撮ってもいいから落ちるな
船が出港してすぐに船内にアナウンスが流れる。
「軍艦は基本的には撮影可ですが、興奮して船から落ちないようにだけ気をつけてください」
そんなやついないだろう、とその時は思ったのだが、実際デッキで写真を撮るのに夢中になっている時、波に当たって船が揺れたりするとうっかり落ちそうになる。わざわざアナウンスするからにはすでに何人か落ちているのかもしれない。
「もしも海に落ちてしまった場合、そこはアメリカ領です。助けて下さい、よりもヘルプミーと言った方がいいです」
とは実際のアナウンスから。どこまでが本気なのかわからないが、確かに泳いでたどり着いた岸はアメリカ軍内だ。この平和な雰囲気の中でならば許されるかも、とも思ったが(いやたぶん許されないな)、国が国なら「亡命か!」って大騒ぎになるんじゃないか。
せっかく近くから見ることができたので、軍艦のでかい写真を掲載します。
軍艦どーん。
軍艦でかい、そして近い。
沖から船を眺めるツアー、という話だったので撮影用に高倍率の望遠ズームレンズを持って行ったのだが、むしろ広角レンズの方をよく使った。ツアー船が軍艦に近すぎて望遠だと乗組員の顔しか写らないのだ。
近くを通ると米兵たちが手を振ってくる。もちろんこちらも手を振り返す。へんな構図だが、やはり仲がいいに越したことはない。
潜水艦もいる
ツアーは毎日行われているので、日ごと見られる軍艦が違うのだという。左は浮上してきた日本国籍の潜水艦(珍しいらしい)。それが停泊するのはアメリカ海軍内。デフォルトを知らないので驚きポイントがよくわからないのだが、ぬるっとした潜水艦を目の前で見られただけで得した気分になる。
海から見てもやはり軍艦はダイエーのすぐ裏に位置していた。コンクリートに似た灰色だけどぜんぜん町並みにとけ込んでいない。考えてみると大仏も東京タワーも、近くで見るとやたらとでかくて周りに馴染んでいないのがわかるだろう。やはりでかいことはハンデになるのだ。軍艦も同じだ。