中国の列車は夜行列車が当たり前で、下手すれば全工程3泊4日の列車もある。
僕はそんな中国の列車に乗ることが最近あった。しかも運が悪く立ち席となってしまった。今回の乗車予定時間は4時間と、新幹線で東京から大阪に行くよりも時間がかかるのだが、まだ中国でいえば序の口らしい。
それはともかくせっかく立ち席になってしまったので、列車の中でなにかウオッチしようと思った。
(ライスマウンテン)
長距離列車の車内は人が多い。
列車は上のランクから個室の車両、2段ベッドの車両、3段ベッドの車両、いい座席の車両、悪い座席の車両とあるが、残念ながら立ち席の切符しか持っていないので、悪い座席の席で立つことになった。立ち席となったのは、席を予約しなかったためで、自分自身の原因でもあるのだが、それにしてもそうした予約しなかった人が車内はすし詰めで大変な混雑っぷりとなっている。
僕はテレビ「世界の車窓から」を視たことがあるが、目の前に広がっていた世界は、とても夜くつろぎながらボーっとしながら見るような光景ではなかった。
で、この状況で人が動かなければまだいいのだが、乗務員やら手押し車を押す売り子やらが次々にやってくるので、立ち寝も長時間はできない。
売り子のおばちゃんが通り過ぎると、前から後ろから次から次へと乗客がカップ麺を持ってやってくる。僕は座席のある空間と、車両のつなぎ目の間の乗務員室の近くに陣取っていた。そこに何があるかというと。
中国の電車には、必ずといっていいほど、ただひたすらごついだけの給湯器が置かれていて、多くの乗客がこれを当たり前のように利用している……という。
そうは聞いているが、本当によく使われているのか、調べたことはなく伝聞に頼っただけだった。日本の電車にはない給湯器、これがどうやって使われるのか、調べてみたくなった。
よし、これで列車の中で退屈せずに済みそうだ。