不思議な雰囲気を満喫し、そろそろ帰ろうと車に向かって歩き出したところ、向こうから手に何か金色の物を持った中年男性がやって来た。近くまで来たところで軽く挨拶を交わしつつ、手に持ってる物について尋ねてみると、
「少し色が剥げていたので家で色を塗って来たところなんです。」
と言って飾りらしきものを見せてくれた。
神社の飾りをメンテナンスしてるからには、そういう仕事の人なのかな?とも思うところだが、しかしその男性が醸し出す雰囲気はどことなく
「頼まれてないけど好きだからやってます」
という雰囲気なのだ。先ほど見てきた手作り感あふれる数々の物たちと男性の姿が私の頭の中で重なり合う…。
中年男性はまた、我々のタクシーが停まってるのを見て、
「個人タクシーさんが商売繁盛を願いに来たのかと思いました。」
とも言っていた。 |