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フェティッシュの火曜日
 
「フムトアンデール(まんじゅう)」を再現したい


これは本物のまんじゅう。踏んじゃあ、いけないよ。

気づいたらもう年の瀬である。やるべきこともやらないうちに今年が終わり、しかも毎週のように記事の締め切りは訪れる。ネタのストックも冬木立のように枯れた。

いや焦ってもしょうがないのだ。こういうときこそ、お茶でも淹れて一休みしよう。お茶にはお菓子がつきもの。コンビニで大福を買ってきた。

甘いものが口に入る。かわりに頭はからっぽになる。もぐもぐもぐ・・・大福・・・あんこ・・・まんじゅう・・・そういえばまんじゅうのことを「フムトアンデール」って言ったな。あれはなんだったか・・・そうだ小学校のとき「英語でまんじゅうって何て言う?」ってなぞなぞがあって、答えは「フムトアンデール」だったな。

踏むと、餡出る。フムト、アンデル。いや、まんじゅうは踏んじゃいけません。ならば踏んでもいいまんじゅうを作ろうではないか。

この忙しい年末に、4ページでお送りします。

乙幡 啓子



型取り無間地獄

いったい何がしたいのかというと、「踏むと皮から餡が飛び出す」まんじゅうを作りたいのだ。
でも食べ物を踏むとバチがあたるので、本物そっくりでなおかつそういう仕組みのものを作りたい。言葉では伝わりにくいと思うので、下のイメージ図をご覧下さい。



図にしてもよくわからなかったかもしれない。 しかし思い立ったらやるしかないのです。「すぐやる課」なのです。

といっても何からどう始めたらいいのか。こういうときは大上段に考えず、できるところから始めればいいのではないか。ミクロからマクロへ。ミクロ、つまりこの場合は「餡の中のあずき」作りから始めよう。シリコンで。


最初の型作りに、申し訳ないが8粒本物を使います。 容器の底に接着剤で留めたら、シリコンを流し込む。スキマのできないように!
一晩ほどで型を取り出す。この空いた4部屋のインテリアはあずきスタイルとなっております。 ホビーキャストというウレタン樹脂を注ぎ込む。赤と黒の顔料で、あずき色に染めて・・・。

ぶははは!あずき!あずき!(と実際に大笑い)

よく考えたら、まんじゅうは量産するわけではなく一回こっきりの制作なので、本物のあずき使ってもよかったんじゃないか。こんな型取らなくても。まあいい。

次は1段階外側の世界へ、つまり「餡」である。先ほどのあずきを入れてやるのだ。しかし「あんこ」自体を型取りするのは大変なので、油粘土で最初の型を作る。


想像上の餡は、これくらいの大きさかな・・・うふふ・・・などと考えながら丸める。 型取り用の、レゴみたいなブロックで型を覆う。
ここに、やはりシリコンを流し込んで一晩待つ! お楽しみ、ブロック外し。どのくらい楽しいかわかるまい。

シリコンというのは、固まると気持ちいいくらい型からペロンと外れる。この場合も、できた「バリ」をあとからはがしたりして十分楽しんだ。バリ島も楽しめるけど、バリもいいよね。

次はこの「メス型」に、「餡」の素材を流し込むのだ、「あずき」とともに。
最近、型を取ってばかりいる気がする。


このヒラヒラが「バリ」だ。ミノカサゴみたいですね。

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