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フェティッシュの火曜日
 
ファミレスのノンアルコールビール飲み比べ
ノンアルコールビール


僕は下戸だ。お酒が飲めない。でも、飲み会は大好きだ。そんな僕にとって、ノンアルコールビールを置く店が増えてきているのは嬉しい限りだ。僕のような下戸でもアルコール度数が低いから飲めるし、気分的には、ウーロン茶を頼むよりも場の雰囲気を壊していない気がする。

中でもファミレスは最近はほとんどのお店でノンアルコールビールを置いている。いろいろバリエーションがあっておいしい。

話が変わるが、ライターとしては、お酒が飲める人がよくやる利き酒とか、居酒屋レポート的な記事が書けるのがうらやましい。お酒の飲める飲めないで、書ける原稿の幅まで決まってしまっている気がする。

しかし、ノンアルコールの飲み比べなら僕にもできる。一度お酒の記事が書きたかった。今こそその時だ!

(text by 梅田カズヒコ



ファミレスのノンアルコールビール

さて、僕はだいたい昼間の1時ぐらいから夜中の2時くらいまでの間に仕事をしている。夜型だ。だから飲み会に誘われても、人様が仕事を終えたときにもまだ仕事が残っていることが多く、仕事を抱えているのであまり飲むわけにもいかない、というケースが多い。

そこで便利なのがノンアルコールビールである。これなら仕事に支障はない。特に新しい職場の近くにあるファミレスのノンアルコールビールが好きだ。


職場の近くのファミレス。J’sガーデン池尻店。
モルッティ、サービス価格で105円。ノンアルコールでアルコール分0%。冒頭の写真がそれです。

上の写真のモルッティは名実ともにノンアルコールビールだが、中にはアルコール1%未満のビアテイスト飲料も登場する。ただし、今回は記事の都合上、ノンアルコールビールとして合わせて紹介しようと思う。上記のモルッティは完全に0%ですが、いくら1%未満でもアルコールが入っている限りは運転はだめよん。


サラダピッツァ(934円)+モルッティ(105円)=1039円。贅沢なセットだと思いませんか?
わりと泡が多いです。でも、105円でビールが飲めると思えば。

1.J’sガーデン(ジョナサン系列)のノンアルコールビール「モルッティ」サラダピッツァとともに。

まずはいつも飲みなれているノンアルコールビール、『J'sGARDEN』のモルッティを改めて飲んでみようと思う。

ビール1杯だけでは物足りないので、ピザも頼んだ。ビールとピザ、なんてぜいたくな組み合わせだ。すごくおすすめ。会社でこれを読んでいるあなたにもぜひ味わってほしいのだが、写真でしか伝えられないのが惜しい。しかたない、僕が独り占めするか。

普段飲んでいるときは、ビールと変わらない味がするのだが、取材ということでじっくり味わってみると、少しだけフルーティな味がした。通常のビールよりじゃっかんクセがあるようにも思うが、ピザと一緒に流し込むとまったくこれがノンアルコールビールだとは僕は気付かない。飲み会は好きだけど、酒を飲んでからんでくる人は大嫌いだ。その点モルッティは、お酒の場の楽しさと、このあとも仕事だから冷静さを保っていたい、という2つの要望をかなえたいい飲み物だと思う。しかも105円。文句のつけようがない。

105円というのは異常に安い気がするが、それもそのはず。ファミレスのソフトドリンク同様。濃縮された「モルッティの元」を炭酸水でわるとこのようなドリンクが完成するらしい。それならこの泡感はどうやって実現するのか。興味深いところだ。

やや甘口、何かで味を足しているような不思議な味は少しする。安いから仕方ないか。

モルッティ(ジョナサン系においてます)

アルコール分:0%
味:やや甘口。とにかく安くてビールの味がするのが特徴

 

デニーズへ
瓶ごと提供されます。グラスに瓶ビールを注ぐ瞬間、なんだか大人になった気分でした。
バクラー(370円)とCOBB料理長のまかないサラダ(380円)

2.デニーズで飲める「バクラー」(ビアテイスト飲料。アルコール分約0.5%)

続きまして、ファミレスの中でも最も王道を行く(と、僕は勝手に考えている)デニーズに行ってきました。

デニーズはファミレスの中でも少し高価格なイメージがあるが、先日いくつかのメニューを値下げしたようなのでぜひこの機会にいろいろと試してほしい。

そんなデニーズで飲めるのは、バクラー。ビールの名門、キリンビールの商品でオフィシャルサイトによると、アルコール度数約0.5%のビアテイスト飲料、1瓶あたり約66kcalとカロリーも控えめ。そのうえ麦芽本来のうまみを味わえると書かれているがはたして。

