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はっけんの水曜日
 
風が弾く楽器〜エオリアン・ハープを聴きに

この中に楽器が隠れています。さあどれだ?

 以前、トイレのジェットタオルで音を鳴らす記事を書いたとき、風で音が鳴る現象についてネットで調べた。そのとき知ったのが、今回ご紹介するエオリアンハープだ。

 風が弦を鳴らすのだというこの楽器、いったいどんな音がするのだろうか。気になって、この楽器を研究している方のところまで押しかけてしまいました。

 後半では日本で唯一、いつでもエオリアンハープが聴けるスポットもご紹介しますよ。

(text by 石川 大樹



終始ほがらかだった杉山さん

訪れたのは九州大学

 今回おとずれたのは、九州大学の芸術工学府、藤枝研究室。ここでエオリアンハープの研究をしている杉山さんと渡辺さんに、取材に応じていただいた。

 そもそもエオリアンハープを作ったり演奏したり研究したりしている人自体、日本でも数えるほどしかいない。その中でももっとも精力的に活動しているお二人だ。今日はよろしくお願いします。

 


終始リリー・フランキーに似ていた渡辺さん

上の写真はこの写真を意識しています

エオリアン・ハープとは

 エオリアンハープは、とてもシンプルな楽器だ。風の通る場所に弦を張っておくと、風の力で弦が振動し、音が生まれる。ただそれだけ。演奏者が音程を操るしくみもなければ、自分で音を鳴らすことすらできない。

 杉山さんによると、もともとは17世紀頃にヨーロッパで流行したものだそうだ。当時は公園や家の窓なんかに置かれていた。音が鳴るも鳴らないもすべて風まかせのこの楽器、いわゆるコンサートで演奏されるような楽器とはちがい、日本でいえば風鈴に近い存在だったようだ。

 しかし一時は大流行したエオリアン・ハープも、ある時を境にぱったりと途絶えてしまった。藤枝研究室で研究を始めたのは今から5年ほど前で、17世紀の大流行からは数百年も後。その時すでにエオリアンハープは「伝説の楽器」みたいな状態で、「そういうのがあったらしい」という文献情報だけは残っているものの、作り方どころか、どんな音が鳴るなのかすらよくわからなかったという。そこから、材料選び、作り方、設置場所など試行錯誤を重ねた結果、やっとできたのが今のエオリアン・ハープだ。

 なんだ、このロマンチックな話。インタビューはじめて早々、いきなり飛び出したのがこんな、歴史ロマンにエジソン的な発明物語がハイブリッドしたような壮大なエピソード。初っぱなから僕のハートもわしづかみにされてしまった。

 

 

 

エオリアン・ハープ登場

 そんなロマンあふれるバックグラウンドを持つエオリアン・ハープ、さっそく見せてもらおう。これだ。


バーン

ババーン


 おお、木製の箱に等間隔に張られた弦。シンプルな形はいかにも古楽器という感じで、思わず17世紀のヨーロッパに思いをはせてしまう。

 しかし、ここにあるエオリアン・ハープはこれだけではないのだ。


これも

これも


これも

これも


 ネット回線の向こうで読者のみなさんの頭上にたくさんのクエスチョンマークが浮かぶ様子がありありとわかる。しかしこれらの写真は原稿のコピペミスでも貼り間違いでもなくて、ほんとうに全部エオリアンハープなのだ。

 冒頭にも書いたけれども、エオリアンハープは、吹く風が弦をふるわせて音を出す楽器。なので、
・弦が張ってある
・そこに風が吹いている
この2つの条件を満たせばエオリアンハープになりうる。人生や目玉焼きと同様、エオリアンハープにも正解はないのだ。

 「正解はないのだ」って偉そうに言われても、なんだかキツネにつままれたような気分だと思う。すみません。(いや僕は悪くないんですが、どうしようもないのでとりあえず謝ってみる)。とにかく形は色々あるんだ、ってことだけを頭に入れてもらって、次のページでは実際に音を聴いてもらうことにしよう。

 

 
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