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ちしきの金曜日
 
2008年のロボットはこんな感じ

この毛の生えたホースが命を救う

個人的に一番カッケー!と思ったのが、東北大学・国際レスキューシステム研究機構の「能動スコープカメラ」。災害時、人間が入れないところを調査するために作られたこのカメラ。見た目のとおり長いホース状だけに、倒壊した家屋の隙間にスルスル入れて使う、というのは何となく分かると思います。


担当の方が持ってるのがスコープカメラ。
見た感じは毛の生えたホース。

でも、そんな隙間に入れるっていったって長いの送り込むの大変じゃん?普通のホースだってコントロール大変というのに‥と思ったら、なんとこの「能動スコープカメラ」は自分で前に進むんですよ。毛がわさわさわさ〜っと震動することで。ミミズみたいな感じでしょうか。


「毛で歩く」という発想はなかなかないよね。


ちょっと段差のあるところをお願いしたので動きがちょっとトロトロですが‥手元で左右にカーブを切れるので、手元のモニタを見ながら運転することが可能。少しの隙間さえあれば倒壊した家の奥にいる生存者も見つけることができるんです。

二足歩行も格好良いけど、この「這いずって移動」というのがホラー映画チックで格好いい。自分が家屋に閉じこめられてしまった時に隙間からコイツが現れたらちょっと怖い気もするけど救世主だから!「触手ちゃん」「ミミズさん」とかの愛称でガンガン世界の被災地を救っていただきたい。


隙間を縫ってキミの街まで!災害ないにこしたことないけど。

その他展示物で気になったのが独立行政法人機構・食品産業技術総合研究機構 中央農業総合研究センターの「食の安心・安全に貢献する田植えロボット」。通常の田植え機にGPSなどハイテク機器を搭載し、事前に水田の形状を測定してノンストップで田植え作業を行うロボットです。さすがに会場に水田を作るわけにはいかず展示だけでしたが。


田植えひとりでできるもん!なすごいやつ。

会場を一周してみて、あらためてテレビや漫画に出てくるような「ロボット」はまだまだ先な気がするけど、ああいう汎用型でない専用型の「お助けマシン」みたいなスタンスで考えるとかなり近いところにいるのがよく分かる。

しかも「ロボット」といってもロボットな形してないのも多いし。このまま気づいたら生活に入り込んだりしてるんだろうな、あの毛の生えたホースみたいなのとか。あらためて未来ってぇのは劇的ではなくゆるやかにやってくるんだなぁ、と思いますな。

堅いのから柔らかめ多種多様なロボットたち

ゆるやか過ぎて気づかない未来にいるのかも

この「今年のロボット」大賞、2008年で3回目なんですが30周年とかどうなってるんでしょうねぇ。CD→DVD→ブルーレイみたいな進化なのか、車みたいに基本は意外と変わらないのか。いろいろ本来以外の機能が付きすぎてるケータイみたいに「笑い屋のオバチャンの笑い声付き本めくり機」とか「マイナスイオンとかオーラソーマとかいろいろ発生する小型ロボット」とか変化していくのも面白そうですな。


協力:「今年のロボット」大賞

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