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ロマンの木曜日
 
埼玉の細長い稲荷寿司「聖天いなり」

いいにおい

ぷーんと酢飯と揚げのいいにおいがする中、430円の稲荷寿司とのり巻きの詰め合わせを購入した。
ずっしりと重い(そりゃそうだ、中身はほぼ米なので)包みは、まだ暖かい。
冷めないうちに残りの2件も購入してしまいたい。


一つ目ゲット

次は森川寿司

次に向かう森川寿司店は、聖天様をはさんで小林寿司の向こう側にある。
なので、また聖天様を通り過ぎなければならない。
素通りで行ったり来たりして、罰が当たりはしないかとやや気になったが、まあ仕方ないだろう。


きっと昔は賑やかだったんだろうな、という町並み
おや、シャッターが

聖天様を少しすぎたところに森川寿司店はあったのだが、シャッターが閉まっていた。
この日は日曜日で、お店の定休日(月曜)ではないはずなのでどうしたのだろう。
   
あとでお店に聞いたら、日によっては早い時間に売り切れとなり、店を閉めてしまうそうだ。

まだお昼前だというのにすごい人気だ。
残念だが、もうひとつのお店に行こう。


しょうやく聖天様へ
聖天様に一番近いお店

その名も聖天寿し

3つのお店でいちばん聖天様に近いのがこの聖天寿しだ。
このお店からも酢飯と揚げのいいにおいがぷーんとしてくる。
「甘酸っぱい」というとちょっとニュアンスが違うので、酸っぱ甘いといったところだろうか。
さきほどの小林寿司と同様、聖天寿しにもお客さんが切れ目なく入っている。
店から出てくる人の中には、お寿司の包みを10個くらい抱えた人もいる。
きっと家族みんなで食べるのだろう。
たぶん聖天稲荷は、親戚が集まったときとか、家族がそろった休日なんかに食べるものなんじゃないだろうか。
買い物に来ている人を見て、なんとなくそういう風に感じた。


こちらも立派な店構え


聖天寿しの稲荷寿司詰め合わせも同じ430円だった。
行列のお客さんが「5つ」とか「6つ」とか、数だけ言って注文している。
それにならって僕も「ひとつください」とお願いした。
小林寿司もそうだったのだが、店の奥で調理しているのはほとんどが「お母さん」たちで、店頭で注文を受けるのが旦那さんだ。
この点が一般的なお寿司屋さんとは違うなあと思った。


聖天寿しは登録商標だった

いよいよご対面

残念ながら2店の聖天寿司しか入手できなかったが、僕のひざの上には甘くてしょっぱくて酸っぱい、いいにおいのお寿司がずっしりと乗っている。
ほんのり暖かくて、できたての酢飯のにおいを久しぶりにかいだ。
このにおいは、なにかいいことがある日のにおいだなと、子供のころ母が酢飯を扇いでいたのを思い出した。


かんぴょうで巻いてある

包みをほどくと、噂のとおり横長のお稲荷さんがどどんと3本並んでいた。
なぜだろう、ちょっとうれしい。
このうれしさがなんなのかよくわからないが、ほっこりとしたうれしさを感じる。
見た目の派手さはないけれど、やけにおいしそうだ。
特に、のり巻きの不揃いな感じが「あ、これはうまい食い物」という雰囲気をガンガンとかもし出している。
こういうのは、ものすごくうまいか、ものすごくまずいかのどちらかであることが多い。


小林寿司はシンプルな包み紙

小林寿司もお稲荷さん3本と(そうこの稲荷寿司、単位は“本”がぴったりだ)、のり巻きが4つだ。
真っ赤な紅ショウガも同じで、これがスタンダードのようだ。
もちろんこちらのお寿司もおいしそう。
特に、揚げがちょっぴり破れて、中のごはんがすこしのぞいているあたりがたまらない。


これもうまそうですわ


 

 
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