仏像はまず拝む、それから眺める。これが僕なりの鑑賞法だ。拝む内容はなんでもいいと思う。僕はたいてい最後に「すみませんが写真撮らせてください」と付け加えておく。なんの信仰心もないのだが、やはり人も仏像も勝手に撮られると気分悪いと思うので。
しかし磨崖仏を眺めてうっとりしていると気づくことがある。小さな穴がいくつもあいているのだ。
・・・
ふとさっき見てきた垂直の岩壁を思い出す。確かあそこにはハーケンの跡が無数に残されていた・・
そう、この磨崖仏も、登山されたのだ。
磨崖仏は仏像である前に岩山である、ということなのだろうか。それにしてもさすがにやりすぎではないか。僕も小学生の頃だったら登っていたかもしれないが、さすがに今それをやる勢いはない。
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