なるほど。やってみるとこれが楽しい。
鼓手のかけ声にタイミングをあわせて、体のなるべく前から深く水に刺したパドルを強く引き寄せる。体の真横でパドルを抜く。パドルが掴んだ水の抵抗が直に感じられる。みんなの力でこの自分が乗っているボートが進んでいるのがはっきりとわかる。
みんなと同じことを同時にやるというのが単純に興奮する。似たような競技であるムカデ競争よりも爽快感があっておもしろい。
メンバーの一人が、「ドラゴンボートは究極の団体競技なんです!」といっていた意味がすぐに理解できた。これは入会して本気でやってみるのもいいかもしれない。
でも楽しい分だけ辛い
だがしかし、うわこれたのしー、なんて素直に思ったのは最初だけで、当然すぐに体が痛くなってきた。
普通のボートは二本のオールで体を左右対称に使って漕いでいくが、ドラゴンボートは一本のパドルで片側だけを漕ぐ。これに慣れてうまく体を使うことができれば辛くないらしいのだが、こちらは運動不足の素人。普段絶対に使われることのない、普通のボートで使う筋肉とも違う部分が悲鳴を上げる。 |