照)

そこで、こんないい機械があるんです。その名は「デジタルスポーツシューティング」だ。


これがターゲットでございます。

文字どおり、デジタルの標的をデジタル銃で撃ち、当たりの判定はデジタルで管理。軌跡もデジタルで表示。つまり「弾」が発射されない。つまり全然危険じゃない。つまり、初心者でもいきなり撃てる!


ターゲットを適当な高さに設置。LANケーブルでパソコンと接続、という身近さ。
撃つ位置にパソコンを置いて管理できる。

そして銃は・・・ステイヤーL10エアピストルと全く同じモデルという、感涙モノだ!(ステイヤーについて全く知らずに書いています)。


とにかく本物のエアピストルと変わらない重厚さ、ということ。エネループ(電池)で動くけどな。

さっそくLANケーブルを接続し、パソコンの専用ソフトを立ち上げスタート。「射撃」を用意するのに並ぶような語彙か?というのが奇妙な感じ。


ファイル名は「デイリーポータルZ」。
撃った跡が次々に記録されていく。

この距離内に人が入っても大丈夫、というのがいい。

気になる音だが、「シュパーン!キシャーン!」って感じ。聞いてみてください。

これは自分で発射音を録ってきて鳴らすこともできる。映画の銃声を入れるのもいいし、 「ポコペン」「ドンドベムハーン」などとんまな音を入れたりもできてしまう。何だ「ドンドベ」って。

私も撃たせてもらう。デジタル、手軽、わーい!という文脈でここまで来たものの、実際標的に当てるとなると全然手軽じゃない。なにせ10m先の点を狙うのだ。あのスーツ着たい!と思うほどに、手がプルプル震えているのがわかる。


現在プルプル中。
あとからリプレイ。撃つ前の銃口の軌跡までわかってしまう。

私は運動はほぼできないが、的当て系は好きだ。筋がいいと言われ、がぜんこれ、欲しくなってきた。これなら許可なく所持できるし。10人くらいで共同購入したい(何せ一揃え、50万近くするので・・・)

欲を言えば、発射されるときに何も反動とか手ごたえがないのが物足りない気もするが、横のパソコンの軌跡を追えるので楽しい。「あなた軌跡、今日は上に寄り気味ですね。何かいいことありましたね?」なんて。

病院でのリハビリ需要もあるそうだ。画家のマティスは、集中力UPのために射撃をやってたそうだし、私も最近加齢のためか集中力が切れてきたので、本気で購入を考えている。

迫さん、私の好奇心のためにいろいろと準備していただきありがとうございました。

迫さんに射撃の面白さを聞いてみた。
「石を投げて遠くのものにあてるという、人間の本能ですよね。そこから始まってる。僕の場合、もう爽快感というより・・・優勝するかしないか、という一点ですね」

そのストイックな姿勢もまた、射撃なのかもしれない。

今は銃を使った事件も余談を許さない状況で、免許を取る敷居も高くなっているという。警察官によっては持たせないようにしているところもある。
事件が多くなると、銃イコール犯罪というイメージがどうしても付いてきてしまうが、まじめに技を磨いて記録を追う人もいるということを知っておきたい。


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