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フェティッシュの火曜日
 
オルゴールでバンド演奏を

シンプルでよくできた機械ですよね

 オルゴールって、よくできてる。シンプルなしくみなのに、複雑な音楽も鳴らすことができる。100年以上前に発明されたオルゴールが、録音技術の発達した今でも愛され続けている理由には、しくみのわかりやすさもあるのではないか。

 シンプルということは、応用が利くということでもある。オルゴールの原理を応用して、臨場感溢れる音楽を奏でる方法を考えました。

 

 (text by 石川 大樹



 

まずはオルゴールのおさらいから

 オルゴールの原理、みなさんご存じかと思うけれども、一応ご説明しておこう。


赤線の説明は後ほど

 まずはパーツの名前から。ゼンマイ仕掛けでぐるぐる回っている部分がシリンダー、その表面に突き出ている突起を、ピンという。

 そしてシリンダーの隣にある、くし状の金属板。これがオルゴールの音を出しているわけだが、この1本1本を歯という。

 

オルゴールのなるしくみ

音楽が流れるしくみ

 左の図は、上の写真の赤線部分でオルゴールを真っ二つにした、その断面図だと思ってほしい。

 @シリンダーが回転すると、Aピンが歯に引っかかり、B歯が弾かれて音が出る。これが、オルゴールの発音原理だ。

 …はりきって図を書いたのに、言葉にしたら1文で終わってしまった。

 

 

 

次世代の自動演奏装置!

オルゴールの進化したかたち

 それでですね、ここからが本題だ。あの弾く部分、なにもあの金属板だけじゃなくてもいいと思うわけです。

 左の図のように、オルゴールのピンをいまよりずっと長くする。その先になにか打楽器を置いておけば、ピンが直接、打楽器を叩くだろう。つまりオルゴールの歯の部分を、打楽器に置き換えるわけだ。こうすれば、いつものオルゴールみたいなひとつの音色だけじゃなく、いろんな楽器を組み合わせた音楽が奏でられるに違いない、というのが今回のアイデアだ。オルゴールで、バンド演奏を!


まずは楽器集め

 とりあえず楽器の準備だ。家の内外から、叩いて鳴らす楽器を集めてみた。


アジア雑貨屋で、竹のマリンバを購入。ベトナム製

家にあったミニシンバル。ベリーダンスの時に使う楽器です


アルミのボウル。ハンバーグをこねるときなどに使う楽器です
計量カップ。水など液体の量を計ることができる楽器

牛乳パック。牛乳を入れておく他、リサイクルして再生紙に使うこともある楽器です

 ええ、わかってます。いいたいことはわかります。ちゃんと今から言い訳しますから!

 考えてみたら家に打楽器なんてあまりなかったので、助っ人としてキッチンから金物を調達した。金物だけでは高い音ばかりになってしまうので、低音担当として牛乳パックも参加。

 この寄せ集めのラインナップ。漢字2文字で表現するとしたら「雑兵」って感じだろうか。この軍隊で出兵したら、敵地に着く前にでっかい鳥とか見て「空襲だー」って叫びながら逃げ出すに違いない。そんな感じのメンツだ。ちょっと試しに叩いてみよう。


いんちきドラマー

 打楽器とかやったことないのでちゃんと叩けてませんが、こんな感じでビートを刻み、その上で普通のオルゴールのように、マリンバのメロディがなるわけです!

 見た目はチープな楽器たちだけど、実際に鳴らしてみると、たまにはこうやって寄せ集めでチャカポコと音楽するのも楽しい。ましてや今回みたいなカラクリ感溢れる工作には、こんなおもちゃっぽいセットの方が似合うような気もしてきた。

 

 

切る

シリンダーを作ろう

 さて、今回の工作のキモ、シリンダー部分の制作に取りかかろう。

 家に過去の記事で使った塩ビパイプが大量に余っているので、今回も塩ビパイプで作る。頭の中に設計図はできている。あとは組み立てるだけだ。


組み立てる

通す


特に工夫もなく骨組み完成

 切って組み立てるだけなので、特になんの苦労もない。強いて挙げれば、下敷きに使った食事宅配サービスのチラシの料理がうまそうで気が散ったことぐらいだろうか。うまそうな上に栄養バランスもよく計算されていて健康的。さらに何種類かのメニューを自分で選ぶことができてすばらしい。あまりこのチラシの説明をしすぎても今回の記事の主旨から逸れるので、次回の記事で特集することにしたい。(嘘ですよ)

 シリンダーの回転軸ができあがった。なんかガニ股ロボットの脚部みたいなかたちで、すでにオルゴールの持つ繊細なイメージからかなり別次元に来てしまっている。しかし安心してほしい。これからどんどんオルゴールから遠く離れていくので、まだまだ序の口だ。

 

 

 

パイプに巻くためのクッション材

シリンダー完成まで

 次にピンを立てる土台にするため、パイプをクッション材で巻いていく。ピンを突き刺すための土台にするのだ。


はさみで簡単に切れます
何重にも巻いて

ついでにハンドルもつくりました

ハンドルも装着


 豚の丸焼きってこういう道具で回しながら焼くよね、という感じのものができた。オルゴールと、豚の丸焼き。一見なんの共通点もなさそうだが、どちらも「回す」という点では同じなのだ。小さな発見。

 そして、僕はオルゴールを作ろうとしているのに、明らかに丸焼き側に迷い込んでいる。「回す」という点しか共通点がないにもかかわらず、だ。

 

 

 

スポンジにと穴を開けて

音を出してみる

 しかし、ここまでの丸焼き化は序章にすぎなかった。次の工程は「割り箸を突き刺す」なのだ。しかもその次の工程は「箸で食器を叩く」だ。この一連の行為、腹ぺこ以外のなんであろうか。

 クッション材にハサミで穴を開けて、ピンとなる割り箸を突き刺す。


箸を突き立てる

この箸がピンの代わりになる


 もちろん曲にするには音の数だけピンがいるわけだが、ひとまずは動作確認。ピン1本だけの試作第一号が完成した。

 さっそく楽器を置いて、回してみます。


伸びやかに響く鐘の音が、部屋の中に響き…

届かない

 あまりに頭の悪い失敗をすると、「なかったことにしよう」みたいな心理状態になる。閉まりかけたエレベーターに駆け込もうとして間に合わなかったときに「別に今のに乗るために走ったんじゃないから」みたいな顔をする、あの現象だ。

 

 

気を取り直して

 何事もなかったフリをして脚を切り、高さを調整した。さあ、いよいよ初めてのテスト演奏だ。うまく鳴るかな!(演技派)


動画でどうぞ

 回しているうちに、楽器が箸に押されてどっかに行ってしまう。仕方なく楽器を手で固定しながら回すも、しまいには箸がポロポロと抜け落ちてしまう始末。

 箸が転げてもおかしい年頃、なんていう言葉があるけれども、今の僕は、箸が転げるのを見て「おかしいなあ」と頭をかしげている。今年で29歳になります。そういう年頃もあるのでしょうか。


 

 
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