骨のチラ見せはどうか
関係のないところからいきなり骨がヌウッと顔を出していたら、それは果たして歓迎すべき事態なんだろうか。
それを知りたくて試してみた。
…なんだろう、このダメさ加減は。「おいしそう」とか「おいしくなさそう」以前に、なぜか「事件性」という言葉が連想される始末である。ダメだダメだ、私が目指したのはこういうことじゃない。
じゃあこれが魚の骨ならどうだろう。少なくとも事件の匂いはしないはずだが…。
これで喜ぶのは猫くらいだろう。味噌汁でもかけたなら、ひと昔前の「ねこまんま」そのものではないか。
内包しよう
やはり使うのは肉の骨がいいようだ。そしてあまりに突飛な使い方は、心臓に悪いことも分かった。となると、ここは穏便に「何かを包む」という方法が最も効果的であろう。
これなら骨が見えてもギャッと驚かなくて済むし、なにより手軽でいい。
「なんだ、つくねかよ」と思った皆さん、がっかりさせて申し訳ない。でも竹の串じゃなく、骨に巻き付けてあるつくねなんて見たことありますか。私は初めて見ましたが、これはなかなかいいですよ。コロンとしてて、なにやら可愛らしいのもいい。
まるで「和風の骨付きソーセージ」といった風情は、アリかナシかで言えば、完全にアリだろう。
これで方向性が見えた。串の代わりに骨を使えば、ギョッとするあまり「警察に電話しなきゃ!」な心境になることもなく、ちょっとした日常からの逸脱だけが味わえるのだ。
さらにここに「食欲の増進」が加わりそうなのだから、やってみない手はない。次は豚のロース肉だ。
これも焼き鳥屋にありそうな串になってしまったが、骨に巻いた肉のなんとおいしそうなことよ!
骨が顔を出すだけで、これほど興奮度の針がグググと動くとは。目論見通りとは言え、さすがに嬉しい。
さらに調子に乗ろう。
こんなに「かわいい!」だの「似合う!」だの言われ続けて、骨もさぞかし困惑しているだろう。
「そもそも竹串に刺す方がおかしいんだよ。肉とはもともと仲間だったんだから、似合うのは当たり前だろう」といったところか。
言われてみれば、確かに骨の言い分はもっともだ。単に相手が肉だから「おいしそう」と思ってしまうのかもしれない。ならば、肉以外ではどうだろう。