邪鬼色に染めて・・・
そもそもなぜこんなパーツに分けたかというと、彫刻初心者だからだ。いやこんな大きな像、発泡スチロールまるまる1個彫りでは失敗したときにやり直せない。
そして「転倒防止ポールのカバー」という就職先につき、前面からのみ鑑賞に堪えればいいのでは、と思って、後面はあまり手をつけていない。
たぶん「転倒防止用ポール」だけじゃなく、「何かのカバーに」「何かのケースに」なったことは、邪鬼にはあまり経験がないはず。よってポールに合わせて組み立てる、ここからが試行錯誤だ。
ポールに合わせてくりぬく、などのきめ細かい心配り。
そして色づけ。法隆寺五重塔の邪鬼は木造のひなびたいい色合いだった。その雰囲気をぜひとも出したい。木の茶色が苔むしたような、すすけた感じに。
四の五の言っても最終的にはガムテの登場だ。罰が当たることうけあい。
あ、そうそう、高さを可変にしたんだった。伸び縮みの様子は動画でご覧下さい。
なんだこりゃ。
なんだこりゃと言いながらも、つい見入ってしまう。できあがって部屋の片隅に置いていても、その存在を視界の隅にひしひしと感じる。そばで寝ると悪い夢を見る。
とりあえずテーブルの下に入れてみた。似合う。
ここで原画を確認する。牙を剥いてすごんでいるはずの邪鬼が、にやけたヨッパライみたいな顔に。
ところで・・・言いにくくてずっと黙っていたが、うちには「背の高い家具」がまったくないのだった。よって転倒防止ポール、要らない。おおなんてことだ!これではこいつの突っ張る様を確認できない。
ということで締め切り前日、東武りょうもう号で実家に向かった。