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フェティッシュの火曜日
 
焼き鱈で作る革バッグ


これをバッグにするという記事です

あまり自慢できることではないのですが、私の使うバッグは大抵がビジネス仕様。ノートパソコンか大きめの書類を折り曲げずに入れられることを基準に選んでいるのが原因だと思います。

今まで何度も「持ち物に色気がない」と言われてきたので、今秋こそは気軽に使える小さめのバッグが欲しいと思っています。しかし、いくら探してもコレ!といったものに出会えません。

なので、作ってみることにしました。「焼き鱈」で。

(text by 三宅 京子



小さくて可愛いバッグが欲しい

ちょっと前に「夏だ!」とはしゃいでいたのに、季節はもう秋。
デパートの衣料品フロアにも秋冬物の可愛い服やバッグが並んでいます。

今年は衣替えに合わせてバッグを買おうと思っているのですが、なかなか自分好みのバッグに出会うことができずにいます。


現在使用中のバッグは色気と無縁

ショップをまわってみても、サイズや形は合格なのに素材が気に入らなかったり、素材は好きでも大きさが…と、一向に買うというアクションに結びつきません。
布やエナメルのも良いけど、やっぱり買うなら革製のバッグが欲しいなあ…。


ショップをまわるも好みに合わず

ないなら作ろう革バッグ

これだけ探して見つからないなら答えは1つ。
「作ってみるしかないんじゃない?」

オーダーメイドで作ってもらうことも考えましたが、手作りの方がずっと楽しそう!
…とは言っても革細工なんてやったことないし、革素材に関する知識もほとんどありません。

ただ、以前に思いつきで作った服も案外満足できるものになりました。もしかしたら革細工もそれなりに作れちゃうかもしれません。
そう自分を励ましながら、おなじみユザワヤの革製品コーナーへ向かいます。


これ、住さんのMacBook Airケースの記事で見た!

革っていろんな種類があるんですね。
聞けば、素材のもとになった動物の違いの他に「なめし(革が腐らないよう施す加工)」の方法、型押しなどの後加工の違いなどで製品の質や用途が大きく違ってくるとのこと。

しかしこんなに沢山の革が並んでいるにも関わらず、私の求める素材は見つからず。
私が欲しいのは「素朴な肌色。表面に細かいシワが沢山があって柔らかい」革。簡単に見つかるものだと思っていましたが、そう上手くはいかないようです。


青や赤に着色されたもの、半透明の革なんかもあった

 

食料品店で逸材を発見!

それから数日後。
素材選びに時間を費やし、半ば諦めていた頃に奇跡は起こりました。見つけたのです逸材を!
食品売り場の片隅で。


焼き鱈

どのスーパーやコンビニでも見かける、定番のおつまみ「焼き鱈」。
このお店ではシート状になったものが陳列されていました。
よく観察すると、色といいシワの感じといい、私が求めている革の質感にびったりです。パッケージを開けると、手触りや素材感もバッチリ!手に馴染む感覚など全てがイメージ通りです。

ただし、何とも強烈に香ばしいのは想定外でしたが。


求めていたのはこのテクスチュア

ただ、これは本当に「革」と呼んでも良いのでしょうか?
鱈の皮でもないようだし、成分表示欄には「たらすり身」と書いてあります。
そこで、かつて食品加工の仕事をしていた父に電話して聞いてみることに。

「それはカマボコやね」
「え?とてもカマボコには見えないけど…」
「カマボコを薄いシート状に加工して焼いたらあんな感じになるんよ」

そうだったんだ。カマボコなんだそうですよ、あれ。
ということは、これを使った作品を「革細工」といったらウソになってしまいます。でもこれだけの逸材はそう滅多になさそうなので、このまま焼き鱈でバッグを作ってみることにします。

さあ、やるわよ!


 

 
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