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はっけんの水曜日
 
松本商店の美味しい干物レシピ

速いと判らないのでゆっくり開いてもらいました。

■最初は基本、アジの開き方

 では早速各種魚を開いていこう。まずはアジだ。先生、お願いします。

1.アジの頭を右、お腹を手前に置いて左手で押さえる。
2.のど元から包丁を入れ、お腹を開く。
3.えらを切り離し、内臓と一緒に取り出す。
4.中骨に沿って包丁を入れ、背中の皮を残して切る。
5.頭を割って身を開く。
6.お腹に付いている血合い(動脈)を包丁で除く

 文章で読んでも判りにくいだろうから、ムービーに撮ってみた。若干血や内臓が映るので苦手な人は注意して見て下さい。


■ムービーで見るアジの開き方

アジの開き方」のビデオ
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断面が綺麗なアジの開き。果たしてうまく出来るか、自分。

■流石ですな

 あんまり身内のやる事を賞賛するのもどうかと思うが、流石35年の腕前だ。ちゃっちゃと開いてしまった。しかも断面が綺麗。

「速いね。」

「まぁ、開くのはそんなに大変じゃないからね。大変なのは干し網に並べて干して、干し上がったのを取り込んで製品に仕上げる工程なのよ」

 なるほど、製品として大量に作る苦労の、これはほんの入り口に過ぎないのだ。それでも自分でやってみると到底上手くは出来なかった。

 

■やってみる

 今回用意したアジは3尾。1匹はお手本として切ってもらったので、残り2尾を自分で開くことにした。まずは魚の置き方から習う。そう、干物屋の二男として32年生きてきたが、実は開きを作ったことはないのだった。ガーン。

門前の小僧はただの小僧だった。


魚の置き方からして違うと指摘される。横に見本を並べてって、習字かと。

やってみると、これが難しい、なにが難しいかというと、えらがよく外れないのだ。そこを切って、なんて言われてもそこがどこか判らない。

なんとか開いたアジをお手本と並べてみたが、一目瞭然、どう見ても品質が悪い。オレ、干物屋無理だわ。


写真で見てこうも違うとは思わなかったな。断面の綺麗さが全然違うわ。

開いたアジは水で血を流してから塩汁に漬ける。


血を抜かないと生臭くなっちゃうのよ。つけ汁につける前に真水に漬けておきます。

残り1尾のアジもなんとか開いた。よし、次はサンマとイカを開く様子を見ていただこう。


■ムービーで見るサンマの開き方


上手く開くコツは、左手で大胆に魚を押さえる事。

■サンマは背開きです

 実はサンマはたまにさばいて食べるので、開くのは難しくなかった。内臓などもアジに比べて取りやすい。

1.サンマの頭を右、背中を手前に置いて左手で押さえる。
2.首の後ろに切れ目を入れる。
3.2で入れた切れ目から中骨に沿って包丁を入れる。
4.お腹側を切り抜かないように包丁を尾まで進める。
5.内臓、エラを取り除いて完成。
6.みりん干しの場合、頭を落として中骨も取り除く。

 6の中骨を取るとこは上手くやれる自信がなかったのでやってもらった。普通の干物風開き方なら簡単だ。

 

■ムービーで見るイカの開き方

イカの開き方」のビデオ
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肝は塩辛を作るのに使います。今回は塩辛は作れないけど。

■イカはサンマより簡単です

 イカは構造が簡単だし赤い血が流れないので開くのは簡単だと思う。

1.エンペラを下にして置く。
2.胴のすその部分から包丁を入れ、先端まで開く。
3.内臓を取る。
4.目の間を2カ所ほど切って開く。
5.目玉、トンビを取り除く。

 買ってきたイカが、若干乾き気味の冷凍イカだったので、身が固くてやりにくかったが問題なかった。

イカったイカった。

 

内臓がデカイ!血が多い!指が伸びる!

■最後に鯖

 最後に残った鯖だが、開き方はアジと同じになる。ただし、身が大きいので血や内臓がかなり生々しい。という事であんまり詳しくは紹介しない。おおよそ、左の写真の表情で読み取っていただきたい。

 鯖も水につけて血抜きをして、開き工程終了。今度はそれぞれを付け汁に漬けて味を馴染ませる。では次のページ。食べるまではあと2ページかかります。


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