ファミレスをはしごするのは初めてなのだが、2軒目とあって、おなかもいっぱいなので、アテはサラダにした。

嬉しいのは瓶ごと提供されること。僕はいつか大人になったら瓶ビールを飲める男になってやろう、と考えていたのですが、体質の問題でついにその夢はかなわなかった。しかし、これはそんな下戸な僕にも『お酒を味わっている感』を味わえてよい。

僕のような『お酒が弱い』『かといって甘い炭酸飲料はいやだ』という人にはちょうどいいのではないか。

味のほうは先ほどのモルッティに比べるとずいぶん辛口だ。一口目はすごくキレがあるように感じたが、飲みすすめていくとまろやかさが広がっていく。僕はお酒に関しては門外漢だが、どうやら本物に近い味わいのビールになっているんだと思う。実際、飲み進めると頭がふらふらしてくる。(僕が異常にお酒を分解できない体質であることもあるが)

一緒に頼んだサラダとの相性はすごく良い。サラダにかかっているドレッシングの油をきれいにビールが洗い流してくれるようだ。というか、今更気づいたのだが、ビールって麦が原料で主食だからということもあるのかもしれないが、どんな料理にでも合うぞ、未成年の読者よ。

世間的には常識なのかもしれないが、これほどビール(テイストの飲料)を飲む機会が僕にはなかったので、どうして皆が料理と一緒にビールを注文するかがこの取材で初めて分かった。確かに、ビールと一緒に食べる食事はうまい。これはお茶にはない魅力である。かと言ってカクテルやサワーではちょっと料理にむかない。ただの炭酸飲料では少し味気ない。ビールは料理の相方として万能選手なのだ。今僕はみんなが知っている当たり前のことを、興奮ぎみに書いている。でも、少し酔っ払っているので許していただきたい。

バクラー(デニーズ系においてます)

アルコール分:約0.5%
味:辛口。本物に近い味だと(勝手に)思っている。

 


ふらふらした頭で飲み進めようと試みるが…


ファミレスはしご、3軒目

さて、次の3軒目はロイヤルホストに向かったが、ここで問題が起きた。


調査したロイホでは、デニーズと同様バクラーを提供している模様。

デニーズと同様の「バクラー」が置いている。今回はファミレスのノンアルコールビールを飲み比べ、という企画だったが、さすがに同じ商品を飲み比べてああだこうだいうのはおかしい。さらに次のお店に行くと…


4軒目はガスト

 

企画存続の危機? ファミレスのノンアルコールビールはバクラーとモルッティの2大勢力しかないのか?

4軒目のガストではJ’sガーデン(ジョナサン系)と同じくバクラーが置いてあった。さっきまでほろ酔いでおおらかな気分になっていたが、どうやら日本のファミレスはバクラーとモルッティの2種類に席巻されているのでは? という気になってきた。だとすると、今回の飲み比べ企画はここで終わりになってしまう。もう少しほかのものも飲み比べたい。

せめてあと1種類だけでも…。

最後の望みをかけてあの店に行った

 

5軒目、すっかり夜中になってしまったがサイゼリヤへ
モルトスカッシュ(250円)。安い。さすがサイゼリヤ。
でもなぜか一番搾りのグラスで提供された。下戸にとっては『毒入り』と書かれたおいしそうなリンゴを見ているような状況。

3.サイゼリヤで飲める「モルトスカッシュ」(ビアテイスト飲料。アルコール分約0.5%)

サイゼリヤではようやく『バクラー』『モルッティ』以外の飲み物を発見した。キリンの『モルトスカッシュ』がそれである。キリンはファミレスのビアテイスト飲料界では圧倒的なシェアを誇っているようだ。

よかった、危うく企画そのものがぽしゃってしまうところだった。ちょっと覚めてしまったので、もう一度飲みなおすとしよう、サイゼリヤで。

僕はこれまでファミレスで一人でビールを飲んでいる人を見ると少し切ない気分になってしまっていたのだが、こうしてビアテイスト飲料を飲むことによって、疑似一人飲み体験をすることによって、その楽しさがなんとなくわかってきた気がする。

さて、モルトスカッシュの味はというと、ひと口目にちょっと雑味があったような気もするが、飲み始めてみるとこれまたビールそのものである。先ほどの「バクラー」と比べて炭酸がきつい気がする。炭酸でごまかされている気がしないでもないが、アテとして注文したエスカルゴと合わせて飲むとすごくおいしい。

