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フェティッシュの火曜日
 
すごく長い距離を動く味噌汁


できたての味噌汁をテーブルの上に置いておくと、ふとした瞬間にお椀が動くことがあります。でもあれはちょっとだけしか動かないからつまらないと思います。どうせ動くんなら10メートルくらい動けば面白いのに。

荒原べんぞう



味噌汁が動く経験

味噌汁が動く。誰もが一回は見たことがあるであろうその現象ですが、思い返してみるとその頻度はかなり少ないように思います。たまたま見かけたときでも味噌汁を注目して見ていたわけではないので、何か残念というかもっとちゃんと見てみたいという心残りさえあります。

そういうわけから味噌汁をものすごく長い距離動かしてみたいという衝動に駆られたわけですが、まずはちょっとでも動く様子を再現してみることから始めてみようと思います。

  
いろんなおわんを買ってきた。

ということでいろんなおわんを買ってきました。味噌汁が動く条件をよくわかっていませんから、いろいろ試してみようということです。

このなかから適当におわんを選び、味噌汁だともったいないので熱湯を使ってテストしてみます。テストした様子を4倍速の動画でご覧ください。



ちょっとだけ動きました。よくわからなかったという方ももう一度じっくり見てください。一瞬、ちょとだけ動いています。

動くおわんをこれほどしっかり見ることができたのは初めてで嬉しいのですが、でもやっぱり物足りなさがあります。せっかくなんだからテーブルから落っこちるくらいの勢いで動かしてみたいです。

 

動く原理

味噌汁を勢い良く動かすため、まずは味噌汁が動く原理を理解してみようと思います。いろいろネットで調べたところ、だいたい次のような理屈らしいです。


空気が膨張してお椀を持ち上げる

味噌汁を入れたお椀をテーブルに置くと、味噌汁の熱によってお椀の下の空間の空気が暖められます。暖められた空気は膨張するのですが、テーブルと密着しているため空気の逃げ場がなく、お椀を持ち上げるそうです。

なるほど。お椀はそういう原理で動いていたんですね。お椀とテーブルが密着しやすいようにビニールクロスを敷くといいとか、テーブルを傾けておくといいという情報もありました。

これだけ情報が集まればばっちりです。集めた情報を参考にしながら、味噌汁を勢い良く動かしてみたいと思います。



全く動きません。10分×2本の動画を16倍速にしているのですが、これほどまでに暇な動画というのも珍しいと思います。さっきはちょっとだけでも動いたのに、なんで今回は全く動かなくなってしまったんでしょうか。最後には動けという気持ちが強くなって、ついにリモコンで押す始末です。

動かないものを動画で20分も撮影してしまった、と思ったら心が折れました。

 

ホバークラフトにしちゃおう

味噌汁は空気の力でお椀を持ち上げて動くのですから、結局それはホバークラフトと同じ原理で動いているということではないでしょうか。

だったら、いっそのこと味噌汁をホバークラフトにして動かしてしまいましょう。


ホバークラフトの工作キット

ということでホバークラフトの工作キットを買ってきました。モーターで回したファンの力で、空気を勢い良く噴出する仕組みです。

さっそくお椀の底に穴を開けてモーターを取り付けます。

  
まずは錐で小さな穴を
最終的に大きな穴に
 
モーターを取り付けて完成

いろいろと試行錯誤した結果、できたホバークラフトがこれです。なんだかお椀の原型をとどめてないというか、味噌汁を入れるスペースさえなくなってしまいましたが、とにかくホバークラフトの原理で動くお椀の出来上がりです。

さっそくスイッチを入れて、凶暴なくらいに動くお椀をみなさんにお見せしたいと思います。

 

 

その場で回りました。僕はてっきり平行移動するのを期待していたのですが、まさか回転をするとは予想外でした。というか、これは空気の力で動いているのではなく、ただモーターの振動が伝わって動いているだけのような気がします。

途中で一度電気を消しているのは、これがちょっとしたエレクトリカルパレードのように思えたからなんですが、いま動画を見返してみるとそんなことはないですね。

 

なんか違う

ホバークラフトで全てが解決すると思っていたのですが、そう簡単にもいかないようです。ちょっともう一回だけ、全うにお椀を動かしてみたいと思います。


 

 
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