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はっけんの水曜日
 
物をかぶると、マンになれる
電子ジャーのオカマをかぶってるとこ。それがなにか?


仮面ライダーは仮面を被ったライダーだ。

月光仮面は、月を模した仮面を被っている。

ウルトラマンは、ウルトラな顔をしているからウルトラマンだ。

じゃあ、バケツを被ったら?答え=バケツマン

 今日のネタはスピードが命。文章とかあんまり読まないで一気にスクロールしてください。それがきっとお互いに幸せになる方法だと思うの。

(text by 松本 圭司

■一気にいくよー

 じゃあ、マウスカーソルをスクロールバーに合わせて。うん、ホイールだと疲れるからスクロールバーをドラッグするのが良いと思うな。

いくよ!

 

■青い稲妻 バケツマン惨状


バケツである。どこのご家庭にもあるバケツである。100円で買った。

 バケツを被る前の僕は普通の、そこらへんのどこにでもいる普通の男子、というか、オッサンであった。それがバケツを被った刹那、色々と蒸着させた宇宙刑事達と同じように変身を遂げるのである。「奇行ケイジ バケツマン」とでも呼んだら良いだろうか。うん、白子のりさん、会社の前でこんな撮影して申し訳ない。

時として、飛ぶ。アグレッシブな一面も持つが、着地で足を捻って未だに痛い。


■白の衝撃 ドナベマン惨状


土鍋を被っただけで、マンに変身した。今ならなんだってやれる。

 両手が挙がっているのは、別に近所の家をハロウィンで訪れたら「フリーズ!」って言われたからではない。日本、安全。まぁ、ぶっちゃけ土鍋が落ちそうだったのだ。土鍋、落ちたら割れる。それ、困る。必死で口を尖らせて土鍋を押さえている辺りにも注目していただきたい。つまり、土鍋マン、動くと土鍋が落ちる可能性が高い。ちっ、つかえねぇ。

 

■変身するとむせがち トラッシュマン参上


やっとヒーローらしいヒーローに。いや、らしいか?という突っ込み待ち。

 ドナベマンまで、参上を惨状と書いてたのは、素であり天然。さっき気付いたんだけど、自分への戒め(色んな意味で)としてそのまま載せておく事にした。この記事がこんな惨状。トラッシュマン、最近気管が弱くてむせがちである。これを撮った後、そりゃあもう、むせたむせた。結構命がけのヒーローだ。

 

■背負った十字架の重さ 変質者マン参上


どう見ても変質者の目です。こういう人になってはいけないという見本。

 見本には、良い見本と悪い見本がある。良い見本となるべく生きてきたつもりだが、すっかり目も心も曇ってしまった。僕は悪い見本としてなら、その存在価値に自信がある。みんな、こんな大人になっちゃいけないよ、と。そういう悲しいマンである。

 

■解き放て、エコゴコロ エコバッグマン参上


なんだか陽気なこのテンション。どうしたんだ、僕は。

 変身願望という物は誰でも持っている根源的な欲求の一つだ。食欲、性欲、変身願望。寝る暇があったら変身したいと思うのが人間として自然な姿と言える。ラララ〜♪おれはエコバッグマン〜♪買い物をしたらエコバッグを使うぜぇ〜♪だからレジを通ると人間に戻るぜぇ〜♪それがオレの寿命〜な〜ぁ〜の〜ぉ〜さ〜ぁ〜♪

テンション、みなぎってきた!


■一見ともだち風 ブレナンマン参上


このまま銀行とか行ったら間違いなく凍り付くね。場が、そしてその後、オレが。

 ブレナンエコバッグをかぶるとブレナンマンになれる。ブレナンファンにはたまらんマンである。わかんない人の為に解説すると、ブレナンってのはJ.H.ブレナンで、ゲームブックの作者である。だから、ブレナンマンは人を14に行かせる力を持っている。

14ってのは、わかんない人のために解説すると・・・・・まぁ、いいか、知らなくても。

 

■フリーザ第2段階みたいなもん ジュウヨンマン参上


ブレナンマンが更に気を溜めるとジュウヨンマンになる。単なる数字みたいな名前っすね、14万。

 解説するとだ。件のゲームブックはゲームオーバーのページが14で、選択に失敗したりサイコロの出目が悪かったりすると「14へ行け」となるのだ。そのページにはお墓の絵が描かれていて、プレイヤーはガックリと肩を落とす。こういうマニアックな事を書くのはよくないのだが、おおよそみんなスクロールバーを高速で移動させてこんな文章を読んでるとは思えないので、いいかな、なんて気もする。


必殺技は、シケイ。ブレナンとこまわりくんを知らないと判らない置いてけぼりぶり。

 

■どこでもポカポカ シュラフマン参上


ダウンのシュラフですっぽり覆われた温かいマンである。耐寒温度は、-3度が目安。

 シュラフをずっぽりかぶる事で変身が完了するマンである。どう見てもヒーローには見えないが、これはこれでヒーローの資質を備えている。これでも戦えるのだ。それが証拠に、結構良い動きをする。下のアニメGIFを見ていたければ判ってもらえるだろうか?


