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フェティッシュの火曜日
 
範囲図の境界を攻める

世界遺産、白神山地の境界を攻める

最後は少し規模を大きくして、世界遺産である白神山地の境界を見に行ってみようと思う。

近年、世界遺産という言葉が文化財・自然の保護という本来の目的とは少々離れた、ブランドイメージとして使われるようになっており、安易に世界遺産という言葉を使うのには若干抵抗があったりする。

しかし、範囲図という点では世界遺産の範囲設定はなかなかぐっとくるものがあるので、あえて今回取り上げてみることにした。目指すは東北、白神山地。


白神山地の世界遺産範囲図。緑が核心地域、黄緑が緩衝地域

白神山地と呼ばれる場所は相当な広範囲に渡るが、実は世界遺産に登録されているエリアはそのうちのごく一部分。白神山地の観光地として有名な十二湖は登録エリア外であるし、暗門の滝も世界遺産の登録エリア(核心地域)ではなくその周囲に設けられる緩衝地域の中だったりする。

それもそのはず、白神山地の世界遺産登録エリアは原則立入禁止なのだ。核心地域へ入るには、何らかの理由をもって許可を得なければならない。

しかし核心地域へ入れずとも、そのすぐ側までは行くことはできる。代表的なのが白神岳だ。白神岳は世界遺産登録エリアとそうでないエリアの境界に頂上がある山。なかなか大変な登山ではあるが、頂上まで登れば核心地域を眺めることができる。


ってなワケで白神岳登山道にやって来ました
登山道をひたすら登って 白神岳山頂を目指します

白神岳は標高1235メートル。ただし駅は海の側にあるため、車を持たない私は海抜0mから登ることとなる。登山道は白神山地の特徴であるブナなどが茂りなかなか気持ちが良いのだが、結構険しく非常に疲れた。

何はともあれひたすら登り続けること4時間強。ようやく白神山地の世界遺産登録エリアへ境界へとたどり着いた。


白神岳山頂付近に到着。ここが範囲の境(マウスオーバーで境界表示)

この尾根が境界となっている。ここから東側が世界遺産。西側は非世界遺産。さぁ、その違いはなんじゃらほい。


こちらは世界遺産 こちらは非世界遺産
世界遺産 非世界遺産

なるほど。違いは、山が見えるか海が見えるかか。……なんだそりゃ。

マジメに言えば、手付かずの原始林か、人の手が入っている森なのかがその違いなんだろうけれど、この絶景を前にしたら何かもう、そんなことはどうでも良くなってきた。

とりあえず今は、白神岳を登頂できたということだけを喜ぼう。いやぁ、登山って本当にいいものですね〜

範囲図片手にどこまでも

最後は登山の楽しさに目覚め、よ良く分からない感じで終わったが、範囲図を持ってうろうろすることの楽しさ、少しでも分かっていただけただろうか。

もし「あ、なんか楽しそう」と思っていただけたのなら幸いだ。「何やっているのか分からない」と思った方は、範囲図を手に取って、じっと見つめてみると良いかもしれない。ある時突然、範囲図から何かが浮かび上がってくるだろう。立体視みたいに。それが目覚めだ。

スミマセン、最後テキトウなこと言いました。

ただ単に、地図と旅行が好きなだけ?いやいやそんな事は

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