ルーズソックスはどうか
さて、次に用意したのはこのルーズソックスだ。
構造的には先ほど試したソックス+レッグウォーマーと大差ないように思える。が、一昔前の女子高生が履いていたというイメージが心理的な効果をもたらすと考えられはしないだろうか。
あんまりしない気もするが、とりあえず試す。
足首だけぼってりしてる
ルーズソックスを履いている人を見ると、暖かそうだなあと思っていたのだが、実際はいてみるとそうでもない。足首は多少頼もしい感じはするが、肝心の足先はただのソックスと変わりない。
むしろまっ白いソックスが恥ずかしい気もする
お湯につけて10分後の温度は、さきほどからと変わりなく、21度から22度くらい。ここでもまた僕の冷え性の頑固さが証明されてしまった形になったようだ。あーあ。
そんなことをしている間に、日が暮れかけてきた。寒さも一層増してくる。
日暮れかな
ヒートテックの力
最近ユニクロがヒートテックと呼ばれる製品群を発売していて、なんだかいいらしいというのをよく聞いていた。
ヒートテックというのは、水蒸気を吸収して熱に変換する、冷え性の人にとっては魔法のような素材を使っているらしく、それがすこぶるイケてるというのだ。
というわけで調達してきた。
期待のヒートテックソックス
履いてみると、しっとりとした肌触りで頼もしい気はする。発熱するらしいのだが、いったいどんな感じなのだろうか。ユニクロは一体どんな魔法を売り出しているのか。
わくわくしながら10分待ち、温度を測定。
21度。あれ、変化なし。
21度と期待はずれ
何もしていない左足の温度が16度(さっきより1度か2度下がっている)ということを鑑みると、健闘しているようにも思えるが、これといって発熱している様子はなかった。
それほどまでに僕の冷え性はすさまじいのだろうか。
帰宅して改めてユニクロのサイトでヒートテックについて調べると、水蒸気を吸収して熱を作り出す機能の説明箇所に「ソックスは除く」と書かれていた。
つまり、ほぼただの靴下だったわけだ。いや、でもすごくいい靴下だと思う。しっとりしてるし。
冷え性自慢大会
今回の企画において本命と思われたヒートテックソックスがそれほど振るわない結果に終わった今、残された手段はもうあまりない。
藁にもすがる思いで唐辛子をソックスの中に放り込んでみる。
実際やる人間はどれくらいいるのだろうか?
案の定というか、これまでの結果と変わらず21度になった。
まるで僕の足先はホメオスタシスという言葉を知らないかのような非生物的温度低下を見せた。
なんと画面が光るのだ
悔しさと切なさと心強さとで、最後に貼るカイロを試してみた。これまで通り、足をお湯で温めてからカイロを貼って10分待つというのは変わりない。貼るカイロはあらかじめ温めてあるが、それほど期待してはいない。
そして貼るカイロ
正直な話、冬の寒い季節を通して一番ひどい時は、貼るカイロが冷たくなった時もあるくらいの冷え性なので、期待はしていない。もう逆に自慢してみたくなってきたくらいだ。
…結果は21度。日も暮れて1時間以上経つので、カイロがまるで役に立ってないとは思わないが、それにしても僕の冷え性はすさまじい。
21。 退屈な数字だと思う。
最後は内側から攻める
外側からどうやってもほとんど意味がないことがわかった。
これまでソックスを重ねたり、カイロを貼ってみたりしてどうにかしようとしていた僕ような人が、今後そうした呪術的行為から解放されることを願う。
一方で体の内側の血行をよくすることで、足の冷えから解放されるという別の(そして、まっとうな)方法も残されている。最後にそれを試してみたい。
たぬきそばの残り汁のようなビジュアルになった
紅茶にしょうがを入れたものを飲むと体が温まると聞いたので飲んでみることにした。初めて試したのだが、苦手だった。砂糖をたくさん入れれば飲めたかもしれない。
と同時に足先に血を通わせるために、ちょっとそのあたりを走ってみる。
血液よ、足を駆け抜けろ!
今までじっとしていたのに、急に運動しだしたものだから(それもショウガ入りの紅茶を飲んで)、すこし気持ち悪くなった。
足の方はというと、今まで死んだみたいになっていたつま先が多少感覚を取り戻した気がする。
今まで温めてなかった左足が20度!
温度を計ってみると右足は21度、先ほどまで放置し続けていた左足の温度も20度になっていた。左足は一度もお湯につけてないのに、走ったことによって5度くらい上がっている。
これは冷えの解消に成功と言えるのではないだろうか。冷え性の方は、もし可能な環境があるのならば走りまわるのがよさそうだ。
足湯に浸かり続けろ、あるいは、走り続けろ
考えてみると、走って足が温まった状態というのは、足をお湯につけて温まった状態とそんなに違いがないはずだ。つまり、じっとしたまましばらくするとまた冷えてしまう。
冬場、冷え性の人が苦しみから逃れるためには、足湯に浸かり続けるか走り続けるかしないといけないということになる。分かりやすい言葉で表現すると「諦めろ」ということである。
そんな絶望的な結論を添えて今回の検証を終えようと思う。