まだまだ作戦の初期段階。まずは相手を油断させるのだ。

本領はシュラフを半分脱いだところから始まる。


歌舞伎の頭をぐるんぐるんするアレを思い浮かべると良い。アレはシュラフマンの真似だ。

音を付けるなら、「ぱおーん!」であろうか?これで大抵の敵は逃げ出す。失禁モノだ。

 

 

■ニヤリな口元が素敵 アマゾンマン参上


みんな大好き、アマゾンである。アマゾンマンって、名前だけ聞いたらホントにいそうなヒーローですな。

 どうした事だ?アマゾンの箱をかぶっただけ、それだけで僕がイケメンアマゾンマンになってしまった。やはり、物をかぶる事による変身効果は凄い。というか、素顔を出さないだけでこんなに自分が格好良くなれるなんて!なんて素敵なソリューションなんだろう。っていうか、自虐が過ぎるとくどいですかね。

 

■のぞく口元がセクスィー パンツマン参上


トランクスをかぶったら、やはりマンに。女性物だと犯罪者だが、トランクスならヒーローになれる。

 トランクスといえば、ドラゴンボールでは人気のキャラクターだ。高校の友達なんて、漫画のキャラクターだってのに「キャー!トランクスー!」なんて黄色い歓声をあげていた。ああ、どうしてオレ、2次元の人間じゃないんだろう、そう思った青春もありました。

そんなトランクスの格好良さに5%でもあやかろうとトランクスをかぶってみた。そしたら、パンツマンに変身出来た。わぁお、どう見ても変質者。

 

■ミイラじゃないよ、マンですよ トイペーマン参上


トイレットペーパー、略してトイペー。

 クラーク・ケントは電話ボックスに入ると一瞬でスーパーマンになれる。マンというは短時間で変身出来なければならないが、このトイペーマンの変身時間もまた相当に短い。そういった意味で、トイペーパンは立派にマンの条件を備えている。やや猫背なのは、直立すると目の穴の都合で、前が見えないからである。

 

■銀色に輝いて一見宇宙人 保温マン参上


冷たい物は冷たいままに、熱い物は熱いままに、それが保温マンの役割。

 銀色のきらびやかな感じはハイテクの象徴。だから宇宙人は銀色の服を着ている訳であり、保温マンも同じである。その表面を覆うアルミの皮膜は赤外線の99%を反射するので高い保温性能を持っており、中は大変に熱くて蒸れて不快。今が涼しい秋でよかったと心底思った。真夏に撮影してたら死ぬ。パチンコ屋の駐車場の事件みたく。

 

■割りと普通に見えますね バスケットマン参上


なんだろうな、なんでこいつはこんなに楽しそうにポーズを取ってるんだろうな。

 もはや大分普通に見えるだろう。価値観とはつまり相対的なものであるので、ここまで読むと大体こんなバスケットマンなんてのは普通に見えるのだ。大体、バスケットマンって名前も普通だ。バスケが得意な人だ。いや、僕はバスケなんて微塵も出来ない。この世で最も苦手なスポーツの一つだ。過去、何度かやったバスケの試合を思い出すたびに死にたくなる。

書くのも大分ツライが、諦めたらそこでゲームセットなので、この記事を書き終わるまでもう少し頑張る。

 

■スケスケで正体バレバレ プチプチマン参上


中からはほとんど外が見えない。外からこれほどハッキリ顔が見えてたとは。マジか。

 プチプチは緩衝材なので、大体釘バットくらいなら殴られても平気に違いない。そういう高い防御力を持つのがこのプチプチマンである。物理的な攻撃にはめっぽう強いはずだが、漏れ聞こえる「わぁ、変な顔ー」という子供の囁き声は防ぐ事が出来ない。子供達は、大人だって傷つくという事をもっと知った方が良いと思う。

 

■スウェーデンか? ロボコップウーマン参上


時としてナオミさんは僕の想像をホップステップジャンプ。

「ちょっと、撮って。」

そう言って撮影担当のナオミさんがカメラを僕に渡した。手に銀マット、胴体に段ボール、頭に電子ジャーのお釜。

「ロボコップ?」

「うん。」

 特に撮影してない間もロボコップっぽい動きで左右に振れていた。動きだけでなく、気も振れてないかやや心配になったが、そんな心配を出来るほど自分が偉くない事も知っている。ここまで読んできた読者のみんなも知っているに違いない。

「一番気が触れてるのはお前だ!!」

と。


なにが彼女を駆り立てるのか。

 

 

■明らかに負のオーラビンビン コールマンマン参上


シルエットから言うと、寄生獣に寄生された人。実際は変なオジサン。

 黒いザック、広がるベルトがなんとも禍々しい。ザックのファスナーがちょっとした口にも見え、不気味さを更に増している。どう見ても正義のマンなどではなく、あからさまに怪人の類だ。ここまで書きながら薄々気付いていたのだが、どうも僕は正義のマンではなく、怪人になっていたように思う。記事の先頭に戻って、「マン」の部分を全部「怪人」に読み替えてみたら良いと思う。

「ああ、ホントだ」って思うに違いない。

どっちかというと怪人だった

 写真を撮っている時、写真を編集している時、文章を書いている時、それらの時には「物をかぶれば、ヒーローとしてのマンになれる」と本気で信じていた。でも、この記事を書き上げて改めて読んでみると、これがどう見ても怪人であった。困ったほどに怪人だった。

どうしたって悪役のビジュアルである。

 どうやら、格好良いヒーローになるためにはビジュアル的に強くて正しくて優しそうに見えるビジュアルでなくてはならないのらしい。タイトルに偽りありだ。でも許して欲しい。

正義のヒーローには簡単にはなれない。それが判っただけでも収穫という事にしたい。じゃないと、困る。オレが。
まとめてアド街風のアニメGIFにしたよ。あのBGMを脳内再生してください。


 
 
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