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ひらめきの月曜日
 
じゃがいもはさつまいもになるか
じゃがいもでさつまいもを作る!

子どものころ、私は芋というものは じゃがいも しかないと思っていた。

大好きなさつまいもは“じゃがいもを甘くした料理”だと思っていたのだ。さつまいもというのは、芋の名前ではなく料理の名前だと解釈していたのである。

むしろ難しく考えていたものだ。はて、しかし、じゃがいもを甘くしたらどうなるんだろう。もしかしてもしかすると、さつまいもっぽくなったりしちゃうんじゃないか。

やってみました。追加企画として じゃがいもVSさつまいもの綱引きも収録、芋づくしの1本となりました。

(text by 古賀及子

焼き芋会のときに知った芋の種類の多さ

まず言い訳をしたいのだが、上記で回想した子どもの頃の芋に対する誤解は、子どもといっても相当子ども、幼稚園に入るか入らないかくらいのことだと思う。

みんなで近くの公園で落ち葉の掃除のあとに焼き芋をやったときだ。「じゃがいもとさつまいも、どっちがいい?」と聞かれて、「え? どういう意味?」と思ったのだ。

間髪入れず、周りの子どもたちが「さつまいも! さつまいも!」と言ったので私も合わせて「さつまいも!」と言い、そのときに芋に種類があるということを知ったのだった。

ものすごくヒヤッとした。危なく私の無知がばれるところであったと。その「ヒヤッと」のインパクトの強さのおかげででこの事件を覚えていたのだと思う。これ、おそらく私の一番古い記憶なのだ。


さつまいも化させるじゃがいもは男爵を用意しましたよ

じゃがいもはトマトでさつまいもは朝顔

では早速、子供のころの「さつまいも」、じゃがいもに砂糖を入れて甘くしたものを作ってみようと思う。

とはいえ、そもそもじゃがいもとさつまいもは同じ芋だが植物としての源流はかなり違う。じゃがいもはナス科(ということは、トマトも仲間!)で実態は“茎”であり、さつまいもはヒルガオ科(朝顔と仲間!)で実態は“根”なのだ。

単純にじゃがいもに砂糖を入れてもさつまいもにはならないことは十分承知の上で、でもさつまいもっぽい物を作るとしたら、さて、どれぐらいの分量の砂糖を入れればいいだろう。


とりあえずじゃがいもをふかして準備。我が家では皮付きのままラップで柔らかくなるまでチンしてます 皮がラップの役割をするので、これだけで十分ほくほくになりますぞ

じゃがいもとさつまいもの甘みの量を比べて足りない分を砂糖で補えばよいと思うのだが、食品成分表を見ても単純な「甘味」の量というのは出ていない。

あーもー! と勢いに任せ、100gのじゃがいもに20g砂糖(きび砂糖を使いました)を投入してみた。子どもの頃から一貫して私は行き当たりばったりでせっかちなのだ。


えいやー!

すりつぶすようによく混ぜて、試食。

あ。これは。


どこかで見たことあるぞ、これ

白あんだ

とっても甘かった。ああ、これ白あんだ、と思った。

じゃがいもの味が遠く薄れ、そこにあるのは あんこ だった。味的には美味しい。調べると世の中には“じゃがいもあん”というものがあるらしい。

子どもの頃の私の考えるさつまいもはじゃがいもあん であった、ということが分かった。

が、このじゃがいもあんについてネットで調べるうちに衝撃の事実が発覚した。なんと、さつまいもが手に入りにくいヨーロッパに住む日本人の方がさつまいも味を楽しむため、このじゃがいもあんを作っている情報を発見したのだ。

と、いうことは、だ。もしや子供のころ私はヨーロッパに住んでいたのではあるまいか。神奈川県相模原市ではなく、どっか、パリとかウィーンとかだったんじゃないか!


心象風景「出生の混乱」

情報、さらに集まる

慌ててロンドンに居住経験のある友人にも確認したところ、確かにさつまいもはほとんど見かけなかったそうだ。だからといって、さつまいも食べたさにじゃがいもに砂糖を入れたことはなかったそうだが、偶然にも「あんこ」を作るためにじゃがいもに砂糖を入れたことがあったらしい。

「それが、なんとなくさつまいもの味がしたような……気がする……かも」確かに友人はそう言った。言わせたのではない。言った。

いよいよ私はヨーロッパ出身らしい。相模原から無理やり自転車で町田の東急ハンズへ行ったのは補正された記憶だったのだ。


友人によると、じゃがいもは100gに対してだいたい砂糖10gくらいを入れ、とにかくよくつぶし(漉した方がよりよい)、 ほんの少し塩を加えて火にかけて水分を飛ばす、のがレシピだそうで

苦戦の末、できたさつまいも

友人のレシピを元に再度作ってみた。最初は塩を入れすぎてしまい、何ができたかというと“あまいポテトチップス味のポテトサラダ”ができた。

何度か作り直し、最終的にイモのほくほく感を残しつつ、じゃがいも特有の野菜の味を甘みで押さえるというところまでたどり着くことができたのだった!


こちらはポテチ味になってしまったじゃがいも そしてこれが最終型。写真載せる必要あったのか

見た目でさつまいもっぽくしよう

それでも、さすがに「え、これさつまいもでしょ?」というところまでは、残念ながら到達しなかった。

やはり私は間違いなく相模原育ちだった。小学校の登校時に立体交差の歩道に落ちていた茶色い液体が入ったビニール袋は確かに間違いなく自分で目撃したものだった。

ヨーロッパ育ちの疑惑は消えたが、ここまできたのだからもうひとふんばりしたい。そうだ、できあがったこの甘いじゃがいもに、さつまいもの赤い皮をつけよう。


先ほどの最終型をさつまいも風の形にして まわりを赤くした小麦粉の生地でおおう

オーブンで15分ほど焼いた。ふわーんと、粉とバターのにおいがして、自分は何をやっているんだっけという気にもなったが、さて焼き上がりはどうでしょう。


  さつまいもになりました >
 


 
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