●後ろの人お願いしまーす
パートナーも決まったところで、さっそくリハーサルにとりかかろう。
あ、出番ですか?
怖い。ぼくのパートナーなんか怖い。 夜中トイレに起きたときにみたら、チビってしまうのではないだろうか。
はい、じゃあいきますよ
転ばないようにね
こらバカ、よしかかるんじゃないよ
もう1回右足からね
稽古にもおもわず力が入る。だいたいの感覚はお互いにつかめてきた。いよいよ本番だ。
ややぐったりしたパートナーを抱えて
●お披露目
それではたいへん僭越ではありますが。 観賞のコツはただひとつ。 「そういうつもりでみる」 です。
テイク15である。
テイク8のあたり
●要はしゃべればいいんじゃないか
見た目の恰好ばかり気にしていたが、二人羽織にみせるためには、しゃべるということが不可欠だとはずっと考えていた。そうしてさんざんやってみて、もうこれは、べつに見た目とか関係なく、ただしゃべっていれば二人羽織にみえるんじゃないかという気さえしてきた。
あ、ダメだ。
体育館は広くて寒い。その広くて寒い体育館の中に、「はーい、じゃあ今日はね、バスケットボールをね、やりましょうねえ」という自分の小芝居が響きわたったときには、おもわず凍死するかとおもった。 ただ手応えはあったので、次のR-1グランプリには間に合うとおもう。
模索中