モルトスカッシュ(サイゼリヤ系においてます)

アルコール分:約0.5%
味:炭酸がきつい。わりと甘口な気が。

 

番外編:和民で飲める「ファインブリュー」(ビアテイスト飲料。アルコール分0.5%未満)

ほかのお店もいろいろ当たってみたが、どうやらファミレスのノンアルコールビールは『モルッティ』『バクラー』『モルトスカッシュ』の3品に大別されるようだ。

表にまとめてみた。

日本の主なファミレスチェーンのノンアルコールビール/ビアテイスト飲料(梅田調べ、調査地・東京)


店舗名 置いているノンアルコールビール 全国の店舗数
ガスト モルッティ 約1,000軒
サイゼリヤ モルトスカッシュ 約750軒
バーミヤン モルッティ 約700軒
デニーズ バクラー 約550軒
ジョナサン モルッティ 約350軒
ロイヤルホスト バクラー 約300軒

 

ここからは筆者の夢にお付き合いください

と、本来ならここで終わるところだが、もう少しだけお付き合いいただきたい。

僕は一度、居酒屋に入って一人でお酒を飲む、という行為をやってみたかった。でも、このノンアルコールビールであれば、お酒が飲めなくても、一人で居酒屋に行って席に座って注文する気力があれば大丈夫だ。一度試してみようと思う。


というわけで、居酒屋の王様和民へ。


僕は以前、『散歩の達人』というまさに散歩が大好きな人が関わる雑誌で執筆していた。そんな様々な地域の名店を渡り歩いてきた散歩の達人のスタッフが仲間で飲むときどこで飲むかというと、実は和民で飲むことが多いのだ。

様々な名店を渡り歩いてきた散達スタッフが、実は和民で飲んでいる、というのはなんだか興味深い。今回は、そんな居酒屋で飲んでみることにした。

 

繰り返すようですが、ここから先は自己満足で情報はありません


和民のビアテイスト飲料は、ファインブリュー。


さっそくあるフードをアテに注文することにした。


ばーん! 枝豆!


子どものころの、大人のイメージと言えばビールと枝豆だった。僕も大人になればそうなるものと思っていたが、どうもなれなかったみたいだ。でも、今日はじめて夢がかなった気がする。下戸にとってはあこがれの「ビールと枝豆」である。ビールには枝豆が合う、と聞いていたが、通常のビールではアルコールがきつくて味わうこともできなかったが、こうやってビアテイスト飲料相手だと、味わいながらビールと枝豆を楽しむことができた。なるほど確かに枝豆とビールは相性が良い。枝豆のしょっぱさでビールがすすむ。

居酒屋に一人で行って、ビールと枝豆を味わって帰る、という“僕の考える大人”を体現した僕は自己満足して帰路につくことにした。

サイゼリヤではエスカルゴのオーブン焼き(399円)と一緒にビアテイスト飲料を飲んだ。これもうまかった。

夢がかないました

最近はどこのファミレスでもノンアルコール飲料が置いている。僕が思うに、ノンアルコールビールやビアテイスト飲料がもっとも似合うのはファミレスだと思う。ファミレスの独特な空間とノンアルコールビールが妙にマッチしている。

僕はアルコールというのは半分ぐらいは雰囲気で酔っているんじゃないかと思う。(参考記事『水だけ飲み会』)。飲み会っぽい雰囲気と時間さえあれば、人は酔うんじゃないか、とそれなら体に悪いお酒よりも、ノンアルコールビールや、アルコール度数の薄いビアテイスト飲料がいいんじゃないだろうか。これからノンアルコールビール飲み会、というものがはやればいいな、下戸としては。


ところで話は大きく変わるが、酒を利用した「アルコール文学」というジャンルがあるように思う。子どものころに僕が敬愛した村上春樹も中島らもも、小説の端々にアルコールにまつわる小噺が出ていたように思うし、僕も大人になったら飲んだくれて、その失敗談なんかを面白おかしく書けるような作家になりたい、あるいは薄暗いバーで飲んでいる自分をかっこよく描写したい、と常々思っていた。

それなりに努力した結果、文章を書いて飯を食う人間にはなれたが、ついにお酒が飲める大人にはなれなかった。おおいに残念だ。でも、今日僕は雰囲気だけでも、味わえたのでよかった。これからも、下戸のくせに飲みたい気分になったら、和民に一人で行ってビアテイスト飲料を飲みたい。そんな僕を和民で見つけてもそっとしておいてください。


 
 
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