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ちしきの金曜日
 
岩の上にある神社巡り

 次に見るのはこの記事を書いた時にタクシー運転手の森田さんに教えてもらった場所。タクシーの運転手は職業柄めちゃめちゃ道に詳しく、穴場みたいなスポットをいろいろ知ってる。
場所は女神大橋という橋のたもと

 女神大橋というのは長崎港の入り口にかかるとても大きな橋で、近くを通ると吸い込まれるようにその橋を渡ってしまうので気付きにくいが、横に平行して細い道があり、そこを進んでいくと突き当たりにある。

え?こんなところに?という場所に鳥居が立っている

実は今回の記事は、この神社を見たのがきっかけだ。
これを見て「そうだ、岩の上の神社巡りやろう」 と思い立った。
それくらいインパクトがあった。

夢で見たあの世」みたいな光景。
歩廊の石が抜け落ちてるところがあって
板で補修してあるものの、 隙間から下が見えるところがスリリング。

「神崎(こうざき)神社」という。
名前が書いてあったので少し調べてみたら、非常に古い歴史を持つ神社だそうで、なんと弥生時代からあるのだとか。
(参考:旅する長崎学

1800年前より、往来する船を見守っている。

歴史を紐解いたら1800年前にまで遡るって、なかなか無いと思う。
ところで、あちこちに真っ赤な柵があるのだが…
よくみると驚くほど手作り風。

神崎神社は、不思議な雰囲気に満ち溢れている。

柵など、周辺のアイテムはわりと小まめに手入れされてる印象だが、業者ではなく、誰かが自分で直しましたみたいな感じだ。

赤く塗ってあればとりあえず神社っぽく見えるんだなぁ。
などと思って見ていたら、ペンキの缶そのものが置いてあった。
無造作に置いてある、なんだかよくわからない物。
でもってやっぱり独特の手作り感。

 不思議な雰囲気を満喫し、そろそろ帰ろうと車に向かって歩き出したところ、向こうから手に何か金色の物を持った中年男性がやって来た。近くまで来たところで軽く挨拶を交わしつつ、手に持ってる物について尋ねてみると、
「少し色が剥げていたので家で色を塗って来たところなんです。」
と言って飾りらしきものを見せてくれた。

 神社の飾りをメンテナンスしてるからには、そういう仕事の人なのかな?とも思うところだが、しかしその男性が醸し出す雰囲気はどことなく
「頼まれてないけど好きだからやってます」
という雰囲気なのだ。先ほど見てきた手作り感あふれる数々の物たちと男性の姿が私の頭の中で重なり合う…。

 中年男性はまた、我々のタクシーが停まってるのを見て、
「個人タクシーさんが商売繁盛を願いに来たのかと思いました。」
とも言っていた。


次は対岸にある岩の上にも行ってみよう。

 後から考えたら、あの人はひょっとすると神様だったのかもしれない、と思った。


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