やりなおした
そう、靴を氷でかためるのをやめ、シンプルに氷の上に立つという方法にしたのだ。おかげで「スケートリンクを履いてる感」が、ぐっとアップしたのではないかとおもう。 浮いてると勘違いして腰を抜かしつつ2ページ目へきてくれたかたにはお詫びしなくてはならない。
足をとめるバンドの位置・深さなどをシミュレート
マジックテープを埋め込んだ状態で凍らせて、そのバンドで足を固定して氷を履くという算段。 この作戦のよいところは長靴がないので冷凍庫にしまえるということだ。長靴のときは、「天然のリンクに近づけるためどうのこうの」と、外にだして凍らせようとしたわけだが、言ってしまえば長靴が大きくて冷凍庫に入れられなかったのである。 今度はなにしろマイナス18℃の世界。あますところなくカチンコチンだろう。
ほらね
とびだせ俺のプライベートリンク
これ以上もう待てない。はやくしないとシーズンが終わっちゃうよ! やっと手にしたマイシューズに、やや興奮気味だ。
ぬるま湯をはったタライにつけてパキパキいわす
よし! うまくとりだせたぞ。 ただ氷むきだしで運ぶのは難儀なので、とりだせることを確認したうえで再びバケツに戻して持ち運ぶことに。
さあ、いよいよスケート遊びの時間だ。
氷を履くまでもなく滑りそうではあるが
真夜中のアイスダンス
夜である。深夜である。ずいぶんと冷え込みが厳しい。だが、それでこそ初滑りに相応しい。街灯があってそれなりに明るい場所をみつけたら、あとはフリースタイルだ。
バケツに戻したら速攻で凍りついてたので タライまで持ちだすはめに
足をしっかり固定することがウインタースポーツでは大切だ
氷の上に立つのはかなり怖い
やや正月太りか
多くの困難を越え完成した氷の靴。それを履いて起きあがった瞬間、ぼくは自分がひと回り成長したように感じた。それはつまり、ちょっと背が高くなったように感じたということだ。
シークレットブーツが、いま次世代へ
簡単ではなかったぶん重みがちがう。ていうか、相当重い。
さあ、おもう存分滑ろう。この靴さえあれば、地球すべてがぼくのスケートリンクなんだから。
最後に「はっ」って言ってた
割れるだなんて、このときまったく考えていなかった。「ここで撮影を終えたら次はあそこに移動してもうひと滑り……」なんてプランも立てていたのだ。滑ってるポーズとか、まだなんにも撮っていないのに、だ。 左足の氷が砕け散った瞬間、頭が真っ白になった。
この後どうしたらいいかわからず、しばらく身動きがとれない
別の角度からもどうぞ
同行してもらったカメラマンに、「今夜は長い撮影になるぞ」と断っておいたのが、ものの15分で終了である。はずかしい。
悔やんでも悔やみきれない
寒さにそなえてズボン2枚履いてきたのに
もうどうすることもできないのか。諦めきれないぼく。だがここで、起死回生の新スポーツをおもいついた。『どこでもカーリング』だ!
諦めた。
氷を履くのは難しい。なにごともやってみなければわからないものだ。 そして履けたとしても重くて滑るどころではない。これもまた実践して「なるほど」とおもった。 はじめ、本当はいきなり坂に挑むつもりでいた。坂道を氷を履いて滑り降りてきたら面白いなとおもったのだ。 だが、やめてよかった。動画でのバランスの崩しかたをみるに、まちがいなく後頭部をいっちゃってただろう。
お土産か