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今回の企画で工作をしていたら、カッターで左人差し指をざっくりと切ってしまった。



切った瞬間、「あ、今の無し!」と声に出して言ってしまい、頭の中でコマンドゼット(やり直し)していた。もちろん、コマンドゼット出来る訳もなく、血がドバーっと出始めた。2センチくらい深くいってしまったらしい。事務所にあった救急箱からガーゼと包帯を取り出してグルグル巻いた。左人差し指に心臓があるかのようにズキュンズキュンしている。どうしよう?

祭日だったので病院もやってない。

近所にあって救急対応してくれそうな病院を探して電話をかけてみたが、どこも外科的な処置は出来ないという。

「とにかく血が止まれば大丈夫ですから、気を確かに持って!」

と励まされた。
そんなに取り乱した感じだったのだろうか?

血が止まらなかったら、自分で縫うしかないのか?
いや、僕はランボーじゃない。そんなの無理だ。

しばらくじっとしていたら、何とか血は止まった。とりあえず大丈夫っぽいが…。

いや、大丈夫じゃない。

企画の工作もまだ終わってないし、工作が終わったとしてもその後に原稿を書かないといけない。左人差し指を使わずにタイプ出来るのか?



かなり不自由である。

右の人差し指で左人差し指の代わりを打とうとしても、どうしてもずれる。片手で気ボードを見ながら打った方がまだましだ。でも、異常に時間がかかってしまう。人差し指負傷のためお休み、って訳にはいかないだろうか?

林さんに電話してみよう。

住「あの、実はですね、工作中に人差し指を切っちゃいまして、やすみ…」
林「あ、是非そのことも書いて下さい。指を切ったことを生かしで!」

ダメだ。
生かしで!って言われてしまった。

やるしかない。

というわけで、今回の原稿は左人差し指を使わずに書きました。
もし誤植があってもそおっと見過ごしていただけると幸いでし。

(text by 住 正徳







コンビニのサインポールをつくる

コンビニの看板はライン使いが特徴的だと思う。各社、色や数は違うものの、それぞれラインを使っている。セブンイレブンだったら白地にオレンジ、緑、赤のラインが入っていて、ローソンは白地に青と赤。ampmはオレンジ、赤、紫、青という4本のラインを使っていて、オレンジは「日の出」、赤は「日中」、紫は「夕暮れ」、青は「夜空」を表しているという。ampmトリビアである。

そんなコンビニの看板を見ていて、ふと思った。
このラインを理髪店のサインポールのようにくるくる回したらどうだろう?

いいかもしれない。

作ってみよう。


コンビにの看板を

サインポールにしたい



無地のサインポールを調達

ネットで中古のサインポールを探してみた。いくつか見つかったのだが、どれも高い。一番安い物でも5万円以上する。それはとても無理だ。しかも、全て理髪店で使用していたものなので、赤、青、白のラインが入ってしまっている。そのラインを一度消して、コンビニのラインを入れる。考えただけでも相当な手間だ。

更に検索を進めると、丁度いいサインポールを1つ見つけた。
「α-1マルチサイン」という商品で、回転する部分が無地なのだ。大阪の会社だったので早速電話で問い合わせてみた。

「α-1マルチサインの在庫はありますか?」

無地の在庫は無いらしく、制作に2、3日かかるという。
それでも良いので是非送って下さい、とお願いして電話を切った。

それから3日後、事務所に「α-1マルチサイン」が届いた。


「α-1マルチサイン」

電源を入れると光って回る

高さ55センチと小ぶりなので、壁面に取り付けることも出来るし、底板を付ければ据え置きタイプにもなる。

理理髪店の看板は1分間に113回転するらしい。電話で注文した際、「回転数はどうしますか?」と聞かれたので、理髪店と同じ回転数でお願いしておいた。モーターを変更すれば、回転数も調節出来るという。ちなみに理髪店用の回転はマロリーメーターというモーターを使用している。


ケースを取り外す

アクリル製の外ケースを取り外すと、無地の回転筒がむき出しの状態になる。
ここに、コンビニ看板のラインを貼り付けていくわけだ。

そして、その作業中に、僕は人差し指を切ることになる。






 

 
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