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ロマンの木曜日
 
関越トンネル防災訓練

屋外での訓練

さて、メイン会場の土樽PAでは、事故でひしゃげた車に閉じ込められた人のレスキュー訓練の準備ができていました。

救急隊とレスキュー隊が相次いで到着、救急隊による救命処置と同時に、レスキュー隊による救出活動が行われます。

事故の影響でドアが開かないので、特殊な工具で車体を切断、屋根を剥がして助け出そうとしているようです。


前の車に人が閉じ込められ、後ろのタンク車から漏れた危険物が炎上するらしい まず救急隊が到着、救命処置にかかる
レスキュー隊も到着、どうやって助けようか 特殊な工具で車体を切断
ところで訓練は各部署の偉い人たちの前で行われるのだが 容赦なくその前で撮影するテレビ局すげえ

レスキュー隊の活動を間近で見たのは初めてでした。

隊長、という表現が正しいのか分からないけど、その場の指揮官がメガホンで「○○(名前)は××しろ」とか「△△は●●を持って来い」といった具合にその都度指示を出していて、作業中ずっと隊員同士による報告、連絡がこまめに行われていました(さすがにプロ中のプロなので相談は行われていなかった)。

僕がレスキュー隊について持っている知識は「め組の大吾」を読んだことがあるのと、中越地震のときの活動をテレビを通して見ていた程度ですが、目の前で見るとこの人たちは本当にすごい。さっきトンネルで負傷者を救出、搬送した救急隊もそうですが、日々、人の命に関わる現場で仕事している人たちの気合いというか、プロ意識というか、精神力というか、組織力というか、というかそれ全てだと思いますが、それを直に感じて、見ているこちらが自然に高揚してくる仕事ぶりを見せつけられ、そんなつもりはなかったのに感動しました。

そう考えると、どんな作業中であれカメラを担いで最前列まで進んでいくテレビ局のクルーも、ものすごいプロ根性と言えそうです。

そうして、完全に気持ちを持っていかれた僕は、このあとに行われた消防隊による消火活動、警察と消防による現場検証、最後にJAF隊員によって行われた事故車のレッカー移動に至るまで、すべて「プロの仕事だ!」と感動していたのでした。

それでは、そのあたりの模様を写真のダイジェストでどうぞ。たぶん僕は全体的に半分涙目で撮影していたと思います。


車内のケガ人には毛布がかけられている 車体が切断され、屋根をめくり上げる
人が出せるスペースが開いた! すぐさま救急隊が仕事にかかる
無事救出! 車は強制ガルウイングに
タンク車から漏れた物質に引火! すぐに消防隊が到着
消火活動開始! 鎮火!
撤収も速い、プロだ! せめてお名前を…!
現場検証開始! 警察は事故原因、消防は火災原因を調べる
JAF到着! ワイヤーで巻き上げる
積載完了! 彼らも速かった、プロだ!

バカみたいなキャプションが並んでいますが、とにかくすべての作業が正確で迅速でした。やはりこれは「有料」であり「高速」である「大動脈」を、たとえどんな事故であれ1分でも早く開通させなければならない、という使命による日頃の訓練の成果と言えるのではないでしょうか。

これですべての訓練が終了。最後に講評を行い、解散となりました。

今回、僕は内心トンネルの中を楽しみにきたのに、人命と道路を守る方々の活動にすっかり心を奪われてしまいました。

これからは、彼らの仕事を増やさないように、より運転に気をつけて、あともし事故で渋滞していても、彼らの活動を思い出し、無闇に悪態をついたりしないようにしたいと思います。

プロの仕事

気がつくと、今回はさまざまな「プロの仕事」を見せつけられました。

それを写真とメモと記憶で持ち帰って、今度は僕がプロの仕事として記事にしようと悪戦苦闘したのですが、やっぱりトンネルかっこいい!って書きたいし、最終的にはデイリーポータルのカラーに甘えることにしました。

あと、関越トンネルではほかにもいくつか気になるものを見つけたので、いつかまた記事にしたいと思います。
おつかれさまでした


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