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ひらめきの月曜日
 
「背脂チャッチャ系」を日常に


なんと背脂は100gで20円。安い!

「背脂チャッチャ系」をご存知だろうか。

私はてっきり、一般に広く浸透した言葉だと思っていたのだが、先日当サイトの企画会議で話題にしたところ、複数人から「一体なんのことですか?」と聞き返されてしまった。そしていま、猛烈に不安になっている。

こんな大衆性のない言葉を、タイトルに使ってしまって大丈夫なんだろうかと。

ラーメン好きにとっては「ああ、あれね」とツーでカーな話の展開になるところだが、そうでない方のために簡単にご説明させていただくと、つまり「背脂チャッチャ系」とは数多あるラーメンの系統の一つなわけで、要は「豚の背脂が大量に乗ったラーメン」のことです。

高瀬 克子



実物を見てもらいましょう

いや、説明が簡単すぎた。チャッチャ系の説明がちゃんと出来てない。

「スープにコクを出すために煮込んだ豚の背脂をスープに入れること。丼の上から網で背脂をチャッチャッと漉しながら振りかける動作から使われるようになった」

という説明でご理解いただけただろうか。

実際にチャッチャとやってる動作が見たくてチャッチャ系のラーメン屋に行ってみたのだが、残念ながらここは背脂を上から振りかける店じゃなかった。(あらかじめスープの中に入れるタイプだった模様)


ラーメンを作る一連の流れは、見ていて飽きませんね。
ラーメンの名前が「ゆき」なのは、雪のように背脂が白く浮いているから、だそうです。
これがその「ゆきラーメン」
なんてロマンチックなネーミングなんでしょう。

なるほど豚の背脂が雪のように白く表面を覆っている。なんといい眺めなんだろう。このまま雪原にダイブしたくなるところをなんとかこらえ、レンゲで雪(背脂)の浮いたスープをすくって飲む。

…う、うまい。脂の甘みがとても自然で、フワーンと鼻から抜けていくようだ。ちっともくどくない。


あっというまに食べ終えた。

で、今回はこの「背脂チャッチャ系」を日常に取り入れてみようと、そういうことです。えー、このまま先に進んでも大丈夫ですか? 進みますよ?

背脂を煮る作業から

まずは肝心の背脂を手に入れなくては話の進めようがない。こういうときに頼りになるのはやっぱり「肉のハナマサ」だ。


「プロの店」だからしょうがないんですが、
この量だけはどうにかならないもんか。

レジの人に「袋を二重にしておきましょうか?」と言われたほどに重い。なんたって2,562グラムもある。グラムで書くとピンと来ないが、つまりは約2.5キロだ。

「これはいい筋力トレーニングになあるなぁ」と思いながら、腕にぶら下げて帰ってきた。


自分の家に豚の背脂が2.5キロ!
それが512円! なんか知らんが「ワーッ!」となった。
一晩放置したら解凍されたので、
それを水で煮てみます。

目指すのは、ラーメンに浮いてたような細かな背脂だ。このベローンと長い物体を、どれくらい煮続ければアレになるのか見当もつかないが、とりあえず最初の一歩を踏み出すことにしよう。

軌道修正は、それからでも遅くはないだろう。


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