そこらへんの石でループタイをつくる
前のページの最後で明らかにした通りだが、あれでもがんばって探した比較的綺麗な石なのだ。どうみてもただの石にしか見えなくても、そうなのだ。
僕が探した範囲では、全体的に「河原の石」的なつるつるした石というよりは砂利道の砕けた石が多かった。形が崩れてるのは仕方なしとして、色と模様を見ながら集めてきた(つもりだ)。
このままではさすがにただの汚い石なので、水で洗って泥を落とす。
泥が落ちました
泥を落とすと石の色と模様が気持ち程度ちゃんとあらわれてきた。今回用意したループタイのパーツが4つ分しかないので、この石の中から4つ選ぶ。
真剣なまなざしで石を選ぶ
選ばれし石たち
厳選された石がこれだ。
左から、「黒っぽいの」「赤茶っぽいの」「白くてごつごつしてるの」「白くてつるつるしてるの」だ。詳しい石の種類は標本と見比べれば分かるのだろうが、どれも素敵な荒川石だ。荒川パワーストーンズ。
これを先ほどの金具に取り付ける。取り付けには接着剤を使う。
芸術の秋です
接着剤が乾くまで1時間程度待つ必要がある。待つといっても秋の河原は涼しくてとても気持ちがいいので時間がすぐ過ぎ去ってしまう。秋の河原が好きだ(河原は一年中好きだが)。
写真を整理しながら、けっこう土手を訪れている人がいるなあと思っていたら、1枚の写真に僕と3組のカップルが写っているものがあった。
気にしていなかった
3組のカップルに見守られながら、残りの作業を終わらせる。
適度な長さに切った紐(1メートル強)の先に金具を取り付けて、石に紐をひっかけたら完成だ。周囲の「何やってんだろう」という視線以外、まったく難易度の高いことがない。
これをくっつけます
完成した
という感じで出来上がったのがこちら。
石器じゃないです
脳内オーディエンスがしきりに「石器?」という疑問をアピールするが、これは紛うことなくループタイである。紐、金具、そして石。すべて僕が買ったループタイと同じ素材ではないか。
このまま観賞するのがループタイではない。つけてみよう。
黒っぽい石ループタイ
白くてつるつるした石ループタイ
自分大好きっぽくなってしまってごめんなさい。でもナチュラルでワイルドで荒川な感じのループタイになったのではなかろうか。もしくは「カミサマの石」を大事そうに首からぶら下げる人。でも、僕は満足である。
だれかにプレゼントしたら喜んでくれるレベルのものになったかもしれないとも思ったが、「いいものができたぞ!」と思って善意で誰かにプレゼントしようとして迷惑がられるパターンな気もする。
いずれにしろオシャレはよく分からないままだ。
こうして今日も日が暮れる
秋の河原
ループタイはともかく、秋の過ごしやすい気候の中、河原で過ごす休日の素晴らしさを実感する結果に。河原の素晴らしさをいつでも身に付けられるのがこのループタイの良さかもしれない。
全てはオシャレについて友人に指摘されたことを発端だったが、紆余曲折あっていつの間にか荒川で工作をしている自分に、何か抜け出せない業みたいなものを感じた。
石器にもなる