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ひらめきの月曜日
 
エレベーターのランプを作る製作所に
エレベーターを呼ぶときに押すよね。ホールボタンの数々


当サイトで何度も何度も紹介して申し訳ないのですが、今年の秋に「エレベスト」というエレベーターにまつわる本を制作した。

それを読んだエレベーターの「ホールランタン」と呼ばれる、エレベーターが到着したときに光るランプを作っている会社のかたから、本の感想とともに、ぜひ会社に遊びに来てください、というお話をいただいた。

エレベーターが好きで追いかけていたら、本当にエレベーターを作っている人から連絡がきた。

これは嬉しい。さっそく会社にお邪魔することにした。

(text by 梅田カズヒコ



まずはホールランタンについて学んでいきましょう

ホールランタンとは、エレベーター乗り場に設置されているアレである。


丸の内の新丸ビルのエレベーター。今、左のエレベーターが到着して、左のランプが光っていますよね。

そう、この、光っているものがホールランタン。 (Photo:T.Yoshizaki)

そう、エレベーターにおいて、このホールランタンの存在は非常に重要である。カレーライスで言えば、カレーやライスまでとはいかないが、福神漬やらっきょうのように、重要な役割を担っている。

ホールランタンはいわばエレべーターのアクセサリーなのだ。
おしゃれなエレベーターには、おしゃれなホールランタンが欠かせないのだ。

で、今回お邪魔する島田電機さんは上の新丸ビルのエレベーターや、銀座のアルマーニのホールランタンを作った会社なのだ。


銀座のアルマーニ、しゃれおつ

このおしゃれなホールボタンを作ったのが島田電機さん(Photo:Y.Terashima)

こんなおしゃれなランタンを作る会社にお呼ばれしていってきました。どういう過程を経てこれらが作られているか、大変興味深いです。


看板の下には「エレベーターの表示機をつくっている会社です」の文字
今回、工場を案内してくれる島田電機の今村さん

世界的なブランドのビルのエレベーターのランタンを作っていたのはわりと普通の会社でした

というわけで、東京都世田谷区は烏山にある島田電機製作所さんにお邪魔しました。

アルマーニのビルの内装の一部を手掛けているわけだから、どんなオシャレな会社なのかと思ったら、意外に普通の会社でした。社屋は古い教室のような雰囲気です。こんなことを書くと語弊があるかもしれないけど、とても町工場的。安心する雰囲気です。

もう60年近くエレベーターの表示機を作っているそうで、60年という数字は、日本が本格的にエレベーターを作りだした時期と重なる。エレベーターの3大メーカーである日立(残りの2社は三菱、東芝)の下請けの仕事が多いらしい。日立のエレベーターのホールランタン(表示機)には島田電機の製品が使われている可能性が高い。

島田電機が作っているエレベーター周辺機器としては以下のものがある。

・表示ボタン(上と下の矢印のボタンでおなじみ)
・インジケーター(現在のエレベーターの階数を示す電光)
・ホールランタ


つまり、日本のエレベーターの歴史を裏から支えている、それが島田電機なわけだ。これを読んでいるほとんどの人が島田電機を知らないだろうが、一度ぐらいは島田電機にお世話になっているのだ。

今回は写真左、商品の開発を行う、開発グループの今村さんに工場を案内してもらうことにした。


 

 
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