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ちしきの金曜日
 
「光の館」で空を見る

光と色のショー

 空の色の変化を絵画のように鑑賞できる館に行ってきた。
まるで天井に貼り付けた折り紙が刻々と色を変えるような、自然の光のプログラム。

毎日行われている「日暮れ」と「夜明け」をこんなに感動的に見る方法がありました。

ほそいあや



新潟県十日町市「光の館」

光の館は「ジェームズ・タレル」という建築家が設計した建物であり、美術作品でもある。

この建物は全体的にかっこいいのだが、なにが一番すごいかというと、屋根がスライドして直に空を仰ぐことができること。

屋根がスライド!?どんな基地だ。と構えてしまうが、瞑想のためのゲストハウスとして構想されている「House of Light」という名の通り、自然の様々な光と向き合う事をねらいとした造りになっている、という事らしい。

ようは屋根がスライドするのは空を見るためだと言うのか?空を見るならテラスでもよかろうに、と初めは意味がわからなかった。

昼間は内部の見学が可能で、事前に予約をすれば宿泊もできてしまう。

私はこの館をくわしくは知らなかったのだが、あらかじめ予約をしておいてくれた知人の誘いを受け宿泊する運びとなった。屋根がスライドするなんてどんな館だろうとワクワクしながら来てみると、想像以上にどっしりとした日本家屋だった。


小高い丘の上に堂々とある。一番上に見える屋根がスライドする。

元気一杯ぞうきんがけしたくなる廊下。

さえぎるものがなく遠くまで見通せる。すごく贅沢な気分。

館内の照明は光ファイバーが使われている。
階段は忍者屋敷のようだ。

「障子の破損は一枠500円」と言われてびびるメンバー。


誓約書を読む

この日は11人のメンバーで予約した。11人でもあまりある広さ
チェックインのさいには「建物全体が美術作品である事を理解し、破損せぬよう十分気を付けます。」「屋根の開閉については天候に注意します。」などと書いてある誓約書を読む事と、全員分のサインを求められる。

夜になると管理人さん達も帰ってしまい、宿泊客だけになるので、自由な反面気を引き締めなければならない。
それにしても美術作品に泊まるなんて初体験だ。

そしてこれがウワサの穴。
スイッチを入れると屋根がぐいーんとスライドされて・・・
半屋外のような空間になる。屋根のない和室というのが奇妙で面白い感覚。


寒い、明るい、不思議

一気に部屋が明るくなり、冷気が流れ込んでくる。ガラスも何もない。まさに天井が吹っ飛んだ状態。

ここは雪国でもあるし、うっかりこの屋根を閉め忘れたりしたら大変な事になってしまうのでは。

しかしこれこそがタレルのこだわりであると同時に賭けなのかもしれない。

・・・というのも、過去に窓を閉め忘れた宿泊客はやはりいたらしい。あっという間に雪が降り積もりスライド式の屋根は動かなくなり、上に登ってビニールシートで覆っても雪は止まず重みでどんどんたわんでいき、最終的には畳をかえたという事件もあったとのこと。

でも今回11人いるので全員が酔いつぶれる事はないだろうから大丈夫だと思います。

 

ライトプログラムがはじまる

夕刻、いままで真っ白だった空が、ゆっくり暮れ始める。
天井全体に「空が一番きれいに見えるよう計算された照明」があしらわれ、刻々と変わる空の色の鑑賞タイムが設けられている。
もちろん見る見ないは自由だが、せっかくタレルがそこを計算してくれたのなら見ないと損だろう。

ライトプログラムは夕刻と明け方の一日二回、一番光の移り変わりが美しい時間帯に行われる。まずは一回目のショー「日暮れ」をご覧いただこう。


この色がどう変わっていくんだろうか。

 

急に空が青くなった

天井に照明が灯っただけで、今まで見ていた青灰色の空がまぶしいくらい鮮やかな青になったのは驚いた。どんな計算をして設計したらこんな色になるのか。さすが光の館である。タレルすごいよ。


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緑色のボタンで再生します。

三脚を忘れてしまいぶれていて申し訳ないですが、光の移り変わりの美しさが伝わったでしょうか。色調補正はしていません。

時間にして20分強、天井に貼られた青色はぐんぐん表情を変えていく。暮れ初めの蛍光色のようにピカピカした青から、深い藍色へ・・・夕暮れってこんなにきれいな色の遷移なのか!

全員が布団にくるまりながら釘付けになっていた。

とにかく一時たりとも目が離せないのである。空は思っているよりもあっという間に色が変わってしまうのだ。

こんなふうに空を凝視した事って、今までにあっただろうか。


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