珍しく、あっけなくできた
穴を開けて針金を通す、そこだけが力作業だった。他は部品と部品とつなぐだけで簡単にできた。できました。できましたけど、さて?
あまりのあっけなさに呆然として、ついついお茶の時間にするところだった。が、既存の照明との付け替え作業が待っているんじゃあ、照明の上にたまったホコリが、せっかくのお茶に入るってもんだ。
というわけでさっそく付け替え。ここは男の人にやってもらいましょう。
作品01―「人を不安にさせるペンダントライト:タライト」
スイッチを入れた。タライトは、我らの不安をかき消すかのように、まばゆく光った。
くつろぎの和室にも、この不安感をいかがでしょうか。
明けて翌朝。郊外の田園風景に朝日がまぶしい。さわやか極まりない空気の中、タライトの下で朝ごはんを食べてみる。
やっぱり落ちて来んじゃねえか。いや、気にしなければいい、バラエティ番組の収録じゃないんだから。・・・でもなんだか視界の上のほうに、いつも何かがあるんだよな、いかにも落ちてきそうな態のものが・・・。
天然酵母パンも、自家製野菜スープも、いまいち喉の通りの悪い朝であった。
「私も何かプロダクトデザインを」と志したのはいいが、できましたものはこんな感じだ。というか初めから「人のためのデザイン」ではないのだった。デザイン・フォー・ヒューマンはどこか山のかなた。
しかしこれはこれとして、日々の心臓の鍛錬や、危機管理への自覚をうながすツールとして活用されたい。
◆話はかわりまして、自著「妄想工作」が発売中です。平たく置いてある書店が増えたようで、ありがたいことです。よろしくお願いいたします。
◆そしてイベントやります。
12月21日(日)18:30〜 乙幡啓子の“妄想工作ナイト”
来てねぇん。