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フェティッシュの火曜日
 
磯部せんべいのオマケぶりがよくわからない


前回「オランダコロッケとタルタルカツ丼」を食べに、群馬の信越本線を行ったり来たりした。じつはその前日には、当サイトの6周年記念特集で「磯部」という町に滞在していたのだが、ここの名物のひとつが「磯部せんべい」。いわゆる鉱泉せんべい、である。

「いわゆる」なんて言ってしまったが、そういう種類のせんべいってポピュラーなのかどうかがいまいちわからない。なにぶん私も地元群馬出身なので、そのあたりの感覚がつかめない。ほら、あの群馬銘菓「旅がらす」で使ってるような、あの薄い洋風せんべいですよ。

と、ますます一般性を失ったところで、磯部温泉「磯部せんべいめぐり」だ。地味だけど、ちょっとしたことが面白かった。私の好きなテレビ「ちい散歩」ならぬ、「おつ散歩」と思ってのんびり読んでいただければ幸いだ。

乙幡 啓子



愛したいのか恐れているのか

件の6周年特集で、私は「磯部駅」周辺を探索してくることになっていた。事前にその周辺をグーグルマップで確認し、ネタになりそうな情報を集めた。

主たるネタとしては、
・温泉マーク発祥の地だ
・愛妻の町だ
・舌切り雀伝説発祥の地だ

など健康的なものばかりで、その中に「磯部せんべい」も含まれている。


「日本最古の温泉記号発祥の地 万治4年の絵図より」と書いてある。「エノキダケかよ!」な温泉マークが駅前に。
こういう「歓迎ゲート」、集めてまわりたい。

東京から新幹線を使えば1時間半、わりとすぐにたどり着く温泉地だ。手軽。しかし失礼を承知で言えば、地味な温泉地である。まあ、ひなびた、とも言い換えられるだろう。

ただ、情報によると、そんな地味でひなびたこの町に、およそ20件ものせんべい屋さんがあるという。

はっきり言って、「磯部せんべいめぐり」にそんなに熱意があったわけじゃない。いわば普通の “鉱泉せんべい” 、温泉水を使って焼いたせんべいだ。食べたことはある。うまくて興奮の果てに「ひゃっほう!」とか「むふー」とか声が上がるかといえば、そういうものでもない。

でも軽い歯ざわりがあとをひく、何枚食べても飽きない味でもある(と言うより、食べたら止まらない感じ)。それならば、大きくないこの町でしかも20件、ならちょちょいっとまわって来て、せんべい比べでもすれば1本記事が書ける。うはうは。なんて考えていた。
宿に荷物を置き、鼻歌交じりで出掛けてみた。


こういう昔ながらのたたずまいの店や、
小奇麗でかわいい和風スタイルの店もあり、
一緒に「愛妻まんじゅう」を掲げる店もあれば、
「恐妻やきもち」という怖げなものを売る店もある(今は取り扱ってない)。

うん、あるある。温泉街の中心地だけでなく、ちょっと離れて国道に近い集落にも数件集まっていたりする。あとでざっと買い漁りに行こう。

 

わらしべ長者か 

のんきに歩き回っていたら、またあったよせんべい屋。今度はどんな店かなと通り過ぎながら覗こうとしたとき、店の前に座って通りを眺めていたオヤジが、私に近づいてきた。

「これ、あげる」
渡されたのは、袋に5〜6枚も入った磯部せんべいだ。ん?


さすがに急なことでたじろぎ、店やオヤジはその場では写せなんだ。かなり通り過ぎてから望遠で激写。
そしてこれが問題の磯部せんべい・0円。

通り過ぎる前は、店先で焼いてる旦那のお父さんか誰かかと思っていた。つまりご隠居だ。ご隠居が、店先で暇をもてあましているんだと思った。

そのご隠居が、お店の売り物を、通行人に渡していいんだろうか。と、いぶかしく思うほどの量だった。味見程度、という感じではない。証拠に、それつまみながら宿に帰ったら腹いっぱいになっていた。

もしかしてあれは、食べきらなかったせんべいを単にあげたかった、普通の客なんじゃないか、などと釈然としないまま、また他の店にたどりつく。


セーブオン(群馬ローカルなコンビニ)と併設のお店だ。
買ったせんべいと同じくらいの量の「味見」。

ここでは何となくクリーム入りのせんべいを、5枚×2種類買った。だが、「これ、どうぞー」とお店のお姉さんに持たされたのは、ビニール袋いっぱいの、割れせん。割れた磯部せんべいだ。

すでに、タダでもらった分だけで自分へのお土産はもう十分な量である。こ、これはいったい…。


ある店では客が全て猫だった。これも謎だ(実は店主の猫ですが)。

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