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ロマンの木曜日
 
「通りゃんせ」発祥の地で歌詞の意味を探る
通りゃんせ発祥の地

おなじみの童謡「通りゃんせ」。
歌詞がなんとなくミステリアスで、よく聞いてもいまいち意味がわからないなあと、子供の頃からずっと思っていた。

この歌詞についてネットで調べると、いろいろな解釈がなされていて、意味がわからないのは僕だけではないようだ。

大人になった今でもすっきりと頭に入らない歌詞なので、歌の意味を知りたい。
そう思い調べたところ、「通りゃんせ発祥の地」というのがあることがわかった。
実際に行ってみれば、歌詞の意味もすんなりと理解できるのではないだろうか。

工藤 考浩



通りゃんせ歌詞

まずは通りゃんせの歌詞をおさらいしてみよう。


通りゃんせ 通りゃんせ
ここはどこの 細通じゃ
天神さまの 細道じゃ
ちょっと通して 下しゃんせ
御用のないもの 通しゃせぬ
この子の七つの お祝いに
お札を納めに まいります
行きはよいよい 帰りはこわい
こわいながらも
通りゃんせ 通りゃんせ

地域によって細かなちがいがあるようだけれど、僕が記憶していたのもこの歌詞だった。
一般的に歌詞というのは、状況をくわしく説明するものではないが、それにしてもこの詞は背景を省略しすぎじゃないだろうか。
とくに「行きはよいよい かえりはこわい」というところ。
もうちょっと具体的に言ってもらわないと、なんのことやらさっぱりだ。
ときどきこういう、ぼかした表現の話し方をする人がいるが、僕は苦手だ。
もったいぶるんじゃないよ、と思ってしまう。


ここが「通りゃんせ」発祥の地 その1

発祥の地は2ヶ所あった

この歌詞についての疑問を解決すべく、「発祥の地」へと向かおうと思ったのだが、なんとまあ、驚くことに発祥の地を2ヶ所も見つけてしまったのである。
発祥というのは本来唯一無二のはずであるが、それを2つも見つけてしまうとは縁起がいいわい。
せっかく見つけたので両方とも行ってみることにした。
まずは埼玉県川越市にある「発祥の地」へとむかった。


川越・三芳野神社の発祥の碑

歌詞の内容を精査する

歌詞の疑問を解くには、まずその内容を精査してみる必要があろう。

しかし、冒頭の部分「通りゃんせ」からして意味がわからない。
なんとなく「通りなさい」という意味なのではないかな、という感じはする。
でも、「通りゃんせ」というエキゾチックな言葉の響きからすると、もしかしたら「エトランゼ」のような外国語が転訛したものかもしれない。

そんなことをいっていてはキリがないので、とりあえず通りなさいという意味だと仮定しよう。


発祥の地までは川越駅から3kmほどの道のりだった

つづいて「ここはどこの細道じゃ」とある。
話し手は今自分のいるところがわかっていないようだ。
それに対して「天神さまの細道じゃ」と続く。
ここで登場人物が増える。質問に答える人が出てきた。
自分がどこにいるかわからなくなっている人に、親切に教えてあげる人物だ。

ところがいきなりその人に「ちょっと通して下しゃんせ 」と頼み事をする。
(「下しゃんせ」というのが「〜させて下さい」という意味だと解釈した場合だ。これも「シャンゼリゼ」などが転訛…(以下略)。)
ここがどこかも知らない人に「通してくれ」と頼まれても困る。


賑やかな商店街を抜けて神社に向かう

いくら親切な人でも、だめだというのが当然だろう。
御用のないもの 通しゃせぬ 」というのも無理はない。
ここで、親切な人の人物像が推測できる。
「通さない」と言っているということは、その建物の住人か、あるいはそれを管理する人物だろう。
状況からしておそらく門番や警察官のような人、ではないかと思われる。

とここで疑問が生まれる。
歌詞冒頭の「通りゃんせ」と言っているのはだれなのだろう。


川越は別名「蔵の街」。あちこちに蔵が残っている

記憶をなくした母親

そのあと歌詞は「この子の七つの お祝いに お札を納めに まいります」 と展開する。
ここでもう一人、七歳になる子供が登場した。
ということは「通りゃんせ」と言っているのは、この子供である可能性が高い。
では子供は、何に対して「通りなさい」と言っているのだろう。
母親にだろうか。あるいは、熱にうなされて幻覚でも見ているのだろうか。

ともかく「通りなさい、通りなさい」と言っている子供を連れた、記憶を失った母親が、「ここを通して」と懇願している様子が、ここまでの歌詞で見えてきた。


きっとなにかの史跡
普通のビルに木の扉があった

やはりエトランゼか

しかし、子供が「通りなさい」と言っているという解釈にはやや強引な部分もある。

となると「通りゃんせ」と言っているのは誰か。
「御用のないもの 通しゃせぬ 」と言っている門番なり警官なりが「通りゃんせ」と言うのも不自然だ。

けれどもここで先ほどの説、「通りゃんせ」が「エトランゼ(部外者という意味のフランス語)」から転訛したものだと仮定すると、意味が通りやすい。

つまり門番が不法侵入の親子を発見し「部外者だ、部外者だ」と他の門番たちに応援を要請している様子を表しているのだ。

ただこの解釈にも、いきなりフランス語が登場するなど、かなり強引な部分があることも否めない。


神社近くの浄水場にも「通りゃんせ」の記述が

ともかく発祥の神社へ

と、あれこれ考察(というか妄想)を巡らせながら、目的地である三芳野神社に到着した。


 

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